警視庁の臨床心理士が監禁・強制改宗を推奨する発言をしていた
菅原喜重郎議員の2001年(平成13年)6月19日付の質問主意書によると、同年1月27日、東京都千代田区内の東京国際フォーラムにおいて、東京都青少年協会及び財団法人東京都ユースホステル協会の共催にて開催された「21世紀へのSPICE・平和への架け橋」と題する国際シンポジウムにパネリストとして登壇した警視庁立川少年センター臨床心理士・竹江孝氏は、講演の中で次のような発言を行ったそうです。
〈現在でも「ビデオセンター」、「スリーディズ研修」、「セブンディズ研修」という言葉をお聞き及びの方はいらっしゃいますでしょうか。あの「集団結婚式」をやる教会でございます。あそこは、ビデオセンターを通じて洗脳教育をしています。ですから、我々も相談を受けることがあるのですが、逆洗脳しなきゃならないわけで、ところが、教団の方と一緒に接していると、洗脳は繰り返し繰り返し受けるわけで、その教団から離して「監禁療法」から始めなきゃいけません。ですから、これを改善し引き戻すのは大変でございまして、私も成功した例は一件しかありません。
これは、お父さんがお仕事をおやめになって、ホテルを借り切りまして、娘と二人で、ホテルの一室に監禁して、洗脳をゆるめていった。そして洗脳がゆるまってきたところで、別の正統派のキリスト教の教義を再洗脳していったということで、救い出していったわけです。
ですから我々は親御さんに、「チェーンを巻いて、鍵をかけて、監禁しろ」と勧めるんですが、お母様がたいてい「かわいそうだ」と、時々カギを外すんです。それで逃げられてしまって、最初ははじめの所に戻るので引き戻せるんですが、二回目に逃げられた時は、違った所に行くんで、これで行方不明になって連れ戻すことができないという経験をしております。〉
この発言によって、警視庁立川少年センターの職員である竹江孝氏は、統一教会信者に対する拉致監禁・強制改宗を「監禁療法」と呼び、監禁・強制改宗の実践を推奨していたことを明らかにしていました。
この発言は、警察が統一教会信者に対する拉致監禁・強制改宗の共犯者であることを証明しています。
菅原議員は質問主意書の中で次のように指摘しています。
〈竹江氏が指導する「監禁療法」においては、特定宗教団体信者の信仰を破壊するために同宗教団体信者を監禁し、本人が希望しない別の宗教教義を「洗脳」するという手法がとられているが、こうした行為は、憲法第二十条が保障する信教の自由及び政教分離原則に明らかに反すると考えられるが、政府としてはどのように判断するのか。〉
〈警察庁長官は、親子あるいは親族であっても刑罰に触れる行為があれば厳正に対処している旨答弁しているところ、警視庁職員である竹江氏が特定宗教団体信者の父兄に「チェーンを巻いて、鍵をかけて、監禁しろ」と勧める「監禁療法」では、親が子をホテルの一室等に監禁するという手法がとられている。このような監禁行為は、明らかに刑法第二百二十条の監禁罪に該当するものと考えられるが、公務員たる警視庁職員が国民に具体的な犯罪行為の指導・教唆をしていることを政府として容認するのか。〉
菅原議員の質問に対し、小泉純一郎首相は衆議院議長に送付された同年9月18日付の答弁書において、以下のように答弁しました。
〈警視庁においては、御指摘の「監禁療法」と称する手法が警視庁職員によって指導されている事実は把握していない。なお、御指摘の竹江氏の講演については、同氏が、十数年前に、家出をした少女の両親から相談を受け、実際には、当該相談の約一年後に再び同氏の元を訪れた父親からその体験談を聞いたに過ぎないにもかかわらず、子どもの養育における親の監護と深い愛情の必要性を強調するあまり、あたかも「監禁療法」なる手法が存在し、同氏の指導に従って「監禁療法」なる手法が用いられた事例であると受け取られかねない表現により紹介したものであった。
したがって、政府としては、警視庁職員によって「監禁療法」なる手法が指導されている事実はないものと承知している。〉