新しいスポーツを共に創る :「未来の大阪の運動会」を事例として
12月から公開していたスポーツ共創のあれこれから卒論が完成しました。
[ 目次 ]
Ⅰ.はじめに
1.わが国におけるスポーツの現状
2.研究の背景
3.スポーツ共創の問題点
4.研究の目的
Ⅱ.活動実践内容の報告
1.「スポーツ共創人材合宿」の参加報告
2.「Sports DIY」の実施
1)DIYについて
2)Sports DIYについて
3)Sports DIYの過去の開催
3.「未来の大阪の運動会」の運営報告
1)未来の大阪の運動会について
2)準備期間
3)アンケート調査
(1)調査期間
(2)調査対象
(3)調査方法
(4)調査内容
(5)統計について
(6)アンケート結果
(7)アンケート結果と考察
(8)参加者の声
Ⅲ.まとめ
Ⅳ.さいごに
Ⅴ.文献
謝辞
おまけ ~卒論を書いてみて~
Ⅰ はじめに
本研究ではスポーツ共創に関する実践活動を通じて,生涯スポーツの新しいスポーツの関わり方・在り方を検討する。
1. 我が国におけるスポーツの現状
スポーツ庁は1)『スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト・新たなスポーツの開発』(平成29年)の中で「ALL for SPORTS」と「SPORTS for ALL」を取り上げ,以下のように提案している。
スポーツはもっと「自由で」「楽しく」「クリエイティブな」活動であるべきとの考えのもとに,「スポーツに人間が合わせるのではなく,人間にスポーツを合わせる」べく,「スポーツの定義を拡張」しながら,新たなスポーツを開発する。「どんなことでもスポーツに!」「すべての人にスポーツを!」というコンセプトで,スポーツ以外の分野とスポーツとの融合を含めた形での新たなスポーツ開発に取り組んでいます。スポーツをしない人に対して,既存のスポーツを強要するのではなく,その人のスタイルに合わせたスポーツの機会を提供すべく,新たなスポーツを開発します。(図1)
今日,スポーツ人口の拡大を通じて,健康寿命を平均寿命に近づけることのできる社会が重要となっている。スポーツ庁の平成30年度『スポーツに実施状況等に関する世論調査』1)によれば,成人の週1 回以上のスポーツ実施率は,55.1%留まっている。また,文部科学省の『第2期スポーツ基本計画』(平成29年3月)2)では,成人の週1 回以上のスポーツ実施率65.0%をスポーツ実施人口の目標に掲げている。すなわち,スポーツ共創という手法で,スポーツ実施人口の拡大に繋げていくことが我が国の喫緊の課題であると言える。(図2)
スポーツ庁の平成29年度『スポーツ人口の拡大に向け官民連携プロジェクト・新たなスポーツの開発報告書』3)では,これまでスポーツには「する」「みる」「ささえる」という3軸の関わり方があるとしている。そこに,「つくる」という関わり方を加え,スポーツを共に創ることを「スポーツ共創」と言う。スポーツ共創とは,自分”たち”の手でスポーツを自分”たち”でつくることである。特定の誰かが一人でつくるのでなく,誰もが自分たちのスポーツを,みんなでつくっていくことが重要で,「共創」という意味が含まれている。
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2. 研究の背景
前述したように,スポーツ庁ではこれからの日本のスポーツの関わり方は「する・みる・支える」の3軸に「つくる」を加え,4軸で捉えることを勧めている。しかし実際には,我々が「スポーツをつくる」関わり方の現場に直接携わる機会はほとんどない。
著者は,2018年4月〜2019年3月の休学期間中に,「自分のテーマを持って週1回仮説を立ててそれの検証をする」プロジェクトに参加し,「あたらしいスポーツをつくる」というテーマで3ヶ月間活動した。スポーツは,①身体を使う②ルールがある③道具がある④動詞する⑤判定法があるという5要素に分けられると考えた。スポーツを創るイベントを開催した経験から,スポーツの概念を拡張し,スポーツ実施人口の増加に貢献できると感じた。
そこで,イベント参加者が「心地良く共創できるスポーツイベントにするための注意点」,「様々な背景を持った参加者が対等に参加できるような配慮すべき点」,「イベント運営の改善点」を検討した。
さらに,今後参加者が増加するようイベント運営に役立て,日本のスポーツの在り方を考える機会にしようと考えた。
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3. スポーツ共創の問題点
スポーツ共創の魅力や可能性を信じる人々が,様々な場所でスポーツ共創の実践を始めている。例えば,国内における代表的なスポーツ共創イベントのひとつ「未来の運動会」は,山口を初め,大阪,京都,渋谷,銀座,福岡で開催されている。その中には毎年開催されている都市もある。このように全国に普及されつつあるスポーツ共創の問題点は以下4点が挙げられる。
1)スポーツ共創の認知度が低い。
2)スポーツ嫌いの人は,スポーツに対する心理的ハードルが高い。
3)開発された新たなスポーツを体験できる場がない。
4)スポーツを創るワークショップに対する心理的ハードルが高い。
多くの人は,体育や部活動でスポーツを「する」機会があるが,大人になるにつれその機会は減る。さらに,「みる」スポーツや「支える」の観点から関わる人はいるが, 運動やスポーツに関心を持っていない人は,スポーツから遠ざかり,スポーツに関心のある人との二極化の傾向がある。特に,スポーツを「つくる」という関わり方はまだマイノリティである。そこで,スポーツ共創を知らない人へ運動会という手法でスポーツ共創との出会いを作ることを提案する。
しかし,開発された新たなスポーツは,その場限りの体験コンテンツになり消費される。新たなスポーツを体験できる機会を作ることでスポーツ実施人口の拡大に繋げることができる可能性がある。
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4. 研究の目的
社会における新たなスポーツの楽しみ方をより身近に,スポーツ共創を実現する方法を考え,スポーツ共創を社会に提案することで,スポーツ実施人口を拡大する。そのためにスポーツ共創を実現させるための手段やイベント運営の過程を明らかにすること。さらにスポーツと聞いて良いイメージを持たない人が,「スポーツはつくれる」ということを知ることで,スポーツに親しみやすくなり,スポーツ人口拡大に繋げることを目的とする。
Ⅱ 活動実践内容の報告
スポーツ共創を手段とした以下3つの活動実践を報告する。
1.「スポーツ共創人材合宿」の参加報告
2.「Sports DIY」の実施報告
3.「未来の大阪の運動会」の運営報告
1.「スポーツ共創人材合宿」の参加報告
1)期間
2019年9月14日(土)~16日(祝)
2)場所
お茶の水女子大学附属小学校
3)運営組織
①主催:一般社団法人運動会協会
本事業はスポーツ庁事業 「2019 年度スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト・新たなアプローチ展開」の一環として開催した。
②協力:未来の体育を構想するプロジェクト
4)概要
スポーツ共創人材合宿とは,スポーツ共創の先導をし,授業やイベント等を設計・運営する人材を育てる2泊3日の合宿である。
5)対象者
事業(教育,地域,家庭,企業,医療・看護,ビジネス等)生活の様々な現場でスポーツ共創を始めたい人やスポーツ共創を教育現場に取り入れたい人,未来の運動会などスポーツ共創イベントを開催したい人,学校の先生,スポーツインストラクター,教育関係者,地域体育会の関係者,運動会実行委員,医療・看護・リハビリ事業関係者,施設指定管理者,スポーツ企業の社員,エンジニア,ゲームクリエイター,自分でスポーツを作ってみたい人等。
6)プログラム内容
実際の合宿で行われたプログラムは以下の通りである。①~⑤の順に進行された。
7)スポーツ共創の関わり方
スポーツ共創の関わり方は以下の5つに分けられる。スポーツに関心がないスポーツ無関心層。スポーツをするプレイヤー。スポーツのルールや道具をつくるデベロップレイヤー(以下DPと言う)。イベントを進行するファシリテーター(以FTと言う)。イベントを企画・運営するプロデューサー・ディレクター。(図5)
著者は,スポーツに関心がない人やスポーツをしないスポーツ無関心層がプレイヤーとしてスポーツをすると,スポーツ人口拡大に繋がる。そういったプレイヤーが増加するために,スポーツ共創の人材育成が必要であると考える。
8)参加動機
著者はFTのスキルを身につけるために参加した。
9)スポーツ共創人材合宿のスケジュールと学び
(1)哲学対話~答えのない対話~
新しい何かを創る時,既存の疑念や定義を疑うことが必要になることがある。哲学対話に,答えはなく共創のための手段として「考える」ことをする。スポーツ共創人材合宿でのテーマは「はじまりってなに?」であった。発言する人がボールを持ち,次の人へパスをし,対話を深めていく。
(2)スポーツハッカソン~ファシリテーターは場を促進する人~
FTとは,会の進行や場の促進を支援する役割の人である。スポーツ共創では,スポーツハッカソン時にFTがいる。今回著者は,FTとしてスポーツハッカソンに参加し,さまざまなバックグラウンドを持った人たちがスポーツを創る際に発言のバランスや仕方,対等な関係性を作ることが大切な要素になること,スポーツ共創のFTはスポーツをつくる場をサポートをする人であることを学んだ。最初から質の高いスポーツをつくるのは難しいため,小さく試し,共有し,アイデアをアップデートしていくことが大切である。
(3)小さな未来の運動会~「種目づくり」と「運動会づくり」に必要な要素は異なる~
スポーツ共創はスポーツをつくる営みである。その創ったスポーツ(種目)は未来の運動会でプレイされる。種目づくりはスポーツのクオリティ,運動会づくりは運動会のクオリティを高める必要がある。スポーツハッカソンで創った新競技を小さな未来の運動会でシミュレーションした。運動会に必要な役割は以下9点である。
①音響 ②映像 ③審判
④得点 ⑤安全管理 ⑥進行(MC)
⑦救護 ⑧受付 ⑨撮影
今回著者は,音響として「小さな未来の運動会」に参加した。音響の役割は,以下3点が挙げられる。
①プレイに合わせて音量の調整をする
②選曲をする
③MCと映像とタイミングを合わせて音を出す
(4)振り返り
開発された新種目,ずぼらサッカーの「面白さと危険性」の問題点や感想,問いを共有した。
(5)アクションプランの作成
合宿の参加者全員がこの合宿後実際にどのような実践をするのか,アクションプランシートを作成する。著者はSports DIYをスポーツ共創の入門編として活動することにした。
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2.「Sports DIY」の実施
「DIY」という概念を以下に示す。
1)DIYについて4)
コトバンクによると,DIYとは以下に示されている。
DIYとは,“Do it Yourself”(自分自身でやる)の略称であり,日曜大工の言葉として使われる言葉である。DIYという言葉・概念は,「自分でできることは他人任せにせず自分でやろう」という考え方を広く生活の基本態度にしようとする精神を指している諸活動である。
著者は,あるものを好きなように組み合わせて作ったり,存在しないもので自分に技術がなくても創ってみる態度を大切にしたり,ものづくりのようにオリジナルで創るという意味でSports DIYと名付けた。
2)Sports DIYについて
Sports DIYは,スポーツを5要素に分解したカードとワークシートを使用し,スポーツを再構築するワークショップ型のイベントである。以下の図8と図9のワークシートとカードを使い,進行する。どのようにスポーツを創るのかについて探求した。
3)Sports DIYの過去の開催
著者がこれまで行った3回分のSports DIYを表2に示した。
第1回目の開催は,京都のスポーツ市民センターの会場を借りて,初めて自主スポーツイベントを行った。著者は,参加者が楽しめるのか不安であり,一人1スポーツをつくるのは難しいと予測していた。しかし,意外と一人1スポーツつくれることが分かった。そして,スポーツづくりを互いに助け合うことでコミュニケーションが活発に生まれた。カードはランダムに組み合わせられ,運の要素がある。結果が分からないドキドキ・ハラハラする感覚は,スポーツやゲームをしたりみたりする特徴だと感じた。さらに,くだらない動きも「真剣に」することで「スポーツっぽくなるかも?!」という意見があった。(図12)
第2回目の開催は第1回目と京都の同じ場所で開催した。今回は子どもと大人の参加者がいた。学童保育が団体で参加し,子どもたちが創ったスポーツを学童保育に帰っても環境や道具によりできそうならやろうとなった。固定概念に縛られスポーツを創りきれなかった大人がいたが,子どもたちの発想力は豊かでほとんどの子どもが一人1スポーツを創ることができた。また,大きな道具は使わず「身近にあるものを最大限に活かす」ために,あえてカードの種類を限定した。また,イベントが始まる前に参加する子どもたちと鬼ごっこで遊んだ。すると,共通体験をしたことで互いに友達になった感覚があった。著者は,スポーツでだけなく,このような遊びもスポーツ共創に大切な要素だと感じ,子どものなにもない場所でも楽しもうとする力に驚いた。(図13)
第3回目のSports DIYでは,4人という少人数で行った。「共創」というテーマについて深い対話ができた。また,スポーツにネガティブなイメージを持っていた参加者が笑い楽しんでいた。そして,ここで生まれた課題はどのように合意形成をするかということ。これまでの開催とは違い,一人1スポーツではなく,4人で1スポーツ創る形式を取った。今回創ったスポーツのカードは以下の3枚であった。
①身体:腹,②動詞:ひっくり返す③判定法:多さ
つまり,「腹」で「ひっくり返す」「多さ」を競うスポーツを開発し,「腹まわり」というスポーツが創られた。
多数決以外でどのような方法があるのか検討したい。(図14)
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3.「未来の大阪の運動会」の運営報告
1)未来の大阪の運動会について
『未来の大阪の運動会のホームページ』5)によると,未来の大阪の運動会を以下のように提示している。
未来の大阪の運動会は,新しいスポーツを作り,体験する運動会形式のイベントである。1日目の「スポーツハッカソン」では,頭と身体をフル回転して,新しい「種目」や運動会の様々な要素を作り上げる。2日目の「未来の運動会」では,大阪・キタに「住んでいる人」「働いている人」「学んでいる人」「遊びに来る人」,誰もが一緒になって,1日目のハッカソンで作った「種目」や「運動会」を楽しむ。
2)準備期間
11月9日,10日の未来の大阪の運動会に向けて,スタッフは8月から約3か月間,毎週火曜日,オンラインでのミーティングで準備をした。それぞれの立場で協働しながら未来の大阪の運動会を共創した。以下月ごとに行った準備過程である。(表3-1)
未来の大阪の運動会のチラシとホームページで広報を行った。(図15,16)
3)アンケート調査
(1)調査期間
2019年11月9日~10日
(2)調査対象
未来の大阪の運動会の参加者78人中35名
(3)調査方法
googleフォームを使用し,イベント終了後QRコードを読み込み,解答する。
(4)調査内容
参加者自身のスポーツまたはスポーツ共創への意識と,未来の大阪の運動会に参加した後の意識についてのアンケート。
(5)統計について
上記のアンケートを基に,参加者自身のスポーツまたはスポーツ共創への意識と,未来の大阪の運動会に参加した後の意識についての回答を分類し集計した後,オーエムエス出版社エクセル統計第4版statce4を用いて統計学的分析を行った。スポーツへの興味関心間の相関には,スピアマンの相関係数を用いた。有意水準は5%未満とした。スポーツ共創イベント参加前後の意識変化には,対応のあるt検定を用いた。有意水準は5%未満とした。
(6)アンケート結果
(7)アンケート結果と考察
表1は,スポーツへの興味関心に関する相関マトリックスである。そして,各質問の相関を示している。結果,3点のことが分かった。
1)「スポーツが好きである」と「スポーツを創ることに興味を持った(参加後)」に相関が認められた。すなわち,スポーツが好きな人ほどイベント参加後にスポーツを創ることに興味を持っていた。
2)「スポーツ共創イベントを自分でやってみたいから(参加前)」と「スポーツ共創イベントを自分でやってみたくなった(参加後)」に相関が認められた。すなわち,スポーツ共創イベントを自分でやってみたいと参加前に思っていた人ほど参加後に自分でやってみたくなるということに相関がある。
3)「スポーツを創ることに興味を持った(参加後)」と「スポーツ共創イベントを自分でやってみたくなった(参加後)」に相関が認められた。すなわち,スポーツを創ることに興味を持った人ほど,参加後にはスポーツ共創イベントを自分でやってみたくなる傾向がある。
他の項目には相関が認められなかった。
表5は,スポーツ共創イベント参加前後の意識変化についてである。
1)スポーツ共創イベントをやってみたいと思っていた人は,参加後スポーツ共創イベントを自分でやってみたくなるとは期待していたが,有意差認められなかった。
2)スポーツ共創イベントをやってみたいと思う人の平均値は3点満点で2.43や2.37と平均より高い点数である。3段階評価ではなく5段階評価や10段階評価で回答させるとより細かいデータが出たかもしれない。
(8)参加者の声
未来の大阪の運動会の参加者の声である。(図21)
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Ⅳ まとめ
本研究では,未来の大阪の運動会を事例としたスポーツ共創についての研究を行った。研究対象者は未来の大阪の運動会の参加者である。
結果,以下のようなことが明らかとなった。
(1)スポーツ創りに必要なスキルと運動会づくりに必要なスキルや役割は異なる。
スポーツ創りにはDPとしてスポーツを創るスキルが求められる。一方運動会づくりはFTやプロデューサー,ディレクターとしての立場で場を俯瞰的に観るスキルや環境について考えることが求められる。
(2)問い直すことの大切さ。
新しい何かを生み出すということは既存の概念を壊し,見直す必要がある。その点で哲学対話は,スポーツ共創をする上での態度として必要だと感じた。哲学対話は,言葉が可視化されるとコミュニケーションを取りやすいと思った。
(3)まずはスポーツに関心を持ってほしい。
アンケート結果より,スポーツが好きな人ほどスポーツを創ることに興味を持ち,スポーツ共創イベントをやってみたいと思う傾向があることが分かった。スポーツが好きな人を対象としたアプローチでスポーツ共創が普及される可能性がある。また,「スポーツ」や「運動会」という言葉を使用することで,スポーツに良いイメージを持っていない人に対しては限界があるため,新たなアプローチの検討が必要である。
(4)非日常のイベントから日常的な遊びへ。
Sports DIYや,未来の運動会へ参加することをスポーツ共創の入り口に,スポーツ創りが当たり前な社会になり,遊び,問い,考え,語り,笑い,試し,共創することでスポーツ共創を通してスポーツが継続的に日常生活に取り入れられ, スポーツ庁が提案する「ALL for SPORTS」と「SPORTS for ALL」に近づくであろう。さらに,著者は,スポーツ好きとスポーツ嫌いの2極化を生むのは学校教育での体育の可能性が高いとは考える。しかし,その課題を解消できるのも体育の可能性であるので,スポーツ共創を学校教育に導入していきたい。
(5)仲間づくりの大切さ。
1人でイベントを運営することは大変であるため,仲間づくりが必要である。数人が多数の仕事をすることも良いが,イベントスタッフへの関わり方を多様にすることで,仲間を増やすことができるのではないかと考える。また,本研究では未来の大阪の運動会のイベント運営の過程を明確にしたが,地域やスタッフによってイベントの作り方や内容は異なると思われる。
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Ⅳ さいごに
武庫川女子大学でスポーツ共創を取り入れた体育祭が2020年5月開催されます。体育祭実行委員から希望者を募り,女子大学生だからこそできるスポーツを社会に提案します。
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Ⅴ 文献
1)スポーツ庁,『スポーツに実施状況等に関する世論調査』,平成30年度
2)文部科学省,『第2期スポーツ基本計画』,平成29年3月
文部科学省,「スポーツ人口拡大に向けた官民連携プロジェクト・新たなスポーツの開発」,平成29年
3)スポーツ庁,「スポーツ人口の拡大に向けた官民連携プロジェクト・新たなスポーツの開発報告書」,平成29年度
4)コトバンク(2020年1月21日にアクセス)
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謝辞
この実践報告を作成するにあたりご指導,ご鞭撻頂きました三井先生に感謝の意を表すと共に厚く御礼申し上げます。
また,本研究に多忙な中,アンケート調査に御協力下さいました「未来の大阪の運動会実行委員会の皆様にこの紙上をお借りして御礼を述べ,ここで最後とします。
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おまけ ~卒論を書いてみて~
▷反省点
・文献が少ない
・過程の記録をもっと計画的にできた
▷興味関心
#生涯スポーツ
#レクリエーション
#スポーツ社会学
▷生まれた問いやテーマ
・何の条件がスポーツにさせるのか?
・社会の中でスポーツができることは?
・スポーツ嫌いの層に向けたアプローチは?
・スポーツ実施人口拡大のその先は?
・スポーツという言葉が持つ心理的ハードルup
・多数決以外の合意形成の方法は?
▷やってみたいこと
・Sports DIYのカード(ゲーム)化
・体験メニューの作成
・地域資源→教育資源
・地域資源→スポーツ資源
・教育資源×スポーツ資源
・スポーツ共創→共創社会
・つくる→スポーツをつくる×共創→スポーツ共創
発表をした時、質疑応答で何も出なかったので、感想やフィードバックをもらえると喜びます^^