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AI画像生成はどこまで来てどこまで行くのか、最新のサービスと問題を紐解く

みなさんこんばんは、福田達也です。

先日紹介したMidjourneyを含めて、AIで画像生成するサービスが沢山出てきました。手軽に高品質な画像が生成可能な一方で、それを受け入れる私達自身の心の準備が整っていないこともあり、様々な問題も発生しています。

今回は、そんなAI画像生成サービスの現状と、それに伴って発生している問題を紹介したいと思います。

AI画像生成サービスとは

AI画像生成サービスとは、その名の通りAIが自動で画像を生成してくれるサービスのことです。多くの場合、生成したい文言などを入れると、それに合った画像イメージを作成してくれます。

これまでは研究領域では盛んに行われていましたが、一般ユーザーでも使えるようになってきたのはごく最近のことです。私が最初に知ったのは、Midjourneyが広まってきてからのことでした。そして、それをきっかけとして、他のAI画像生成サービスが表に出るようになってきた気がします。

ここでは、そんなAI画像生成サービスを紹介します。

MidJourney

1つ目は以前の記事でも紹介したMidjourneyです。

キーとなるフレーズを入力すると、それに見合った画像を生成してくれるのが特徴です。絵画のような綺麗な画像もあれば、個性的なキャラクターの画像もあるなど、幅広い画像が作成可能です。

Midjorneyを使って漫画を書いている人や、RPGのためのチップセットを作っている人もいるなど、その利用範囲の広さが注目されています。

mimic

mimicは、絵の個性を反映したイラストを無限に生成できるAIサービスとして話題を集めています。

自分や特定のイラストレーターのキャラクター画像を30枚以上入れると、その個性を反映したキャラクター画像を生成してくれるのが特徴です。また、mimicと似たようなサービスとして、中国からもERNIE-ViLGというサービスが出てきているようです。

Stable Diffusion

3つ目が、2022年8月に、オープンソースとしてサービス開始されたStable Diffusionです。MidJourneyと異なるポイントは大きく2つです。

1つ目は、オープンソース化されているため、誰でも無料で利用可能だということ。自分のローカル環境に構築すればパソコン一つで動作可能ですし、今後画像生成エンジンにStable Diffusionを搭載したサービスも出てくることが考えられます。実際、LINE上に実装したという話は既に出てきていました。

また、生成した画像について、作成者が権利を持っていることと、商用利用可能であるという所も異なるポイントです。すなわち、月額のサブスクリプションが必要なMidJourneyと比べると安価で画像生成可能だという所が主な長所でしょう。

AI画像生成サービスに付随する問題

AI画像生成サービスは新しすぎるサービスということもあり、沢山の問題が起こっています。

著作権問題

1つ目は著作権問題です。沢山のプロフェッショナルの画像を元に自動で生成された画像は誰の著作物となるのでしょうか。元の画像を作った人、画像生成エンジンを作った人、はたまたそのサービスを使って画像を生成した人でしょうか。

この問題については沢山の議論をはらみながらも、これだと断言できる状態ではなさそうです。詳しくは下記のページが参考になると思います。

https://storialaw.jp/blog/8820

模倣される危険性

2つ目は、著作権問題に付随しますが、特定のイラストレーターに似た著作物を作られるという危険性です。もちろんこれについては、著作物が似ることによる問題(強みの消失や、それによる本家のモチベーションへの影響など)という危険性と、それを自分のオリジナルと主張する事による危険性がありますが、主に前者を対象とします。

これは、mimicが出てきたことにより、特に顕在化した課題です。自分のイラストのタッチが簡単に模倣され、自分の努力を否定されたように感じられるときのダメージは計り知れません。

mimicはあまりの批判の多さに現在サービスを停止していますが、特定のサービスを止める事で解決する問題ではないのが悩ましい所です。

芸術の終焉?

3つ目の問題は、AIが高度化してくることにより芸術家が不要になるのではないかという懸念です。この問題は以前から指摘されていましたが、先日のアートコンテストでAIにより生成された画像が1位を取ったことにより顕在化しました。

AIで作った画像が、労力をかけて描いた絵を上回るのであれば、技術研鑽する価値は一体どこにあるのか、と疑問を覚えてしまうのも仕方ないです。一方で、AIを使う側にも細かなチューニングや加工が必要となり、使うツールが変わっただけという見方もあります。

終わりに

今回は最近増えつつあるAI画像生成サービスと、その裏で同時に巻き起こっている種々の問題について紹介しました。

調べていて改めて感じたのが、AI画像生成に対する反発は、自分がかけてきた学習コストを軽々と飛び越えられることによる感情的な反発が裏にありそうだということです(もちろん、それに付随して絵を描く人が減る→学習元の画像が減る→絵の世界が衰退する…という長期的な懸念もあります)。

これまでのAIの議論では、単純作業はどんどんと置き換えられていくからこそ、高度な技術を要する仕事が重要になってくるというものが主流でした。しかし、高度な技術を要すると思われた絵画ですら、AIが主流になってくるのであれば、人間に残された仕事はどこになるのでしょうか。

AI技術もまだまだ発展途上で、これまでの技術革新と同様に馴染んでいくとは思いますが、その後に来るのは今とは全く異なる世界かもしれません。だからこそ、変化に感度高く、適応していく力が必要になると改めて感じました。

本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを、楽しみにしています。

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