ボトムアップとトップダウンアプローチを併用してを使ってロジックツリーを構築する【ロジカル・シンキング】
みなさんこんばんは、福田達也です。
先日の記事で話したように、近くで仕事をする仲間に向けてロジカル・シンキングの講座を開催したのですが、その講義の後に何人かの方から質問を頂きました。
ロジカル・シンキングを用いてロジックツリーを作ろうとした所、すぐに結論を出してしまったり、解決策はたくさん出てもそれをMECEに分けたり、ツリー状に整理できないけれどどうすれば良いのか、といった事です。
今回は、このように直感的に結論は導き出せるけれど、それを構造化して整理できない時の解決方法について解説します。
ボトムアップからトップダウンへ思考を展開する
このようなケースでは、まずは思いつく限りの結論を羅列し、ボトムアップアプローチで抽象的な概念を抽出。そして、抽象的な概念からトップダウンアプローチで結論を広げる方法が効果的です。
ここからは、例を挙げて具体的に説明してみましょう。
イシューを定義する
今回頂いた問題提起ですが、『疲れて帰ってきた時に、その後に打ち合わせがあることを分かっていながらうっかり寝てしまい、打ち合わせに参加できなかった』という事象が起こったということでした。
この時のイシューとしては、
なぜ寝過ごしてしまったのか
どうすれば寝ないですむのか
どうすれば起きられるか
参加できなかった時にどう言い訳するか
などが挙げられます。どれも重要なイシューばかりですが、根本的な問題解決を図りたい場合は「なぜ寝過ごしてしまったのか」を検討し、とりあえずの再発防止策を検討したい場合は「どうすれば寝ないですむのか」をイシューとして定義することができます。
個人的なオススメは、まずは原因究明から入ることです。根本原因が見つかる場合もありますし、そうでなくても原因一つ一つに対して、対策とできそうなロジックツリーを展開することで、より網羅的な検討ができるからです。
今回は仮に、「なぜ寝過ごしてしまったのか」をイシューとして定義したとします。
思いつく限りの結論を列挙する
次にやることですが、以前の記事では、水平思考で「なぜ寝てしまったのか」の原因を考え、その後に優先度をつけて、垂直思考でその原因をさらに深掘りしていくという話をしました。
しかし、特にロジカル・シンキングに慣れていない場合、この水平思考で考えることに苦労する事がよくあります。この場合は、まず考えうる原因を列挙してみるのがオススメです。
例えば以下の図のように、7つの原因が考えられたとした場合、まず1階層のツリーを作ってつなぎます。
これで、一応ロジックツリーになりましたが、これで十分なのかと言われるとまだありそうな気がしますし、1階層というのはなんとも心許ないものです。
なので、ここからボトムアップアプローチに切り替えていきます。
結論を抽象的な概念でカテゴライズする
ボトムアップアプローチでは、先ほど列挙した原因に対して、それを表す抽象的な概念やカテゴリはないか?といったことを検討します。
括り方は色々とありますが、例えば以下のように身体的な原因/精神的な原因/環境的な原因と括りだしてみる事ができそうです。
こうすることで、自分が出した原因が精神的なものによっている事や、少なくとも3つのカテゴリがありそうな事に気づくことができます。
さらに、より上位の概念は考えられないでしょうか。身体的な原因と精神的な原因は自分一人で完結すると言えそうです。自分が原因という風に括りだすのであれば、自分以外が原因とすることで、MECEになります。また、自分が原因の中でも、身体的な原因と精神的な原因はMECEのセットになりそうです。
抽象的な概念から再度アイデアを出す
最後に抽象的な概念から、再度トップダウンアプローチで検討を深掘りします。
例えば、「自分以外が原因」という事象に対して、原因は「環境的な原因」以外にも、例えば「他人が原因」というものが考えられそうです。そして、「環境的な原因」の原因としては、「アラームを付けていなかった」以外にも「布団を敷いていた」(からついうっかり横になってしまった)といった原因を考えることもできるかもしれません。
ここまで原因の所在を分けることができれば、「身体的な原因」や「精神的な原因」などのそれぞれにおいて、より広くアイデアを出しやすくなります。また、最下段の「疲れが溜まっていた」などについても、なぜ?と垂直に深掘っていくことができます。
このように、MECEな分け方やロジックツリーをいきなり構築することが難しい場合には、まずは思いつく限りの結論を列挙し、そこからツリーの形に整えていくのが効果的です。
終わりに
今回は、最初からロジックツリーを作ることが難しい場合にどうするかについて解説しました。
まずは、思いつく限りの結論を列挙して、そこから上位概念を抽出し、更に下位概念に広げ直すことで、情報も網羅的になりますし、アイデアも出しやすくなります。
ロジックツリーを作るに課題を抱えている方は是非試してみてください。
本日も読んでいただき、ありがとうございます。
また次の記事でお会いできることを楽しみにしています。