見出しシナリオ

キャラクターを描く〔第9回課題〕

シナリオセンターの通信講座でシナリオの書き方を学んでいます。


今回の課題は「おじさん
キャラクターを書こうと思うと、どうしても会話劇になってしまって演劇調になってしまうのが課題かなと、今回思いました。
演劇調ついでにタイトルもなんだか演劇寄りになってしまった気もします…。

お話の展開的にはもう少し広げたかったのですが、なかなか枚数内におさめるのが難しいです。
映像にした所で、間とかも考えるともっと長くなりそう。

今回の課題は200字詰原稿用紙10枚。
ト書きは改行せずに、しばらくはつなげて書いてくださいとのコメントをいただいたので、今までよりは少し長めに書けているのかもです。

おじさんと言われると全然ピンとこなかったので、もっと世の中のおじさんの観察が必要かな。



一猫来福

人物
村瀬悦司(45)経理課課長
坂下ゆかり(26)村瀬の部下
宮下透(23)村瀬の部下
夏目肇(65)社長
林美希(20)社長秘書

◯路上(朝)
道端に置いてある段ボールをランドセルを背負った少年が見つめている。それを遠くから見ているスーツ姿の村瀬悦司(45)。

◯経理課オフィス(朝)
村瀬、書類を見ながら坂下ゆかり(26)を怒鳴りつけている。机で寝ている宮下透(23)。
村瀬「どうして言ったことができないんだ」
ゆかり「すみません」
村瀬「理由を聞いているんだ」
ゆかり「…すみません」
ゆかり、うつむき泣きそうな顔。
猫の声「ニャー」
ゆかり、村瀬の顔を見る。村瀬、慌ててあくびをする。
ゆかり「課長…?」
猫の声「ニャー」
宮下、顔をあげる。
宮下「なんかいるんすか」
ゆかり、村瀬のデスクの引き出しを上から順に開ける。下の引き出しの中から顔をのぞかせる子猫。ゆかり、子猫を抱き上げ、村瀬に詰め寄る。
ゆかり「課長、かわいそうじゃないですか!こんな所入れて」
村瀬「あ、いや、だって」
ゆかり「どうしたんですかこの子」
猫の顔を見る村瀬。
村瀬「だって…」
ゆかり「…うち、ムリですよ。ペット禁止なんです」
宮下「うち犬いるんすよねー」
ゆかり「課長の所は娘さんのハムスターがいるでしょ。どうするんですか」
林美希(20)が入ってくる。
美希「秘書課でーす。領収書、あ!ネコちゃんだー。誰のですか?」
黙り込む村瀬、ゆかり。
宮下「課長が拾ってきたんだよ。どうするか困っててさ」
美希「え?会社で飼っちゃえばいいじゃん。最近インスタでよく見るよ〜」

◯社長室
座っている夏目肇(65)の前に整列する村瀬、ゆかり、宮下。ゆかりは段ボールを抱えている。夏目、大きなくしゃみ。
ゆかり「(村瀬に)ほら、早く」
村瀬「あの…社長」
夏目のくしゃみ。
村瀬「あの、社長!け、今朝ですね…猫を」
夏目「猫!あー村瀬くん猫をさわったのか。僕猫アレなんだよね。毛が飛んでるのかな。ほら、くしゃみが」
夏目、くしゃみ。
村瀬「あ、そうでしたか…それでは」
肩を落とし部屋を出て行く村瀬、ゆかり、宮下。夏目は呼び止めようとするが、またくしゃみ。

◯経理課オフィス
頭を抱える村瀬、ゆかり、宮下。歩き回って遊んでいる猫。
宮下「社長がアレルギーじゃなー」
夏目のくしゃみ。美希が夏目の腕を引っぱって入ってくる。
美希「ほらほら、かわいいでしょ!社長ーいいでしょー飼いましょうよ社内でー」
夏目「美希ちゃん、僕猫アレなんだよ。知ってるでしょー?」
美希「ここなら社長室から遠いじゃないですかあー。美希ホントは秘書課で飼いたいくらいなんですよお?」
美希が夏目の腕を抱きよせる。夏目、美希の顔を見て口元をゆるめながら
夏目「しょうがないなあ…ほんともう…」
美希「さっすが社長ー♡」
ゆかり「えっ?いいんですか?」
宮下「社長猫アレなのに?」
夏目、厳しい顔になり
夏目「社長室には近づけないように」
猫、美希と夏目の傍に寄ってくる。
美希、猫をなでながら
美希「良かったねーネコちゃん!あ、インスタつくんなきゃだ!」
夏目、大きなくしゃみ。

◯経理課オフィス(日替わり)
村瀬の膝で寝ている猫。
村瀬「坂下くん、さっきの書類また違ったよ」
ゆかり、反射的に立ち上がり、
ゆかり「すみません!」
村瀬「いいよいいよ。もう直しといたから」
ゆかり、驚いた顔で宮下の顔を見る。宮下も不思議そうな顔。村瀬、鼻歌を歌いだす。村瀬になでられている猫。


おしまい

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