見出しシナリオ

時間を編集する〔第8回課題〕

シナリオセンターの通信講座も8回目の課題。
全部で12回なので、あと4回です!

7回目の時にも書いたのですが、今回から2冊目のテキストになりました!
課題も大詰め(?)になるのかな、次回から15ページになるので、ドキドキ。

今回はまだ200字詰原稿用紙7枚分です。
課題は「万年筆」
原稿用紙に少し余裕が出来てきたので、物語の時間を少し長めにして、どこかに出かけて帰ってくる設定を作りました。

それでも全部の行動を見せるわけではなく、シナリオの中で時間を編集することができれば良いなと思って作ったものです。
まあそうは言っても、物語の中では1時間と経っていないお話だと思います。

おじいちゃんと中学生の孫のお話です。



お見通し

人物
杉山悟(13)中学1年生
杉山洋一(70)悟の祖父
杉山公代(45)悟の母

◯書斎
所狭しと本棚と本が並んでいる。
老眼鏡をかけ机に向かっている杉山洋一(70)。
洋一の手が万年筆で手紙を書いている。
黒色でつやのある素材の万年筆には金色の留め具がついている。
洋一の背中。
洋一の背後には引き戸がある。
数センチの隙間から杉山悟(15)がのぞいている。
杉山公代(45)の声「お義父さん、電話ー!」
洋一「はーい」
洋一、万年筆を置き、老眼鏡を外して立ち上がる。
キャップのしていない万年筆。
引き戸とは別の面にある襖を開け、出ていく洋一。
悟が書斎に入ってくる。
音を立てないよう机の上に乗り、本棚の一番上から分厚い本を取り出そうとする。
本を取り出した瞬間、動かした足が万年筆を落とす。
落ちてひしゃげる万年筆のペン先。
万年筆を見て青ざめる悟。

◯玄関
廊下から玄関に走ってくる悟。
台所からエプロン姿の公代が顔を出す。
公代「悟ー?」
スニーカーを急いで履き、玄関ドアを開ける悟。
悟「すぐ帰る!」
飛び出していく悟。
公代、不思議そうな顔をするも、すぐ台所に戻る。

◯百貨店・文房具売り場
ショーケースを見つめる悟。
ショーケースの中には高価な万年筆が並ぶ。
唇を噛みながら、せわしなくショーケースを見回している悟。
財布を取り出す。
五千札が一枚入っている。
財布の中身とショーケースの中を何度も見比べる。
ため息をついて財布を握りしめ、店員を見つける悟。
悟「すみません」

◯書斎
誰もいない書斎。
洋一が入ってくる。
座って手紙の続きを書こうとする洋一。
万年筆を取ろうとする手が止まる。
机の上の黒色の万年筆は金色の留め具がない。
洋一の背中。

◯書斎前の廊下
悟、立て膝で引き戸の隙間から部屋の中をのぞいている。
悟の横には書斎から持ってきた分厚い本が置いてある。
のぞくのをやめ、引き戸に背を向けて座る悟。
本を持ち、立ち上がろうとすると
洋一の声「悟」
青ざめる悟の顔。


おしまい

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