『響け!ユーフォニアム3』-続きをみるのに覚悟を必要としたこれ以上ない鬱アニメ-
2024年上半期アニメで高評価を得たシリーズ完結編。
今回のレビューは物語の内容にはほとんど触れずに、
ただ、自分自身の気持ちを整理するためのだけのものになると思うので、
内容もめちゃくちゃ抽象的になる気がしますのでご容赦ください。
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4話まで見て続きを観るのがつらくなって視聴を断念した。
そこらの人並以上にアニメや漫画に触れてきた。
自分でプレイことはないが、ホラーゲームやグロテスクな描写もある程度体制があるつもりだ。
話がつまらなくて見るのをやめることはあるが、
続きの話を観るのが憂鬱になって手が進まなくなるのは初めての経験だった。
主人公の久美子も1期・2期をシリーズが進むにつれて
3期では部長として吹奏楽部をけん引する立場になるが、
大人数をまとめる中での葛藤とクール終盤での大きな挫折と決意。
途中まで見ていて何故こんなにも憂鬱になるのか分からなかった。
それが理解できたのは7~8話まで進んだくらいだっただろうか。
代替えのあとの目標設定のミーティング
各大会のオーディション
最後のソリのメンバーの選考
自分自身の中学・高校の部活の経験したことと
何もかもが似ていたにも関わらずボタンを掛け違えたかのように何もかもが違う。
それは部員のいろんな葛藤や想いを通して丁寧に描かれていた。
その結果、自分の過去の苦い経験がフラッシュバックしたと同時に
北宇治の吹奏楽部の哲学に自分が絶対に相容れないであろう自分の弱さを嫌というほどに思い知らされたのだ。
自らを「特別」と称するに相応しく、
彼女たちは悲願を成し遂げる。
そのハッピーエンドを描くために原作を改変してまで久美子の挫折を描くことで、
このような経験をさせられたのならバッドエンドの方がよほど救いがあったのではないかと思う。
実際には何物にもなれずに埋もれていく者の方が圧倒的に多いのだから。
こんなに残酷なご都合主義的なハッピーエンドが今まであっただろうか。
涙が止まらなかった。
完走してから1~2時間くらい放心状態になってしまった。
面白いか面白くないかでいえば間違いなく面白い。
細かい描写、演出、作画、美術すべてのレベルが高く
さすが京都アニメーションといったところだ。
ヴァイオレット・エヴァーガーデンや今作の完走にかけて
様々な苦難があったのは報道でも皆さんの知るところであろう。
劇場版を視聴したときの来場特典でもらった、
今は亡き池田晶子監督のサイン入りのイラストカードは宝物だ。
最後まで描き切ってくださった製作チームに感謝します。
ありがとうございました。
これから私は私にとってのご都合主義的な救いを求めて原作を手に取るのであろう。
「この作品はこんな作品です」と評するほどの感情の整理は当面できそうにない。
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