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異世界魔王と召喚少女の奴隷契約から考える奴隷制度
アニメで考える社会問題
本日は「異世界魔王と召喚少女の奴隷契約」を通して奴隷制度について考えていきましょう。
「異世界魔王と召喚少女の奴隷契約」は2018年に第1期、2021年に第2期が放送されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1726767390-g0NHKTCUqe5GB1EJXcxM2QIw.jpg?width=1200)
『クロスレヴェリ』というMMORPGにおいて、魔王と恐れられていたプレイヤー「ディアヴロ」こと「坂本拓真」はある日、眠りから覚めると見慣れない場所におり、目の前にいた2人の少女に召喚獣として召喚されました。
そして隷従の儀式として2人にキスされますが、ゲーム内で所持していた「魔王の指輪」の効果により、その効果が反射して逆に2人を従えることになってしまいます。
絶望的にコミュニケーションが苦手な拓真は、MMORPGで振る舞っていた魔王の言動を駆使しつつ、魔王ディアヴロとして異世界での生活を送ることとなります。
本作は所謂ハーレム系の作品であり、男一人に対してヒロインが多数います。
主要なヒロインはディアブロを召喚したエルフの「シェラ・L・グリーンウッド」と豹人族の「レム・ガレウ」の二人となっておりますが、物語が進むにつれて、魔王や魔導機メイドなどと多種多様なヒロインが仲間になり、旅を共にすることになります。
ここで重要なのは、あくまで仲間であり奴隷として扱っているわけではないということです。
本作のタイトルには「奴隷契約」とありますが、ディアブロはひどいことはせず、それぞれを大切な仲間としてかかわっています。
今回のテーマは「奴隷制度」についてです。
前述した通り、ディアブロはヒロインと奴隷契約を結んでいるわけですが(もともとはディアブロが奴隷になるはずだったやつ)、奴隷ではなく仲間として旅を共にしています。
しかし昔あった、若しくは今でも起きている可能性がある奴隷はそんな良い扱いがされておりません。
そもそも、奴隷の定義とは何でしょうか?
調べてみると「人間としての権利・自由が認められず、他人の支配の下に諸々の労務に服し、かつ売買・譲渡の目的とされる人」という感じでした。
もっと端的に申し上げるのであれば、「モノ扱いされる人間」です。
多くの方が想像されるような「奴隷」は、黒人奴隷の様な、アフリカからアメリカに連れて行かされた人たちかとは思いますが、その起源は古代までさかのぼります。
古代では風土・慣習・伝統の違いによる地域差も大きいものの、戦争の勝者が捕虜や被征服民族を奴隷とすることは、当時は世界中で程度の差はあるものの一般的でした。
当時では、家庭内労働・鉱山・ガレー船員・軍事物資の輸送・神へ捧げる生贄などさまざまな場面においてこき使われていました。
そこから時代も進み、現代の奴隷制度が構築されたのが1700年から1800年ごろになります。
それが有名な「黒人奴隷」です。
調べてみて驚いたのですが、当時の白人は黒人のことを同じ人間と考えてはいませんでした。
当時の白人国家ではキリスト教が主流でありました。
キリスト教では、人間には権利が誰にでもあるとしているため、人が人を所有する、ということは本来あり得ません。
そこで、奴隷を持つという行為を正当化するために、黒人を人間ではなく『所有物』として考えたのです。
このマインドが残っているからか、今でも一部の白人が黒人を差別しているわけです。
戦後、1949年に発効した国際連合の「人身売買及び他人の売春からの搾取の禁止に関する条約」や1957年に発効した「奴隷制度廃止補足条約」などそれに準じる各国の法規によって奴隷制度は禁止されています。
しかしながら、一部の国においてまだ奴隷制度は根深い問題として残っています。
その多くがインドや中国で起こっているとされています。
このようなこちが起こる原因として、やはり貧富の差があるかと思います。
所得が著しく低い、若しくは公な仕事に就くことが困難な人は、生きるための選択肢が限られてしまいます。
そこで、自ら進んで奴隷になる、若しくは生きるために奴隷になることで、自分や家族の最低限の暮らしを保証するようにできるわけです。
実は日本も例外ではなく、世界で25位と高い数字です。
そこには人身取引や児童買春といったかなりダークな内容が根底にあります。
現代の奴隷というのは貧富の差によって生まれてしまうのです。
日本では生活保護などで、最低限の暮らしを保証されますが、それでもこのように奴隷ランキングでは上位になっているのです。
現代の奴隷を解放するためには、やはり国による金銭の援助が必要不可欠です。
生活保護の基準見直しや、民間の団体による職業訓練・斡旋強化などは解決するために早急に議論しなければいけない内容ではないでしょうか?
今回はここまで。
次回もよろしくお願いします。