あらゆる方向から音がするVR
左右、上下、前後、四方八方から音がする。
ぼくらは音につつまれている。
これを表現するのが結構大変というノートです。
全部鳴らすの?
いや、それは大変。
音に包まれるためには、隙間なく音を配置していくことになるのだけれど、
まずステレオで考えてみる。
ステレオでの音の配置
ステレオであれば、左右のスピーカの間を埋めれば良いので、
中央、左右、 (MID,SIDE)
みたいに考えることができる。
真ん中に重要な音を配置し、左右はさほど重要でない音を配置する。
声とか、重要な効果音とかは真ん中、そうでない環境音的なものとかは外側。
サラウンドでの音の配置
サラウンドは、後ろ側に広がる音。ここにはそんなに重要な音はあまり置くことはない。包まれている表現には向いている。雨の音とか、環境音的なものが配置される。
VRでの音の配置
VRだと、自分の注目している方向の音と、そうでない方向の音がある。
上とか下とか向いてしまったらどうしようか?
向いている方向でミックスが変わってしまう。
音をいろんなところに配置すればよいかというと、それはそれでやりすぎな感じがするし、ちょっと斬新すぎる。
かといって、まばらすぎても寂しく感じてしまう。
音が無いところは環境音とかで埋めておくと良いかもしれない。
広がりのある音で包み込む
適度な残響感があると、つつまれている感じがする。
これもちゃんとシミュレーションしようとすると大変。
計算を省けるものは省く。
定位感のない音と、ある音で分離しておく。
定位感のない音、定常ノイズ、空調とか、ロードノイズみたいな「サー」っというような音は、ヘッドロック(回転しない、頭にくっついてくる)ステレオとかで良さそう。
それ以外の特定のものから発生している音は、その場所から鳴らすようにする。
でも、実際には、その点で鳴っているのではなくて、そこから近くの壁とかものに反射した音とかもあって、そういうのを鳴らさないと、無響室の音みたいな非現実な音になる。
部屋全体が響くのではなくて、そのオブジェクトのある周辺が少し響くイメージ。 CGでいうところのアンビエントオクリュージョンみたいな。
この、ちょっとした影みたいな表現の調整次第で、らしさががらっと変わってしまう。
なかなかに深い。
そしてまじめにやるとエフェクトリソースやら、反射音的な音を重ねるとかいろいろ音が増え始めてしまう。
なかなかに大変。
ステレオであれば、イメージャーとかリバーブとかでいろいろごまかせる。
VRであってもリバーブとディレイである程度ごまかせる。
ただ、調整はとても大変だなぁと思うこの頃。
そもそも、VR向きのオーディオ処理ってまだ無い。ので、ステレオとかの処理を無理やり応用する形になるので、何かと手間がかかる気がしている。
VR向きのオーディオ処理・・・
無くはないけど、手軽ではないかなぁ。高次のAmbisonicsとかが、手軽にできる時代が待ち遠しい。