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ヨブの友人たち

ヨブ2:11-13 
 
突然襲ったヨブの不幸に、妻ですら、もはや死ぬことしか先が見えず、また完全を目指すその生き方を呪うようにすらなりました。そこへ3人の友人が見舞いに来ます。テマン人エリファズ、シュア人ビルダド、ナアマ人ツォファルです。それぞれ、エドム人、アブラハムの後妻の子孫、アンモン人の系統と見られています。
 
イスラエルの正統的な血筋ではありません。そもそもヨブ自身、ウツの出身といいますが、アラム人の系統ではないか、とも考えられています。主の見下ろす世界の住人ですが、イスラエルの歴史の中に登場する主軸ではないと思われます。なぜこの壮大なヨブ記を、イスラエルでない地と人々を舞台にしたのでしょうか。
 
神の眼差しが世界へ拡がっているからでしょうか。あるいは、イスラエルにはこれほどの義人がいなかったからでしょうか。イスラエルは主に背を向け続けていたのです。それにしても、はるばるやってきた3人の友情の篤さには驚かされます。ここから一週間、物言わずとも、ヨブの傍に寄り添い続けているのですから。
 
互いに相談して訪れたはずですから、仲間意識も強いものと思われます。声を上げて泣き、上着を引き裂き、天に向かって塵を撒いて頭に被りました。これらは、最大限の悲哀の表現です。ヨブの苦痛の様に、かける言葉も見つかりませんでした。かといって、その場を離れることもできず、人生の不条理から目を背けることはできませんでした。
 
黙々と耐え忍ぶヨブ。妻に罵られても、生き方をやめようとしなかったヨブです。それを友人たちは、しっかりと見据えていました。何か尤もらしい説明の言葉や、下手な慰めの言葉をかけようともしませんでした。自らの心を満足させようとはしなかったのです。現実を見定めることは、断じて必要です。たとえ苦しくても、辛くても。

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