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アメイジング・グレース
元日の午後、「令和6年能登半島地震・令和6年奥能登豪雨犠牲者追悼式」が中継された。輪島市の、日本航空学園能登空港キャンパス体育館からの中継だった。このとき、「アメイジング・グレース」が唱われていたことは、おそらくあまり知られていないだろう。
NHKのラジオ中継では、背景にかすかにそれらしい音があったが、アナウンサーの声に殆ど消されていた。これは確認していないが、テレビ中継などでも、おそらくこの歌は放送されていないであろうと思われる。
私が聴いたのは、「エフエム石川」の放送である。「Play with 能登 ONE~能登半島地震から1年~」(特別番組)である。放送は、1月1日午後3:00からであった。犠牲者追悼式は、15:37に始まったが、それに先立って「献奏」がなされていた。エフエム石川の番組は、これをも拾っていたのである。
「献奏」という言葉があることを、私は知らなかった。本来神仏の前で音楽を献げることをいうのだそうだが、亡くなった人の冥福を祈って霊前で楽曲を演奏することを指すこともあるという。今回はもちろん、これである。
式典が始まる前に、静かに音楽が奏でられていた。バッハのアリアが、オーケストラアンサンブル金沢によって流れていた。それに続いて、「アメイジング・グレース」のメロディが流れてきた。そして、歌は、陸上自衛隊中央音楽隊の鶫(つぐみ)真衣さんだという。石川県金沢市出身で、自衛隊では有名なソプラノ歌手である。この後、追悼式はこの人の君が代によって始まった。
前奏に続いて、「アメイジング・グレース」が英語で歌われた。間奏の後に、今度は日本語の歌詞で歌われた。元来の訳ではなく、「ふるさとの一員として、希望の歌を歌いたい」と、自分で作詞したものである。
めぐみ豊かな ふるさとよ
夢もくれた あなた
あなたの愛に つつまれて
祈る ふるさとの平和を
美しい歌声が、このメロディに乗って響いたことを、私は熱い思いで受け止めていた。
この番組は、地元の方のほかは、radikoプレミアムに登録していれば、放送後1週間まで、聴くことができる。