水戸芸術館『佐藤雅晴 尾行ー存在の不在/不在の存在』展感想
◇説明が付かない事象を、具象で説明し続けた人
私が高校生の時、美術の授業のアニメーション実習で作成したループのパラパラアニメは、You know me. ならぬ湯呑みを微妙にずらして重ねていった摩天楼を棒人間が見上げ、湯呑みから湯呑みへよじのぼり、ある程度登ったところで湯呑みの中の茶に浸かり、のぼせそうになったら茶からあがってまた摩天楼を見上げて登りはじめる、「agari(あがり)」という作品である(データ所在不明/不在の存在)。ドローイングの段階で気づいたのだが、湯呑みの