NHLチームがAIによるハイライト動画自動作成に乗り出す。テニスではIBMがすでに導入【ファンエンゲージ】
※この記事は2018年3月21日執筆記事を再掲したものとなります
米国ナショナルホッケーリーグ(NHL)に所属するセントルイス・ブルースが、AIを活用したハイライト動画の自動作成に乗り出した。同事業について提携したサンタモニカに拠点を置くスポーツ分野のAI関連企業「Reely」が発表した。
ReelyのAIおよび機械学習技術は、個々のプレーの認識とラベリングが可能であり、セントルイス・ブルースが流すライブ動画から、自動的にハイライト動画を作成することができる。また、同社のクラウドシステムを通じて、作成したハイライト動画をスタジアムのスコアボードやクラブのソーシャルメディア、モバイルアプリなどに自動的に配信することも可能であるようだ。
AIおよび機械学習技術を用いてライブ動画からハイライト動画を自動的に作成する技術は、このReelyの他にも、大手コンピューター関連企業IBMがすでに取り組んでいる領域である。同社は、看板製品であるAI「ワトソン」を用いて、2017年にテニスのウィンブルドン選手権やUSオープンにて、プレーヤーの動きや観客の歓声などからハイライトとなるシーンを判断し、自動的に動画を作成・大会のデジタルチャンネルへ配信する取り組みを実施していた。
ハイライト動画をAIで自動的に作成することができれば、多種多様なハイライト動画を大量に配信することが可能になる。例えば、選手各々のプレー集を試合に出場した全員分で自動作成すれば、ファンは自分の好きな選手のハイライトのみを選択できるなど、より個々にパーソナライズされた体験を享受することもできる。AIによるハイライト動画の自動作成は、スタジアムやインターネットなど、リアルおよびバーチャルな環境双方で、スポーツチームがファンとの関係性をより強固なものにする可能性を秘めている。