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スポーツチームの「強さの因数」と、元も子もないが絶対に必要なたった1つのもの
Key Questions
強いチームと弱いチームの違いとは?
強いチームになるために必要なものとは?
プロスポーツチームは、例外なく「勝利」のために戦っています。10歳にも満たない子どもを手塩にかけて育成するのも、億単位の大金をはたいて有名選手を獲得するのも、スタジアムを建設して何万人ものお客さんを集めるのも、行き着く目的はどれも「勝利」のためです。
とはいえ、スポーツはいち個人やいちチームで完結するものではなく、対戦相手ありき。毎試合100%勝つことを誰も保証できません。全てのスポーツチームは、「勝利」を掴み取るために「勝利の確率を少しでも高めるための準備」をするわけです。
スポーツチームの全ての活動=勝率を限りなく高めるための準備、と換言できると考えます。というより、そうでなくてはならないとさえ思います。
としたときに、強いチームと弱いチームの差は、この「勝利を限りなく高めるための準備」の量・質にあるのではないでしょうか。スポーツチームの強さのベースとなる「勝利を限りなく高めるための準備」について、具体的に細分化して、論考していきます。
スポーツチームが勝つためには、何が必要か。それは、優れた選手が良い状態で自らの能力を発揮し、対戦相手の意図を踏まえながら、チームとしてのパフォーマンスを最大化することに収斂されます。当然そこには、ブレないチーム哲学が必要であることは言うまでもありません。
したがって、大上段としての「勝利の公式」とは下記になります。
スポーツチームの強さ
=選手個々の質ー①
×試合での個々のパフォーマンスー②
×戦略・戦術ー③
×確固たるビジョンー④
各構成要素をさらに分解していきます。
①選手個々の質
日本代表チームと大学生選抜チーム。どちらが勝利する確率が高いかは一目瞭然です。勝つためには、野球なら9人、サッカーなら11人のトップクラスの選手を集めれば良いわけです。
スポーツチームが選手を獲得する方法は2つ。育成か補強です。育成については、いかに未来ある子どもの分母を拡大し、その質を高められる仕組みを作れるかどうか。補強についても同様、母数という観点では、スカウトがいかに優れたロングリストを作成できるか、そして、自チームにメリットをもたらせる選手にリーチできるネットワークを持っているかどうか、が重要となります。
選手個々の質
=育成組織の規模・仕組み(育成)
×スカウトの目利き・ネットワーク(補強)
②試合での個々のパフォーマンス
アプローチとしては、マイナスになるのを防ぐか、プラスを最大化するかの2パターンです。
まず、マイナスを防ぐとはすなわち、選手の体調不良・怪我の防止です。いくらチーム全員をトップ選手で固めても、彼らが能力を遺憾なく発揮できなかったり、怪我をしてしまったりでは意味がありません。
そして、プラスを最大化するとはすなわち、サポーターの後押しによる科学や理論では説明できない「勝たせる雰囲気」です。サッカーの世界でよく言われる「サポーターは12番目の選手である」とはよくできた言葉であり、サポーターが作り出す雰囲気によって、奇跡と呼ぶべき勝利が生み出された例は、枚挙にいとまがありません。
<ホーム側が圧倒的に有利なサッカースタジアム7選 >(レッドブル)
サッカーにおいて「ホームアドバンテージ」が重要だということは誰もが知っているが、その理由を明確に理解できている人は少ない。科学者たちも長年に渡りホームチームが優れたパフォーマンスを発揮する原因についての研究を重ねてきたが、まだ答えは見つかっていないのが現状だ。
しかし、以下のスタジアムにおいてはその答えは見つかっている。アウェイ側としてはまず訪れたくない、圧倒的な雰囲気を醸し出しているからだ。今回はジャンボジェットのエンジン音よりも大きな歓声と息の詰まるような熱気がキックオフ前から感じられるパワフルなスタジアムを紹介しよう。
熱狂的なサポーターの数と、熱意がこだまするスタジアム。これも選手のパフォーマンスを左右する要素のひとつです。
試合での個々のパフォーマンス
=体調管理・怪我の予防
×熱量のあるサポーターの規模
×熱意がこだまするスタジアム(キャパ・構造・ピッチとの近さなど)
③戦略・戦術
前述の通り、スポーツは相手ありき。全てのスポーツチームは、対戦相手の意図を分析して、トレーニングにより対応策をチームに浸透させることで、勝利に向けた下準備を進めます。その活動を支えるのは、インフラとしてのテクノロジーと監督・コーチらテクニカルスタッフです。
Tático Desportivoのホームページでもご紹介している通り、スポーツ界へのテクノロジーの導入が世界的に進んでいます。ドローンによる映像解析や生体情報の取得、それらデータをリアルタイムで解析・フィードバックするデータアナリティクス。これらテクノロジーをインフラとして、監督・コーチらテクニカルスタッフがデータをどう解釈するか。どんな高級食材だろうと、シェフの腕が悪ければ美味な料理にはならないように、洪水のような量のデータを適切な断面で切り取り、解釈できる監督・コーチの存在も不可欠です。
戦略・戦術
=(アナリティクス×トレーニング)
×インフラとしてのテクニカルスタッフ
×インフラとしてのテクノロジー
④確固たるビジョン
選手個々の質が優れ、そのパフォーマンスも最大限に引き上げ、戦略・戦術によって対戦相手への優位性を高める。これら3要素は、確固たるチームビジョンという串によって整合を取る必要があります。チームはどのような目標を持ち、そのためにどのようなスタイルや方法論で勝利を目指すのか。そしてそのために必要な準備とは何か。全ての拠り所となるビジョンから落ちた、一貫したストーリーが欠かせません。
ここまでの論考を、以下まとめます。
以上、 勝利の確率を少しでも高めるための構成要素を論考しました。さて、上記全てに共通するものは何でしょうか。何があればこれら全ての要素を高次元で具備することができるでしょうか。
答えは、お金です。
こう言っては元も子もないことは承知ですが、スポーツクラブはお金を積めば積むほど勝利を手繰り寄せる確率を高められます。ただし、あくまでも「一貫したビジョンに基づく勝利への投資」であることは必須です。ビジョンからブレた資金投下や、勝利をエンドゴールとしない投資は、無駄金にしかなりません。
では、スポーツチームがお金を稼ぐために目指すべき世界観とは何か。本テーマに迫るのが、noteを開設した理由でもあります。今後、論考を重ねてまいりますので、お付き合いいただければ幸いです。
Conclusion
Q1:強いチームと弱いチームの違いとは?
A:勝利の確率を少しでも高めるための準備の量と質の違い
※勝利の確率を少しでも高めるための準備
=育成組織の規模・仕組み
×スカウトの目利き・ネットワーク
×体調管理・怪我の予防
×熱量のあるサポーターの規模
×熱意がこだまするスタジアム(キャパ・構造・ピッチとの近さなど)
×(アナリティクス×トレーニング)
×インフラとしてのテクニカルスタッフ
×インフラとしてのテクノロジー
×確固たるビジョン
Q2:強いチームになるために必要なものとは?
A2:勝利への投資・資金
↓次回記事↓