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蘇るヤマハンノキ

やはり大自然の力はすごい。

当地の森の植生は白樺が中心だが、ヤマハンノキがそれに次いで多く、敷地内のあちこちに点在している。ハンノキは白樺と比べて幹と枝ぶりが逞しく、健康体のものであれば見栄えがよいので、森の景観のよいアクセントとなっているのだ。

今年、そのハンノキが大量発生した害虫に襲われ、真夏というのにほぼその葉を落としてしまった。

犯人(虫)は『ハンノキハムシ』という、そのまんまの名称の昆虫で、主にハンノキの葉を食い尽くす害虫である。白樺の葉も襲うとの情報もあり、当地でも被害が確認されているが、食われているのは圧倒的にハンノキの葉で、どうやら彼らにも好みがあるようだ。


7月15日撮影
なにやらハンノキの葉が枯れていることに気づき観察してみたところ
1cmほどの黒いイモムシが全体の葉に満遍なく付着していた。気持ち悪い。
これはハンノキハムシの幼虫。成虫もハンノキの葉が主食という徹底ぶりだ


こちらのサイトによると、被害にあっても「木が枯れることはほとんどない」という。…とはいうものの、夏の盛りにほぼすべての葉を失ったハンノキは立ち枯れしているようにしか見えず、となれば倒木の危険もあることから大いに気を揉んでいた。


7月15日撮影
この状態で葉全体の80%ほどが食われて枯れている。
その後、ほぼ100%食い尽くされ、葉は落ち、一見では立ち枯れしたようにみえた



ところが、驚いたことに、8月の後半に入ってハンノキの若葉が次々に芽吹いたのである。まるで初夏の訪れを知らせるように。
この事象は『二次開葉』といい、食害が終了した後に再び葉を開くことで、専門的には珍しくないようだが、素人にとってはそれなりに感動的な出来事である。

もっとも、被害が長期化すると最終的には枯れてしまうとのことで、感動はひとまず置いておいて、今後も注意深く観察する必要があるようだ。




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