Au Grenier(オ・グルニエ)赤井川村
北海道の山林での暮らしのあれこれを、思いつくままに書いています
ゲストに提供する料理やスタッフのまかない、そしてワインについて
当施設の看板犬、オーストラリアン・シェパードの『メテオ』にまつわる記事です
北海道で3haの山林を購入し開拓しながら宿泊施設を準備しています
当施設の主力暖房は、薪ストーブだ。 幸いなことに目の前は森で、燃料となる間伐材を潤沢に確保できる環境にある。 もっとも、切り出した間伐材は切ってそのまま放り出しておくと土に還ってしまうので、薪として活用するためには、それらの適切な管理が必要だ。 これまではちゃんとした保管場所がなかったため、間伐した材は切り出した近辺にまとめて野積みにしてきたのだが、地表に近いものはどうしても腐ってしまい、実にもったいないことになっていた。 そこで、先日、積年の課題であった『間伐材保管ラッ
当地は、自然豊かな山間部に位置するだけあって、当然ながら虫の宝庫である。 とはいえ、たいていの虫は人の生活圏に侵入してくることはなく、ある意味互いに干渉しない共存関係にあるわけだが、一部、積極的にまとわりついてくる厄介者が、四季折々それぞれに存在する。 この時期(秋)の難敵は、間違いなく『カメムシ』だ。当地ワーストランキング2位の要注意害虫である。 クサギカメムシとは 当地に現れるのは『クサギカメムシ』で、カメムシ類の中では体長20mm弱と比較的大型。日本全国どこでも
料理が不得意な母親に育てられた。 昭和9年生まれ、御歳90歳の母は、「食べること」について特別な関心を示さない人で、「食べること」とは「生きること」であり、料理は栄養のバランスさえ取れていればよい、という信条の持ち主である。 このような合理主義で、しかも一本気な性格だから、母が手がける品々は極めてシンプルで、かつ盛り付けの美学や彩りとは無縁なものばかりだったが、その分調理時間が短く、「すぐ出てきていいでしょう」というのが彼女の口癖であった。 ハムパイナップルは、そんな母
ここ赤井川村は、実り多い豊かな農村だ。 ぱっと周囲を見渡したところでは、もっとも作付け面積が大きいのはコメのようだが(確証ありません)、村内にはかなり大規模なガラスハウスもあったりして、コメ以外にも多種多様な農産物が栽培されている。 近所の農家さんによると、これらの野菜類は植える前から売り先が決まっていて、農家さんの多くは、企業などとの契約による計画栽培で生計を立てておられるらしい。 しかしながら、その契約の内容はかなり厳しく、少しでも規格から外れたものは引き取ってくれない
やはり大自然の力はすごい。 当地の森の植生は白樺が中心だが、ヤマハンノキがそれに次いで多く、敷地内のあちこちに点在している。ハンノキは白樺と比べて幹と枝ぶりが逞しく、健康体のものであれば見栄えがよいので、森の景観のよいアクセントとなっているのだ。 今年、そのハンノキが大量発生した害虫に襲われ、真夏というのにほぼその葉を落としてしまった。 犯人(虫)は『ハンノキハムシ』という、そのまんまの名称の昆虫で、主にハンノキの葉を食い尽くす害虫である。白樺の葉も襲うとの情報もあり、
荒廃した3haの農業放棄地の開拓を始めて、3年と少しの月日が経った。 昨年の5月からは、ここ赤井川村に定住し、コツコツと宿泊施設開業に向けての準備を進めているわけだが、あいかわらず日々感動するのが、植物たちの変化だ。 笹、イタドリ、ヨシ、ヨモギ、フキなど、凶暴な繁殖力をもつ『先駆植物』たちを根気よく駆逐し続けると、やがてシロツメクサやタニギキョウ、クルマバソウといったかわいらしい草花が芽吹くようになる。もちろん、これらの草花も生命力旺盛な雑草であり、放置すればどんどん巨大化
大自然というのは怖いもので、定期的な手入れを怠ると、あっという間に荒廃してしまう。以前、「日常的な草刈り」について記事を投稿したが、実際のところ、樹木の中には発芽から1年もすればヒトの背丈に達する種族もいて、ひとたび成長を許すと草刈機のナイロンカッターでは歯が立たず、駆逐するにも必要以上の労力を要することになる。 草刈り同様、サボるととんでもない仕返しを食らうのが『枝拾い』だ。特に、強風や大雨の後は、森のあちこちに落ちた枝が散乱する。落枝は草刈りの妨げになるばかりか、足を取
当施設の管理棟は、コンテナハウスと木造在来工法が同居した形態となっている。 コンテナハウスとは、海上輸送用コンテナの規格に合わせた全金属製の構造物で、『ラーメン構造』により極めて強固な躯体を持つ。かつては、使い古しのコンテナを修復して流用していたが、最近では建築専用に設計・新造されたものも一般的になりつつあるようだ。 コンテナハウスの魅力は、なんといってもそのクールな外観だ。一見無骨な印象があるものの、木造のように間柱の位置にとらわれず自由に壁を抜くことができるから、積み重
ミートボールは魅力的だ。 挽き肉料理は、ハンバーグもラグー(煮込み)もおいしいけれど、ミートボールには、なぜかそれらを凌駕する『艶』がある。 ミートボールの仕込みには手がかかる。 挽き肉を材料と合わせて練る『タネ』づくりはハンバーグ同様として、それをひとつひとつ手のひらで丸めて成形しなくてはならない。しかも、でかすぎてもいただけないし、小さすぎても物足りない。なかなかにして繊細な手仕事である。 つくり手の感性がそのまま表現される……それがミートボールだ。 タネを丸めた
「山小屋にウッドデッキ」は必須要件だ。そして、デッキを整えると欲しくなるのがキャノピー(天蓋)である。これがあるのとないのでは、気分がまったく違う。もちろん、日除け効果は大きいが、それ以上になんともいえない安心感をもたらしてくれる。 キャノピーの選択肢1: パーゴラ パーゴラ(ペルゴーラ=pergola /pεrɡɔla/)とは、イタリア語で「ぶどう棚」を示すので、本来、天蓋はないはずだが、日除けを目的に市販されている『パーゴラ』には、たいてい折りたたみ式のサンシェードが
オムレツは難しい。 当施設では、ゲストからご希望をいただけば朝食もご用意する。メニューは、余市町のパン店のクロワッサン、地元・赤井川村産のベーコン、サラダ、カフェ・オレ…、そして卵料理。 卵料理は、失敗のない半熟ゆで卵といきたいところだが、それではスタッフが難色を示すので、ここはやはりオムレツか。 オムレツは難しい。 これまで10年間ほど、ススキノのワインバーで料理も提供してきたが、オムレツはどうにもうまく焼けない。 Youtube の、フライパンを「とんとん」して美
当施設では、薪ストーブが冬季の主暖房である。燃料の薪は、いまのところ敷地内の間伐材でまかなっており、購入することはない。したがって燃料代はゼロではあるのだが、薪づくりはなかなかにして重労働であって、そのコストを換算すると、必ずしも石油ストーブに対して優位性があるとは言い難いところが微妙である。 間伐した樹を整えて管理する 間伐とは、「森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業」である(出典:林野庁)。また、建築物を建てたり、クルマが通れる小道
月齢16ヶ月弱の看板犬♂の、去勢手術を実施した。 健康なカラダにメスを入れるのだから、犬にとってはタダ事ではない。抜糸までに要する期間はおよそ10日間。それは、飼い主にとってもなかなか厳しい日々となった。 当主が看板犬の去勢手術を決断した理由 最近知ったのだが、飼い犬の去勢について、愛犬家の間では賛否両論の深い溝があるようだ。世の中には様々な考え方の人が存在するのだからして、両論の展開は大いに結構なことだが、それが互いの誹謗に発展するのは残念に感じる。 実際のところ、当
都会で薪ストーブを備える住宅は珍しかろうが、山暮らしにおいては一般的だ。 当施設の近隣の家々にはたいていストーブの煙突が立っていて、冷える時期には、朝に晩にゆらゆらと白い煙を立ち昇らせている。 当施設の母屋にも比較的小型の鋳物製薪ストーブが備わっており、主力暖房として概ね10月中旬から5月下旬くらいまで稼働している。 DOVRE ROCK 350TB 鋳物の薪ストーブは国内外多くのメーカーが製品化していて、その選択肢は豊富だ。可燃ガスを還流させる『二次燃焼』構造は必須と
雪が解けて地面が露出する5月の大型連休を過ぎたあたりから、これまで沈黙を守っていた雑草どもがいっせいに芽吹き始める。 草刈りシーズンの開幕だ(ちっともうれしくない)。 入植前の当地は、夏には背丈を超えるイタドリなどの雑草に覆われ立ち入ることすら不可能だったのだが、手を入れ始めてから4シーズン目を迎え、その植生が変わりつつある。 笹、イタドリ、フキなどの『先駆的』な雑草は成長が早く、葉を大きく広げることで他の植生の成長を阻害する。したがって、こいつらを積極的に駆除することで
犬との山暮らしでアタマが痛いのが、汚れた足の掃除だ。 敷地内に舗装された場所はなく、雪解け期間中や雨後のサンポは足はドロドロになる。地面が乾燥しているときでも、全開で走り回ったり、排泄後の「かっちゃき」で、肉球の間や爪の付け根に汚れが付着する。 山暮らしをする犬といっても、基本的には屋内で共同生活を送っているので、外出から戻るたびに濡れた雑巾で足をていねいに掃除してやらなくてはならず、かねてよりカンタンに足をきれいにできるグッズがないものかと、なんとなく探していた。 ある