四向四果(四双八輩)
◆宝 経
八輩(四向四果)の人は.四双(四沙門果)の人である…
その人は真の仏弟子であり.施与(布施)を受けるべき人である…
その人に施し与えたならば.大いなる果報をもたらす…
この勝れた宝は.法の内にある…
この真理によって.幸せであれ…
〇十結と四向四果
★五下分結(人を欲界である此の時空に結びつける五つの煩悩)
①有身見
我という不変な存在が有るという誤った見解…
☆欲界→感覚で認知できる世界
☆色界→物質的条件として認知できる世界
②疑 惑
何が真実か判らない.無知(無明)な状態 ☆無色界→欲望も物質的条件も超越し精神作用だけの世界.禅定に住まう…
③戒禁取見
拘り.仕来たりとか.苦行など色々な事に捉われた状態…
▲①②③(三結)を完全に断滅すると預流に向かい[預流果]を得る…
[須陀含(シュダオン)]
④欲 貪 .激しい欲望.欲情 ☆④⑤が薄くなると一来に向かい[一来果]を得る…
[斯陀含(シュダゴン)]
⑤瞋 恚 .激しい怒り
☆④⑤を完全に断滅すると不還へ向かい[不還果]を得る…
[阿那含(アナゴン)]
★五上分結
★五上分結(人を色界.無色界であるこの時空に結びつける五つの煩悩)
①色 貪
色界に対する執着.意識界の禅定への執着…
②無色貪
無色界に対する執着.無意識界の禅定への執着
③掉 挙
私は到達したという意識界.無意識界の微妙な高揚…
④我 慢
私は成したという慢心.意識.無意識界の微妙な慢心…
⑤無 明
最後まで僅かに残っている根本的な無知(無明)
☆五上分結を完全に断滅すると阿羅漢へ向かい[阿羅漢果]を得る…
[応 供(阿羅漢.アラハット)]
応供に到達し.叡智の顕現により.大悟(勝儀諦)を得て成道を果たし真如なる無上正等覚者.如来(Tathagata.タターガタ―)となる…
★四向四果
①預 流
涅槃に暮らし.唯.時空に身を預け.流れ行く… 預流に向かい.預流果を得る…
②一 来
涅槃に暮らし.時空を超越し.戻りもしたる境地.一来に向かい.一来果を得る…
③不 還
時空を超越し.世界を俯瞰する者なり不還に向かい.不還果を得る…
④阿羅漢
現世に在り.現世になし…(空観)
阿羅漢に向かい.阿羅漢果を得る…
◆バラモン(出家者)が.戒律を守り.修養に熱心に努め励み.精進している時.この世界の人々は.栄えて幸福であった…
然るに.彼らに誤った見解が起こり.次第に王者の如き栄華と.化粧盛装した女人や.豪華で立派な車.よく造られた邸宅.俗世間の享楽や金財を蓄える時.庶民.知識人.諸々の支配層.知人親族に至るまで広く分裂し.仲違いし.欲望に支配され大いなる不幸を招いた…