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中論ー26

第二十六章 縁起(十二支)の考察

1.無知(無明)に覆われた者は再生に導く三種の行為(業)を自ら為し.その業によって迷いの領域へ趣く(趣)…
2.潜在的形成力(行)を縁とする識別作用(識)は趣に入る…そうして識が趣に入った時.心身(名色)が発生する…
3.名色が発生した時.心作用の成立する六つの場(六入)が生ずる…六入が生じてのち.感官と対象への接触(触)が生ずる…
4.眼と色.形あるもの(色)と対象への注意(作意)とに縁って.則ち名色を縁として.この様な識が生ずる…
5.色と識と眼との三者の和合なるものが.則ち触である…またその触から感受作用(受)が生ずる…
6.受に縁って盲目的衝動(愛)がある…何となれば受の対象を愛欲するが故に.愛欲する時に四種の執着(取)を取る…
7.取があるとき取の主体に対して生存が生ずる…何となれば.もしも無取であるならば.人は解脱し.生存は存在しないからである…
8〜9.その生存は則ち五つの構成要素(五蘊)である…生存から(生)が生ずる…老死.苦等.憂.悲.悩.失望・・これらは(生)から生ずる…この様にして.この単に妄想のみなる苦しみの集まり(苦蘊)が生ずるのである…
10.それ故に無知なる者は.生死流転の根本である諸々の形成作用(諸行)を形成するのである… それ故に無知なる者は業を造る主体である…知者は真理を見るが故に.業を造る主体ではない…
11.無明が滅した時.諸々の形成されたもの(諸行)は成立しない…然るに無明の滅する事は.知によってかの十二因縁の修習(連続的念想)からくる…
12.十二因縁の諸々の項目の内で.それぞれの前のものの滅する事によって.それぞれ後のものが生じない…この様にしてこの単なる苦蘊(苦しみの個人存在)は完全に滅する

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