東京に戻りました。 1ヶ月経つとすっかり季節が変わっていて、いきなり38度の猛暑なのだから、参りますね。 7月28日にアフリカへ出発します。今回は、来年1月に青山スパイラルホールで、初の写真展を開催するための撮影です。 夜間撮影に挑戦するために1年間、昨年のアフリカ撮影が終わってから準備をしてきました。 まだやるべき事がたくさん残っているので、ギリギリまで準備を続けます。
さてさて、「準備」についての考えを、実例をもとに整理しておこうと思います。
長男と同じく、16歳の次男もテニス選手です。 彼は、6月のヨーロッパ遠征中に足を怪我してしまい、帰国直後に行われる、日本の大会に出られるのか微妙な状態でした。 日本に着いた時点でどこまで回復しているか、そこで判断することになりました。 なんとか出場できそうだ、ということで帰国の翌日、山梨で行われる大会へ向かいました。
しかし、実はヨーロッパから日本への便で、バゲージがロストしてしまい、ラケットが届かないというハプニングがあったのです。 ラケットの到着は次の日になるというので、待っていたら試合に間に合わなくなるため、荷物到着を待たずに大会へ行くことにしました。 テニス選手は緊急時のために、機内へ最低限のラケット、シューズ1足と着替えを持ち込み、トラブルがあっても練習や試合ができる準備をしているのです。
長時間のフライトを終えて自宅に着いたのは20時、翌朝に出発するための洗濯と準備を行い、たまっていた宿題を片付け、午前3時に就寝し、7時半に出発しました(親子総出で乗り切ります)。 そして、10日後には次の海外遠征に出発するのです。
タフでなければ生きていけません。
「自宅に着いたのは20時、翌朝に出発するための洗濯と準備を行い……」 と、サラッと書きましたが、もう少し詳しく説明しましょう。
まずは、家族以外の人が関わる部分からです。
・出場することをコーチに連絡し、翌朝の出発時刻を決める(成田~自宅までに)
・ホテルの予約を取る(成田~自宅までに)
・大会のダブルスペアと連絡を取り、出場できることを確認
ここからは、家族内でできる準備です。
・ラケットは(通常6本持っていく)前の遠征が終わる時に、切れたガットを次の試合のために現地で張り替えておく必要があります。1日に1本はガットを切るため、帰国してからでは間に合いません。
・シューズも、1ヶ月の遠征で潰れているので、新品を持っていきます。
・ウェアは、朝までに洗濯。
・遠征先での洗濯道具、サプリや医薬品の入れ替え。すぐに用意できるものとできないものがあるため、5月には用意しておかなければ、今回の遠征には足りなくなります。
日本人はすぐに、現地で調達すればいい、という考えをしますが、それは日本で生活していて、移動が少ない人の考え方です。 海外では、前の夜に次の日の食べ物や医薬品は買えませんし、日本でもサプリや専門道具は、コンビニでは購入できません。 常に、3ヶ月先の予定を見越し「必要なもの」を準備しておく必要があるのです。
そして、普段の生活では 身体の準備(トレーニングやケア)を行い 技の準備(毎日の練習)を積み 心の準備(メンタルケア、休暇)を行うのです。
それでも勝負に勝てるとは決まっていませんし、簡単に勝てるわけでもありません。 準備するために生活している、という感じの日々を送っています。 ならば、何をモチベーションにするのか?
ものすごく忙しいが、他の人とは違う生活をしていること。 目標に向かっていることを楽しむ。 最高の結果を求めているが、それだけのためだけにやっているのではなく、自分の成長を喜べるか。 そこが続けられるかどうかのポイントになるのです。
テニスを例にして話しましたが、ビジネスにも通じています。
目の前の忙しさを理由に、先延ばしするのではなく、将来を考えコツコツと準備していく。
これが、「達成感」よりも「充実感」が大切と、僕が考える理由です。