観光を縁の下で支えるもの
シンガポール、マレーシアのリサーチに行きました。
コロナに関しては「いつの話でしたっけ?」というくらい観光地は人が集まり、エアもホテルもいっぱいで、レストランの予約もなかなか取れません。
シンガポールの近隣諸国には、おおよそインドネシア(2.7億人)、フィリピン(1.1億人)、ベトナム(1億人)、タイ(7100万人)、マレーシア(3300万人)、台湾(2300万人)、合計約6億人の人々が飛行機で4時間圏内に暮らしています。そこに中国の14億人が加わるのだから、東京ほどの面積であるシンガポールは混雑するわけです。
アジア人の観光旅行が本格的に始まりました。それに合わせて世界のハイブランドが東南アジアを攻めています。
どこへ行ってもルイ・ヴィトンやプラダ、エルメスにカルティエなどの大型店が出店ラッシュです。
コロナの3年間、シンガポールはしっかりとその準備を進めていたのを感じます。
まずは、非接触型の電子決済が浸透しています。日本の飲食店で見られる、アクリル板で無理やり非接触を作るのとは違い、暗証番号ボタンを触らなくてもカードでタッチ決済が数秒で出来ます。これは、デパートや一部の店舗に限られているのではなく、公共施設でも、フードコートや屋台でも、パン屋さんでも可能で、領収書をもらうことはありません。
移動に関しては、自分の好きな場所にUberなどの配車アプリからタクシーを呼ぶことが出来、土地勘のない旅行者にとってはとても便利です(日本でUberといえば、Uber Eats が主流ですが……)。タクシー乗り場を見つけ、荷物を持って列に並ぶというのは、随分と古臭い光景に感じます。
地下鉄やバスも使いやすく、分かりやすいので、移動がとても楽に感じます。
7年前と比べたら、移動の時間は無駄が省かれ、半分くらいになったのではないでしょうか?
そして、現地の友人の勧めで行ったレストランでは、食事の写真をSNSに上げると、1時間後にはしっかりお店からメンションされていました。
空港の電子化も素晴らしく、チャンギ国際空港での体験は他の空港と違います。イミグレーションは、まるで未来のアトラクションのエントランスのようで、全て自動化され、デザインも素敵です。
しかも、チェックイン時に必ずある、あの煩わしい手荷物検査がないのです。だから長蛇の列に並ぶ必要がありません!
これ、僕は大好きで、手荷物検査は各ゲートでそれぞれ行うのです。
いつもチャンギを使っている人にとっては当たり前でしょうが、この仕組みは画期的で他の空港との差別化がハッキリ。しかも街から20分とアクセスも抜群なのだから、世界のベストAirportに選ばれるのも納得。
シャワーを浴びてから夜の便に乗りました。
空港に投資をすると、こんなにも勝手に宣伝してくれるのに……。観光に力を入れるならば、空港に最大限の投資をするのが、大きなリターンを生み出すことでしょうし、国のブランディングとしても有効です。
なにしろ一番初めにその国を体験するのが、空港なのだから。
しかし、アジアのハブ空港の座は、チャンギとインチョン、ドバイに完全に取られてしまいました。
ここまで書いて、もうお気付きだと思いますが、国としての観光産業の成功は、ITインフラと、使いやすいアプリ、決済専用端末が、縁の下で支えています。 それがシンガポールの強さで、どこに行ってもストレスなく動け、ストレスなく支払いが出来ます。
日本に帰国するには、Visit Japanを検索し、HPを開き、個人登録を行います。 ワクチン証明書を読み込み、審査に出して、メールで通知を受け取り、青色の画面が送られれば、帰国後の入国審査が通過出来ます。
しかも、毎回帰国の度にやらなくてはいけません。
日本がどんどん置いていかれてます。
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