ヨーロッパ遠征
日本に帰国し、子供の友人のお父さんとスポーツの試合会場でバッタリ。「安達さんは、何をやってるのかよく分からないから不思議だ」と言われて、説明に困ったのですが、自分の仕事を全部説明するのは面倒なので、チョコレートを作ったり、写真を撮ったり、学校で授業もやっています、と答えると余計に面倒なことになりました。 仕事は2つ、3つ持っていた方が、リスクも分散されて良いと思いますが、まだまだ受け入れてもらえてません……。そろそろ日本も、時代と共に変わっていかなきゃ、ですよね。 芸能界やTVの世界で様々な闇が暴かれ、変化の足音は聞こえてきていますが、この国がどこまで覚悟を決めて先に進もうとするか、それともまだ後ろ髪を引かれながら昭和の価値観のままでいるか、分水嶺に差し掛かっているのではないでしょうか?
僕は、次の準備に余念がなく、一つのものが上手くいったからといって安心するタイプではありません。なぜなら、弱小インディペンデントブランドなので、次から次へとやる事を作り出し、軌道に乗せていくしか生き残る道がないからです。
次の挑戦は“コーヒー”で、カビのないコーヒーを作るために、アフリカ、南米、アジアの農園を周り交渉を重ねています。 毎日何杯か飲むコーヒーに、様々なカビが発生していることは、日本ではあまり知られていませんが、厄介ですよね。 美味しいのはもちろんのこと、身体の機能を向上させたり、リカバリーを促すコーヒーをお届けできるように、この夏は動いていきます!
さて、南米遠征が終わり、来週から初夏のヨーロッパ遠征に入ります。今回は初のポルトガルを起点にし、バルセロナ、パリ、スイス、モロッコ、チュニジアを周る予定です。
世界中を周っている理由の一つは、リサーチです。というのも、コロナ禍を経て落ち着きを取り戻した各国のBean to barやコーヒー業界 、そしてカルチャーがどう変化しているのかを見て周り、それぞれのキーマンに話を聞き、コロナ後の世界を知り、僕らの進む方向を確認するためです。
農家を訪ねることで、業界の1番川上では何が起こっているのかを知ることが出来ます。生産業者から始まり、流通、製造販売、ブランド、そして業界を取り巻く環境や、政府、業界団体等の変化、また各国消費者の心理までを探しながら、時代の空気感を感じていきます。
僕は、製造、マーケティング、ブランディング、サービス、小売を、それぞれ分割しては考えず、これらの行動全てが “チョコレート作り” だと考えています。 多くの人は、チョコレート作りとは、カカオからチョコレートをどうやって作るのか? に終始してしまうのですが、表面的な情報なら、いつでもどこでも世界中のものが手に入る時代なので、「〇〇の作り方」や「オシャレな見せ方」では競合ブランドと差別化出来ません。 その結果、商品はコモディティ化し、大手との価格競争に負けてしまうのです。
ここが肝心なポイントです!
ペルーのマラノン・キャニオンに行く途中、崖崩れしている山間の一本道を何度も通り抜け、高い山あいを流れる大きな川の横の道を通っていると、なんて気持ち良い風が吹くところなんだと、感じていました。 思わず車を停め、ドローンを飛ばして撮影したほどです。 溪谷とはこういうことか、と改めて感じたのです。 それまで、蒸し暑いジャングルの中を勝手に想像していたのとは正反対、キャニオンは深くて険しく、気持ちの良い風の流れる場所でした。
これが、チョコレート作りのゴールイメージになるのは、間違いありません。 誰かが勝手に考えたゴールイメージと、自分で見て感じたゴールのイメージでは、大きな差があると信じています。
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