「賢明であるコツとは、何に目をつぶるかを知ることである。」
成長する過程で、賢明さは身についていく。
成長というのは、単に年齢を重ねるということではなく、自分で考えて、選んで、行動して、失敗して、学ぶという経験を積んでいくこと。
私も、昔よりは賢明になっているはずだ。
迷って選んだ道が正しかったという成功体験や、何かに失敗した経験を通して、「このまま突き進むとなんかまずいぞ」とか「こっちは何か怪しいな」という勘が働くようにもなる。
人と話す時も、「ここは丁寧に説明しないと、後々揉めそうだな」とか「この人は言ってることと思ってることが違う時があるから、真に受けない方がいいな」と、危険も察知できるようになる。
避けられるリスクは避ける方が賢明だと思う。
欲しいものが何でも手に入るわけではない。
努力が必ず報われるわけではない。
人間、いい人ばかりではない。
すべてを完璧にこなすことはできない。
「何に目をつぶるかを知ること」は、生きていく上でとても大事なスキルだと思う。
他人への期待
例えば、他人への期待を捨てることは賢明さにつながる。
若い頃は、勝手に他人へ期待して、自分の思い通りの反応が返ってこないと不満を感じていた。
その不満を表現するのが苦手だから、不満は大きくなるだけで、ひとりで不機嫌になって、状況は悪化する一方。
今も不満に思うことはあるし、なかなか消えてくれないこともあるけど、その気持ちを持ち続けるのは無意味だと知っているから、できるだけ早く手放そうとしている。
自分への期待
自分の可能性を信じて期待することがダメなわけではない。
他人と比較して、負けていることに「悔しい」と思う気持ちをバネにするのも悪いことではない。
幼い頃は、負けず嫌いゆえに、いろんなスキルを伸ばせていたし、勝負事にも勝つことが多かった。
でも、進学や就職とともに周りがレベルアップし、いろんな背景を持つ人がいるので、負けることも増える。
意固地になって負けを認めなかったり他の人に譲ろうとしないと、時間を無駄にしたり、自分の立ち位置を危うくしたりする。
自分の可能性を諦めるというわけではないけど、固執しすぎないというのも賢明な生き方だ。
もし負けを負けのままにしたくなければ、別の機会に勝負したらいい。
こだわり
何かに打ち込むと、自分なりのこだわりが出てくる。
このこだわりが、自分の美学となり、やりがいや達成感につながると思う。
こだわりを貫きたいという気持ちは、自分の「好き」という強い感情であることが多いので、なかなか簡単には手放したくない。
他の人にも「いいね」と言ってもらいたいし、認めてもらいたくなる。
でも、そのこだわりのせいで、他人に迷惑をかけることだってある。
他の人のこだわりとぶつかって、いざこざを起こすこともある。
それを貫き通せるならそうしたらいいし、難しいなと思ったら、他の人を説得したり共感してもらったりする方法がある。
それでも無理なら、自分の思いと違うやり方に従わなければいけないけど、「嫌だな」という感情には蓋をする。
割り切ることは大事だと思う。
何を見て、何を見ないか。
賢明な判断ができるようになりたい。