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「ファッションは毎日を生き抜くための鎧である」、「スタイルは自分の中にしかない」

ファッションは毎日を生き抜くための鎧である
   ビル・カニンガム
   (ファッション・フォトグラファー)

ELLE girl

ファッションはお金で買うことができるけれど、
スタイルは自分の中にしかない

   アイリス・アプフェル
   (インテリアデザイナー)

ELLE girl


おしゃれ迷子の沼にハマって、もう何年も抜け出せずにいる。
自分が気に入るスタイルが分からなくなっている。


出かける前に鏡に映した自分のファッションがバシッときまっていると、やる気がみなぎってきて、歩き方も颯爽として、仕事も堂々と取り組める。

でも、ここ数年、「よし、きまった」と思える日があまりなくて、だんだん猫背になってきている。姿勢が悪くなると、目からは輝きが消えて、表情もくすんで、気分も落ちやすくなってきた。


以前は、気分が上がるコーディネートがあったのになぁ。

休みの日のファッションもどうにかしたいけど、まずは仕事の日のファッションでお気に入りを見つけたい。カニンガム氏が言うように、「鎧」みたいなもんだから。


前職はスーツを着ないといけない職場だった。スカートは苦手で、もっぱらパンツスーツだったけど、それが好きだった。

行きつけのスーツのお店にも出会えたし、パンプスもお気に入りのブランドを見つけられた。インナーは適当に選んでたけど、全体的なシルエットは「パンツスーツ」という枠が決まっていたから、ハズレがなく、着替え終わったら正解にたどり着けるから、毎回「はい、きまった」という感覚を味わえた。

ラッキーなことに、体型的にも合っていたみたいで、似合っていると褒められることもあった。

スーツは伸縮性がないから、カチッとしていて、まさに鎧みたいだった。


転職しても、しばらく毎日パンツスーツで出勤していたけど、「今日、何かあるの?」とよく訊かれていたし、周りから浮いてしまったので、仕方なく少しずつカジュアルダウンさせていった。

これがなかなかうまくいっていない。
自分の好きなスタイルというのが見つからずにいる。

かなりカジュアルな格好の人もいるけど、私は仕事らしさは残したい。それでいて、職場の他の女性とは違うスタイルでいたい。スタイルが似て比べられるのは嫌だし、何より女性に目をつけられるのは避けないといけない。

だから、「普通のオフィスカジュアル」でいいんだけど、意外と「普通」の服を見つけるのが難しい。どうしても新しい服を買おうとすると、流行が取り入れられていることが多い。

ちょっと流行が入っているくらいがおしゃれになるかなと思って、買ってみるかなという気にもなるんだけど、他の人と色被りしないように気を付けると、自分に似合ってない色を選んでしまったりする。

「今度こそは」と次々と服を増やしてみても、やっぱりうまくいかない。お店に置いてある服に限りがあるからといってネットで探してみても、どういう服が欲しいか決まっていないから、いくら時間をかけても、お気に入りになかなか出会えずに終わってしまう。


アプフェル氏が言うように、流行りの服とかおしゃれな服は、お金を出せば手に入る。でも、それが自分に似合っているか、自分が気に入っているかは別の問題。

今の私は、自分のお気に入りのスタイルが分からなくなっているから、いくら時間をかけて探しても、いくらお金を出して服を増やしていっても、毎日を戦い抜く服がない。結局、タンスの肥やしが増えるだけ。


でも諦めても何も解決しない。今はまだ数打って当てるしかない。


最近、ネットで服を何着か買ってみた。お気に入りになる服に出会えるといいなぁ。




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