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「私には能力がある、必ず、できる、と確信する。」

私には能力がある、必ず、できる、と確信する。
この確信は、不可能と思えたものでも可能にするのです。

   ─ 宇野 千代 ─ (『私の幸福論』)

「20世紀の名言」


今年、プロ野球の東京ヤクルトスワローズの高津監督が選手に「絶対大丈夫」という声をかけ続け、優勝まで導いたことで話題になっていましたね。選手たちも「打席に立つ時に、『絶対大丈夫』と言い聞かせていた」と言っていた。結果までついてきて、感動的でした。


緊張して「ダメかも」「失敗するかも」「むしろ失敗する気しかしない」と思うことはたくさんある。特に、人前で話す時にそう思うかもしれない。

プレゼン。
イベントの司会。
上司に判断を仰ぐ打ち合わせ。

月曜日にそのタスクがあるとすると、週末から緊張して「どうしよう、大丈夫かな」「うまくいくかな」と、ソワソワドキドキする。

月曜日の朝、会社に行く電車の中では、帰りの電車の中にいる自分をイメージする。成功しても成功しなくても、とにかくその場を乗り切れたことをイメージする。


でも、泣いても笑っても時間は進み、そのタスクは終わる。

ネガティブが功を奏すのか、事前にあれこれ考えて不安になり、ひと通りマズい状況は空想で経験してしまってしまうので、本番は取り越し苦労に終わることが多い。


いつも大体起こりもしないことを考えておどおどしているけど、本番前は、不安よりも、「大丈夫、できる」という根拠のない自信が勝っていることも多い。

実力以上の力が出せるという意味の勝負強さではないけど、本番を程よい緊張感を持って人前で話せるのは、自分の強みかなと思う。


どうしてこうなったか思い返してみると、3つ心当たりがある。


1つは、人前で話す経験を積んできたから。

もともとは目立ちたがり屋だったので、小学校と中学生の頃は、クラスや学年の代表として全校生徒の前で話す経験が何回かあった。これで度胸がついたのかな。


2つめは、学生時代にプレゼンを褒められたこと。

ゼミで、各自の研究内容をプレゼンした時、助教が「プレゼン、うまいな」と感心してくれた。普段の話し方とギャップがあったのか、「意外だった」と言わんばかりに褒めてくれたので、とても嬉しくて、自信になった。


3つめは、講師業をしていた知人がいること。

小学生の頃のスピーチと社会人になってからのプレゼンでは、やっぱり違う。「人前で話す」という度胸は応用できるけど、事前に原稿を準備して、当日は一言一句そのまま読めばいいという小学生のスピーチと、相手を説得して、質疑応答までセットになっている社会人のプレゼンは違う。

そこで、講師業を10年以上続けていた知人に相談すると、いろいろと教えてくれた。「話し方」のスキルも教えてもらったけど、当日を迎えるまでの「事前準備」と「心構え」の大事さも教えてもらった。


何の事前準備もなく「大丈夫、絶対できる」と言い聞かせても、開き直ることはできるかもしれないけど、結果が伴わないことも多いはず。

当日を迎えるまでに、「ここまで準備したんだから大丈夫」と思えるくらいにたくさん練習する。練習も、練習のための練習ではなく、本番を想定した練習をする。

「この練習をしたら、きっとうまくいく」と信じて準備をして、本番直前では「絶対うまくいく」「絶対できる」と思って臨む。そうすると、きっと結果もついてくる。


ちなみに、ずっと前の記憶だけど、体操の内村航平選手は、「うまくいくイメージではなく、うまくいかなかった時を想定して練習する」というようなことをインタビューで答えていた。

スポーツはしないし、よく観てるわけでもないんだけど、スポーツ選手からは学ぶことが多いです。




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