「これまで見たものの中で最も美しかったものは、腕を組んで歩く老夫婦の姿でした」
後段は誰もが共感することじゃないだろうか。
手をつなぐ。
腕を組む。
触れ合ってるって、なんであんなに幸せな気持ちになるんだろう。
その幸せを知ると、他の人が手をつないだり腕を組んだりしているのを見ていても自分まで幸せになる。
小さい子でも、若いカップルでも、同年代の人を見ても幸せなお裾分けをもらえる気分になるけど、老夫婦だと、さらに美しさを感じるし、尊敬する。
特に日本だと、欧米に比べて、手をつないだり腕を組んだりするのは、特に年齢が高いカップルに対しては「みっともない」「はしたない」と思う人も少なくない。
でも老夫婦だからこそ美しさが増す。
もちろん腕を組んだりする老夫婦だけが素敵だというわけではないけど。
たまに「相手に不満を抱いたことは一度もありません」とか「喧嘩したことは全然ありません」という夫婦もいるけど、ほとんどの夫婦は長くいればいるほど何かしら起こることが多いと思う。
きっと腕を組みながら仲良く散歩してる老夫婦も、何かしらの危機を乗り越えた人たちも多いと思う。
このご夫婦にはどんなことがあったんだろう。
どうやって危機を乗り越えたんだろう。
なんてことを勝手に思ったりする。
私もいつか手をつないだり腕を組んだりしながら、お互いの顔を見ながら微笑み合ったり笑い合ったりする、そんな老夫婦になりたい。
一緒になってからずっと何の問題もない夫婦になりたいというわけではない。
きっと私の未熟さと欲の深さゆえに、何かしらぶつかることは避けられないと思う。
でも、ぶつかっても、その分だけ関係が深くなればいいなと思う。
誰の言葉か忘れたけど、「私は何もすごいことはしていません。ただ1人の人を愛しただけです。」という感じの言葉を見たことがある。
そんな言葉が出てくるような生き方ができたら幸せなんだろうなと思う。
私もそんな生き方ができるんだろうか。
愛し続ける以前に、「この人となら一緒になりたい」と覚悟して、決断できる日が来るんだろうか。
今までもその気持ちを持ったことはあるけど、最終的には踏み切れなかった。
年を取るにつれて勢いで進めることはできず、制約があるというのが大きいけど、それを超えられる決断ができるようになるんだろうか。
私が考えすぎなんだろうか。
それともやっぱりこの人じゃないんだろうか。
歳も歳だし、妥協しないといけないんだろうか。
目の前にぶつかる壁がすでに見えてるけど、見ないふりをして、我慢するしかないんだろうか。
悲しいことは目をつぶって、楽しいことを待てばいいんだろうか。
どうやら私は私がかわいいようで、私のことを悲しませることは避けたいようだ。
相手のことを傷つけるのも避けたいけど、自分のわがままにも付き合ってあげたい。
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