「騙し騙しやりながら自信がついてくる。強いフリが本物になっていった。」
冨永さんの言葉を信じて、私も強いフリを続けたい。
いつか本当に強くなるために。
いつの頃からか、私も自分を守るために強いフリをするようになった。
昔は、周りに受け入れられようとして、おどおどしていた。
嫌われたくなくて、謙虚になるつもりで、空気を読もうとしたら、無意識におどおどしていった。
でも、おどおどしてた自分って、逆に周りをイライラさせてた気がする。下に見られてたと思う。
だから、ある時から「無理に周りに合わせなくても平気」と強がるようになった。
そしたら、だんだん本当に仲良くなれる人が見つかっていった。
試験や面接の時は、完全に強いフリをしていた。
しかも、それが結構うまくいくことが多かった。
直前まではドキドキして不安もあるけど、いざ本番になるとスイッチが入る。堂々とできるし、一人ひとりの顔を見るし、相手の目を見て話せるし、笑顔を見せる余裕なんかもあったりする。
特別なことをしたわけではないけど、いろんな年代の人と話すことに対して、人並みに場数を踏んできたのかもしれない。
採用面接は、面接室にいる数十分だけ強がっておけばいいけど、社会人になると、会社にいる間はずっと強がらないといけない。
プライドの高さなのか、「あのキャラで採用されたんだから」という真面目さなのか、強がる癖が抜けなかった。
強がるという鎧を着けていないとやっていけないという思いもある。
仕事ができないと思われたり都合がいいと思われたりして、軽蔑されたり、プレシャーを与えられたり、仕事を押し付けられたりするのは、我慢して耐えることじゃない。
嫌な仕事に取り組むときも、「これくらいできる」と自分で自分に強がらないと恐怖に押しつぶされる。
気付けば、強いとかこわいというイメージを持たれるようになった。
「強いから大丈夫だろう」と思われすぎるのは、キャパを超えることを任されてしまいそうになるので、気を付けないといけないと思っている。
周りに助けてもらえるあざとい女の子を見ると、「自分もああやって助けてもらえたら楽なのかな」と思わないでもないけど、そういうキャラにはなれないし、年齢的にもそこに進むのはまずい。
本当の自分は、まだまだ小心者で、人より怖がりだと思うし、心配性だ。
でも、強く見られたいというのも本心なんだろうな。
昔に比べると、本当に強くなった部分もたくさんある。
もっともっと本当に強くなりたい。
あとは、そこにおどけたりバカになったりできるイメージも付け加えていけたら、言うことなしだな。