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「トップビジネスパーソンの方は、言葉のかけ方がうまい傾向がある」
コンシェルジュの視点から、私が印象深く記憶している「一流のお客さま」のエピソードを紹介したい。
毎月1度、1週間ほど滞在されるアラブからの実業家Aさんがいた。彼はいつもにこやかだ。
いらっしゃるたびに、ご到着早々に必ずデスクにいらして、一言何か気分よくさせる言葉をかけてくださる。
彼は総支配人から若々しいベルマンまで、誰に対してもいつも同じように振る舞う。そのため、彼の滞在中はロビーがいつもより少しにぎやかになる。
しかもこの方、どういうオーダーも必ず、時間の余裕を持てるタイミングでおっしゃるので、私たちも丁寧に仕事ができて、勘違いや間違いが起きることがまずない。実にうまいのだ。
Aさんに限らず、私が思うに忙しく世界中を巡って働くトップビジネスパーソンの方は、このように言葉のかけ方がうまい傾向がある。
阿部 佳
(K plus 代表、明海大学 ホスピタリティ・ツーリズム学部 教授)
「一流」ってやっぱりすごいな。
一流の周りには、一流が集まるんだろうな。
私に足りないスキルの1つが「言葉のかけ方」だ。
相手に対する思いやりが足りていないのかもしれない。
他人への興味・関心も薄いのは自覚している。
私の周りを見ても、人望が厚い人は言葉のかけ方がうまい。
挨拶の時に何か一言付け加えて、相手を気分良くさせたり、笑わせたり、楽しい気分にさせたりする。
お願い事をする時も、タイミングを見計らって、相手がすんなりと引き受けるような言葉をかける。
たまたま一緒になったエレベーターの中でも、気まずい感じにならない程度の雑談ができる。
そういう人の周りはいつもにぎやかになるし、声をかけられた人も嬉しそうにしているし、他の人もその人と喋りたそうにしている。
すぐに思い浮かぶのが、前に付き合ってた人だ。
仕事のスキルが高くて頼れるというのもあったけど、人柄が良くて、みんなから好かれていた。
私もそうだったけど、みんな、その人と喋るのが楽しそうだった。
挨拶にしても、「おはよう」とか「おつかれさま」だけじゃない言葉を付け加えてくれるので、こちらからも話しやすい。
困っている時も、「どうかした?」じゃなくて、クスっと笑ってしまうような言葉をかけてくれるので、「実は…」と打ち明けやすい雰囲気になる。
その人とのプライベートの時間に、感じの良い受付の子について話をしていたら、「挨拶って恥ずかしいかもしれないけど、あの子みたいにちゃんとやった方がいい。照れてる感じも魅力になるから。」と言われたことがある。
受付の子をイメージして直そうとしたけど、すぐには直らず、転職した時に、心機一転、「ちゃんと挨拶する」というのを自分に課した。
でも、現状、続いていない。
こんな感じなので、私は職場で人気のあるタイプではない。
挨拶はぶっきらぼうだし、
雑談はそこまで積極的にしないし、
細かいことを指摘する。
前に、気分のムラをなくすために、テンションを低めに設定しているということを書いた。
それが私なりの周りへの思いやりではあるんだけど、もう少しテンションを上げられるようにするといいのかなと思っている。
頭では分かっているけど、なかなか切り替えられないんだよなぁ。
でも、少しずつ意識していこう。
ポジションが上がるほど怖がられる立場になるし、自分からフランクに接するように、言葉のかけ方のスキルを高めていきたいな。