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「好きな響きが少ないので、誇りを持ってワンパターンと言ってます」

僕の曲は基本的にワンパターンです。
好きな響きが少ないので。
だから、誇りを持ってワンパターンと言ってます。
   
山下達郎

心を輝かせる名言集


日本を代表するアーティストが、音楽に対して話している言葉だからかっこよく聞こえるんだろうか。

同じ土俵で話すつもりはまったくないけど、でも、私もそうやって堂々と「好きなものが少ないから、誇りをもってワンパターン」だと言えるようになりたい。


好きなものや興味あることがたくさんある人がうらやましい。

いろんな世界を知っているし、楽しそうだし、充実しているように見える。

だから、そういう人と話していると、劣等感を抱いてしまう。

「私ってつまらない人間だな」と。

物欲もなく、流行にも疎くて、趣味もなく、好きな食べ物や食べたいものさえ答えられない。

だから、経験も少ない。

行ったことない。
見たことない。
聞いたことない。
読んだことない。
食べたことない。
会ったことない。
話したことない。
知らない。

見えてる世界が狭い。


このままじゃいけないと思い、興味を持とうとするけど、そう簡単に何でも好きになれるわけではない。

例えば休みの日の過ごし方。

キャンプ、バーベキュー、テーマパーク、流行りのお店や観光スポット、飲み会、話題の映画に行ったりすること。

交友関係が広くて、たくさん人と会って、いろんなところに出かけていく。

こういう話はエピソードも増えるし、聞く人も楽しくなる。


私も人と会って話したり、お出かけするのは嫌いじゃない。

でも、会いたいのは誰でもいいというわけではない。

会った後に疲れるような人と過ごすよりは、ひとりがいい。

交友関係を広げようとしないから、一緒にいて居心地のいい人が増えないから、世界を広げることができないんだけど。


だからといって、悲観しすぎることもないかなと思う。

会いたい人はそう多くはない。

でも、会いたい人は最高の人たちだと胸を張って言える。

世界が狭いからといって、人と深く付き合えないかというと、そういうわけではない。

私と話して、「楽しい」とか「嬉しい」と言ってくれる人たちがいる。

そんな言葉をもらって、私も楽しくなるし、嬉しくなる。


私は、自分が好きな、私にしか見えない世界を深めていけばいい。

ただ、現状に満足することなく、悲観しすぎることなく、自分なりのペースで世界を広げていけばいい。


好きには程度の差がある。

「心底好き」というレベルのものしか深めないのではなく、「これ、好きかも」というレベルのものにいつもより少しだけ興味を持つ。

自分が本当に好きになれるものを極めていけばいい。

好きの範囲を広げることも、今の私には必要だと思う。


今は、好きなものを堂々と好きと言い切れない時がある。

「それだけ?」と思われたらどうしよう、なんて心配になる。

でも、誰かに示すために好きになるのではない。

自分のために好きなものを好きになって、そのことに誇りを持ちたい。

結果的に好きなものがワンパターンになったとしても、誇りを持っていれば楽しいし、満足できる。



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