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「責任を追及するのではなく、原因を追及することに心を砕くべきだ」
責任を追及するのではなく、
原因を追及することに心を砕くべきだ。
張富士夫(実業家)
最近、これと似たような意見を聞いた。
責任を追及すると人を責めることになってハラスメントが起きやすいから、人ではなくて仕事そのものに視点を向けるべきだ、という意見。
何かミスが起こった時、意図していなくても犯人探しになることが多い。
「何がどうなってるの?」と状況を整理しようとすると、誰が何をどうしたかを追っていくことになるので、「誰」が判明した途端、無意識に矛先がその人に向かう。
分かった瞬間は「ここがキーポイントだったのか」と状況を把握するだけだと思うけど、すぐに「自分の責任じゃなくてよかった」と安心して、場合によっては「この人のせいで仕事が増える」と、責める気持ちが生まれてしまう。
何度も同じミスを繰り返す人がいると、「またか、勘弁してくれ」と怒りを覚える場合もある。
ミスした人の意識や態度に問題がある場合もあるだろうけど、組織の体制などに問題がある場合もある。
だけど、犯人探しをして、その人を責めてしまう組織もある。
実際に作業するプレーヤーたちは、感情的にその人を責めてしまいがちになる。
だけど、マネージャーは一緒になってその人を責めてはいけないと思う。
先日、プレーヤーの1人が前任者のミスを見つけて、前任者がいない時に「○○さんがこんなミスをしていました」と上司に報連相していた。
上司もその人と一緒になって前任者を責めるようなことを言っていたけど、聞いている私はあまりいい気分はしなかった。
上司は前任者が担当していた時にその資料を承認しているから、前任者だけの責任ではないはず。
もしかしたら上司自身も「自分のミスでもあるな」と思ったかもしれないけど、その場は前任者を茶化して笑い合っていた。
前任者もその場にはいなかったし、他の人たちを巻き込んで楽しそうに話しているのであれば、これも風通しのいい環境なのかもしれない。
でも、私としては担当者1人だけの責任にせずに、次に同じミスが起こらないような話もしてほしかったな。