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「『いいからやれ』は、自分でどうしたらよいのか考えられない選手を育てる」

小学生柔道の全国大会廃止について、元陸上選手でオリンピアンである為末大氏のコメントが話題となった。

「早く育てようと思うと、『いいからやれ』が一番きくんです。(中略)でも、長く、高く育てようと思うと、それが弊害になり、自分でどうしたらよいのかを考えられない選手になってしまう

人間を育てているはずが、人間を潰す教育になってはいないか。目先の勝利ではなく未来から逆算して考える為末氏のメッセージに、SNSでは多くの賛同が集まった。

大人になって、ふと自分から興味を持ってスポーツや勉強や習い事を始めると、驚くような発見があるのだ、ということを伝えたい。競争しなくてもいい、他人のためでなく自分のためのスポーツや勉強は「超楽しい」のである。

   河崎 環(コラムニスト)

プレジデントウーマン


これは心当たりがある。

親から「いいからやれ」と言われて勉強してきた結果、勉強のやり方が分からず、面白さも分からない人間が出来上がることも、

自主的に勉強をしてみたらその面白さにハマって、能力を開花させる人間が出来上がることも。

前者は私のことで、後者は知人のことだ。


私は勉強の楽しさが分からず、今は勉強が嫌いだし、必要に迫られても、どう勉強したらいいのか分からない。

中学生までは学年でトップクラスの成績を収めていたし、勉強が苦手というわけではなかった。

でも、高校は地元を離れてちょっとレベルの高い高校に進学したので、周りがレベルアップしたということもあるけど、親元を離れたせいか、勉強を怠けるようになった。

怠けると言っても、授業をサボったわけではなく、試験勉強もそれなりにやったけど、結果に結びつかなかった。

大学も、実力より少し低いレベルの大学を選んだ。


私より早く、中学生から親元を離れた弟に言わせると、私が勉強嫌いになるのは「当たり前」らしい。

「あの親の元にいたら、そうなるのは当然だ」と。

弟は、本当に血の繋がったきょうだいなのか疑問に思うほど段違いに賢くて、私が逆立ちしても入れないような大学に入った。

それは、とにかく「勉強しろ」という親から離れて、自分で勉強することの楽しさを知ったからだと言う。


思い返してみても、私は無意識に「親の目があるから勉強する」という思考が働いていたと思う。

眠いから早く寝ようとすると「もう寝るの?」とプレッシャーをかけられたり、「テレビ観たり音楽聴きながら勉強するのは良くない」と勉強方法にまで口出しされていたので、楽しいものではなかった。

分からないことが分かるようになる面白さは感じたことはあるけど、自分から進んで「勉強したい」と思う人間にはならなかった。


私の知人は、私とは真逆で、親から「勉強しなさい」と言われたこともなく、学校はよくサボり、音楽活動に明け暮れ、高校も数日で退学になったそうだ。

でも、ある時、大学受験することを決意して勉強を始めたら、見事にハマり、有名私立大学を学費全額免除の特待生で合格したらしい。

社会人になってからも、エクセルを独学でマスターして経理のプロになったり、講師業に転職して専門外の科目の人気講師になったりと、活躍はめざましい。

私とはもともとの素質の違いもあるのかもしれないけど、「学ぶことの楽しさを知っている」ことが大きな違いだと思う。


いまさら親を責めても仕方ないけど、もっと自由にさせてほしかったなぁと思ってしまう。



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