製図試験で不合格になる要因
R4の製図試験は、Ⅳ類で不合格でした。
以前投稿した再現図を改めて見ると、最上階の屋上庭園が持ち出しになっており、斜線制限をクリアできていないことがわかります。わかってはいたけど考えないことにしていた事実です…再現図を出しておくのも恥ずかしい(笑)
どうしてそんなプランになったのかを分析し、同じ過ちを犯さないよう役立つ記事にしたいと思います。
1.課題文の誤読
実は設計条件を読み始めてすぐに「最上階に屋上庭園を併設した、…」は目につきました。そして違和感も感じました。
「最上階」に「屋上」？
普通の感覚だったら例えば、５階建ての５階に屋上庭園があるんだな、と理解できそうなので違和感も何もないかもしれません。しかし、製図試験のために屋上の設備スペースの計画を学んできたがゆえに、最上階なのか屋上なのか、どっちなんだ？最上階とは屋上のことなのか？とつまらないことでつまづいてしまったのです。
違和感を感じつつもそのまま読み進め、要求室のシェアオフィスに、ラウンジ(屋上庭園との行き来が直接できるようにする)、とありピンときました！
「ははぁーん、ラウンジから屋上への直通階段だな(誤解)」
その他の施設に屋上庭園は"ラウンジに隣接"と書いてあることを読み落とし、そのままエスキスを完成させてしまいます。エスキスはかなり早くまとめられてしまったので、何か読み違えてないかと見直して"ラウンジに隣接"には気づきました。しかし、別の判断ミスが災いして正常な判断ができずに無理なプラン変更を行いⅣ類へとまっしぐらです。
エスキスを始める前にきっちり"ラウンジに隣接"を読めていたらまた違う結果になっていたかなと思います。エスキスを始める前に、もう一度だけ目を通せばよかったと思います。
2.優先判断ミス
標準解答例を見ると、7階建てにするにしても南北18mではなく20mにするべきだったようです。2mの余裕には気づいていました。どうしてそうしなかったかというと、１つはスパンを途中で変えるのが面倒だから(笑)、もう１つは塔屋が斜線制限に当たってしまうから。
スパンを変えると作図で柱の位置を間違うじゃないですか(笑)。そんなことを言っていたら受からないのも当然ですね。作図にまだ不安があるためそのような心理になるのでしょうか。作図に自信がもてるように何らかの手順をまとめることが製図突破には必要とも捉えられます。
塔屋の斜線制限については本来大事ですが、気にしすぎだと言えます。独学とはいえ添削を受け、執拗に屋上設備などの面積が1/8超えで斜線制限に当たることを叩き込まれました。それがどうしても頭を離れなかったのですが、課題文を見直すと屋上設備スペースの面積は言及がなく、採点対象になっていません。実務では必要なことも、試験ではわざわざ言及しない限り都合よく解釈して良いものがあります。非常用進入口等についても同じだといえます。
18mよりも20mの方が床面積が稼げて収益性が上がります。広い分、プランもしやすくなり、最上階と屋上庭園がフラットなことに後から気づいても挽回できたはずです。課題文に書かれていない設備スペースよりも、収益性を優先すればよかったのです。
3.曖昧な知識
普段から無意識に難しい方を選んでしまうことがあります。構造ごとの梁成とスパンの比率をちゃんと覚えているでしょうか。
それが曖昧になっていて、RC梁で1/12だと思ってしまいました。上記のように南北を18mにしたのは、基準スパンを6mにしておけば無柱空間を梁成1mのRCで通せると勘違いしたことも原因です。ちょっとおさらいすると、告示でSRCが1/12、RCが1/10なので、RCとするには一般に梁成が1.2m必要になります。SRCも頭をよぎりましたが、断面を書くのが面倒なので使いたくありません(笑)。
もちろんPCであれば1mの成でそれ以上のスパンに対応できるとはわかっていました。しかしここでPC梁の施工は高度な技術を必要とするらしいなど余計なことを考え、あえてRCを選ぶという愚かな過ちを犯します。仮に少々梁成が告示に足らなくても構造計算によってクリアできるかもしれないし、などと考えていました。
こんな間違いをするのは単純に構造に対する知識が不足していたためです。PC梁を選択していれば、南北を20mとして、最上階のプランに余裕がなくなったりせず、プランニングはもっと早く終わっていたと思います。
まとめ
以上、誤読と判断ミス、知識不足により当然の結果ともいえるランクⅣ落ちをしました。
R5では、冷静に問題文を読み、求められていることにしっかり応えて合格したいです。
2023.08.12 追記
「図書館」と課題が発表されて、とりあえずH24の地域図書館の過去問は学習しました。近年の要求項目が足りないので、R1の美術館分館を学習することにしました。すると、昨年ミスった屋上庭園や隣地の防火上有効な公園があります。本番のつもりで解いたら屋上の設備スペースもまた誤読しました。
去年これをやっていれば…
過去問の学習って大事ですね。