組織風土を変えていくには(9章)承認してますか?
経営層の皆さん、新任の管理職の方々、そして組織をより良くしたいという意志を持つ全ての方々へ。未来に向けて、現在悩んでいる方々に届けます。この第9章では、「承認」についてお話しします。「承認していますか?」と書いていますが、「承認されていますか?」どうでしょう?もちろん承認欲求が誰しもあり、何か認めてもらうことはうれしいはずです。でも、そんなことが出来ていないのではないでしょうか?私も出来ていないかなと思っています。
人間は誰しも承認欲求が満たされると、自信を持ったり、主体的になります。非常にポジティブな状態になります。たとえば、会社のSNSやビジネスチャットで「いいね」とされるだけでも嬉しいものです。会社だけでなく、家庭や友人関係など、どんな場面においても良好な関係性の構築にもつながります。世の中的には5つの承認があるとよく言われています。※成果承認、成長承認、行動承認、存在承認という分け方、結果承認、行動承認、存在承認という要素での分類もあります。
結果承認:達成された結果や成果を認めること
プロセス承認:結果に至るまでの過程や努力を認めること
行動承認:具体的な行動や取り組みを認めること
意識承認:意識や思考、姿勢を認めること
存在承認:その人の存在そのものを認めること
これらの承認を適切に行うことで、周りと信頼関係を築き、モチベーションを高める効果があると言われています。では、どんな場面で、どう使えばいいかを考えてみます。
まずは、結果承認ですが、一番なじみのあるものかもしれません。「テストの点数よかったね」「今期の売り上げはすごいね」と、その人の成果に対して承認するというものです。しかし、結果ばかりに焦点がいくような形になるので、結果を出せていないという方を無視したような形となり、注意が必要です。
プロセス承認は、もしも結果がうまくいかなかったとしても、そのプロセスについて認めるものです。「毎日、2時間これに費やしていたよね、頑張ったよ」「新規得意先の受注には至らなかったけど、今度機会があればと顧客も言ってくれていたよ」など、しっかりと承認してあげることです。
行動承認は、その人が起こした行動そのものを認めることです。「新規事業に向けて周りをうまく巻き込んでスタートしてくれたね」「資格試験の勉強始めたんだね」などがあります。意識承認は、その人の持っている意識や考え方などについて認めることで、「来期はこういうことをしたいんだね、いいね」「新事業への意欲を感じるよ!」とか、まだ行動していない段階でも承認することができます。
一番大切なのは、存在承認とよく言われます。「あなたがこのチームにいることで本当に助かるんだ」「あなたが側にいてくれてうれしい」「あなたの笑顔が何よりもみんなの力になるよ」など、こういうことを言われてうれしくない方はいません。俄然、やる気スイッチも入るでしょうし、何かの行動を変えたりするきっかけとなり、それが結果、成果にもつながってきます。
では、一番ベースとなる存在承認を深掘りしてまいります。相手は、存在を認めてもらうことで、「私はここにいて大丈夫なんだ」「ここは私の居場所である」「他の人から興味をもたれているんだ」といった感覚になります。経営層や管理職は特に、朝の挨拶などの時、帰宅するときは「●●さん、おはようございます」と名前を呼ぶということもいいかと思います。「ありがとう」と感謝を伝えるときも名前を呼んで感謝を伝えましょう。また、相手の強み、良いところを指摘して認めることもよいでしょう。「いつも元気だよね」「積極的だね」でもいいかと思います。そういうところを理解してくれていると伝わります。また、何か、髪型など変化したことへの指摘もよいでしょう(私みたいに、墓穴を掘ることもあるかもしれませんが・・・2週間前に髪を切っていた人へ「髪、かっこよくなったね」と時期を外してしまったり、化粧の変化に口出したり・・・)。一般職の方も同じですね、同僚に対して、あるいは上司に対しても存在承認してあげましょう!
ただし、相手があまりそう思われたくない場合もあるので、相手の価値観や大切にしていることなどを認識して、場面場面でうまく使っていきましょう。きっと、承認の行為が増えればみんなイキイキとした職場、組織風土になるように感じます。