組織風土を変えていくには(10章)他部門との壁を越える
経営層の皆さん、新任の管理職の方々、そして組織をより良くしたいという意志を持つ全ての方々へ。この第10章では、「他部門との壁を越える」についてお話しします。
私もコーポレート部門にいますが、多くの部署があり、名前すら知らない方も多くいます。事業部にいた時も同様でした。こんな考えをしていたら、きっと同じように思われているのかもしれません。私は出来るだけオープンに情報を発信していますが、それでも伝わっていないことも多々あります。壁をどこかで作っているのかもしれません。本日は、そういう組織の壁について話していきます。
まず、組織はひとつの目的のために集まった多様な個人の集合体です。しかし、部署間の壁が厚かったり、情報やアイデアがスムーズに流れなければ、組織全体の活性化は望めません。よく「サイロ化」や「部門間の壁」と言われますが、事業部や組織の横断的なつながりについては多くの会社が課題を抱えています。インナーブランディングの施策を打っても、なかなか進まない現状があるのではないでしょうか。まずは、部署間の交流を促進することが、組織風土改革の鍵となります。
では、部署間の交流が活発になると、組織にはどんなメリットがあるでしょうか?異なる視点を持つ人々が集まることで、新たなアイデアが生まれやすくなり、イノベーションが促進されます。また、異なる部署のメンバーが協力することで、より複雑な問題を解決できる可能性もあります。組織を越えた協力関係を築くことで、全体のパフォーマンスやエンゲージメントが向上するとも言われています。
しかし、各部署が独自の目標や課題を持ち、勝手に動くことで企業全体の一体感が損なわれることもあります。異なる部署のメンバー間のコミュニケーションが不足していると、お互いを理解できず、施策が末端の従業員に共感を生まないこともあります。各部署が業績を競い合い、協力よりも競争を優先してしまうことや、過去のトラブルによって部署間の信頼関係が損なわれていることも考えられます。
では、どうやって部署間の交流を促進していくか、考えてみましょう。
組織全体で達成すべき目標を共有し、目標達成に協力する仕組みを作る。
異なる部署のメンバーで構成されるチームを結成し、共同プロジェクトに取り組む。
社内SNSなどのオンラインやリアルの対話の場を促進する。
定期的なミーティングやイベントを開催し、部署間の情報共有を促進する。
部署を超えた交流を深めるための様々な社内イベントを企画・実施する。
具体的には、経営層としては、部署間の交流を促進するためのトップダウン型の施策を打ち出し、各部署のリーダーに対して部署間の連携を強化するよう指示を出すことが重要です。また、率先して部門の壁を取り払うための風土醸成メッセージを積極的に発信することも必要です。
管理職層は、部署間のコミュニケーションを円滑にするための仕組みや、部署間の協力体制を構築するための具体的な施策を考えるべきです。誰でも意見が言いやすいファシリテーター役を設け、みんなで話し合う場を作ることも工夫の一つです。
一般職は、積極的に他の部署のメンバーとの交流を図り、異なる部署のメンバーの意見に耳を傾けることに努め、率先してほかの部門との壁を取り払うためのアイデアを積極的に提案することが求められます。
経営層、管理職層、一般職がそれぞれの役割を認識し、協力することで、より効果的な組織風土改革を実現することができるでしょう。
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