自分勝手は悪なのか
こんにちは
フィジカルコーチの東拓明です。
「自分勝手な奴が最終的にはチームの足を引っ張ることになる」
「自分勝手な奴がチームにいるとやりにくい」
僕の自分勝手の印象はこうでした。
僕の性格はというと、あまり自己主張もせず、何かを変えようという意識も強くなく、目の前にある課題を一人で、ひたすら取り組んでいくタイプです。
高校時代の話。
毎日部活が終わってから公園の街灯が消える22時まで壁打ちをする。友達やチームメイトを誘うこと無く一人で、です。
自分の目標のせいで他人に迷惑をかけたくないという気持ちが強かったし、それこそがトップまで登り詰める為のベストな方法と思っていました。
この自分がベストだと思っていた努力の方法はあながち間違っていなくて、最高学年となる3年生の頃には校内ランキングは1位になることが出来ていました。入学当初は下から数えて3位の位置にいたので、そこからに比べると、かなり成長したと自負しています。
しかし、僕が本当に勝ちたかった公式戦では、思うような結果が伴わず。
僕に足りなかったことは何だったのか。
努力はしていた。
その努力によって、自身の成長も実感出来ていた。
では、何故なのか。という事をかんがえました。
その答えは明白で、
ずばり、それこそ『自分勝手になること』でした。
僕の努力の念頭には『他人に迷惑をかけないこと』があったのです。
頼ることが足りていなかったのです。
僕は私立の強豪校に勝ちたかった。
僕たち公立高校が強豪の私立に勝つにはどうすればいいのか。上手くなるためにはどうすればいいのか。既に僕は十分な努力をしているはずなのに。あと、自分が手を付けられる要素があるとしたら、それは一体何処なのか。
…
僕以外のチームメイトを『巻き込む』しかない。
自分が上手くなる為には、練習相手であるチームメイトも強くないといけないのです。普段の練習から強い相手と試合を交える事が出来たら、必然的に能力も向上します。
当たり前のことですが当時の自分には大発見でした。
そこからは自分の為に、周りを巻き込んで頑張ることにしてみました。
僕が練習中に考えていることは出来るだけ口に出して周りの人と共有し、今までは一人で黙々とやっていたことも、あえてチームメイトと勝負形式にし、仲間の改善点を見つけた時は、出し惜しみせず全部伝える。
こんな些細なことでしたが、僕にとってはとても新鮮な行動でした。
その結果、自分自身でも半信半疑でしたが、練習試合では上位選手に勝ったり、それは自分だけでなくチームとして仲間の成長も感じることが出来るようになってきました。
最終的に強豪私立高校に勝つことは出来ませんでしたが、確実に今までにない発展過程でした。
自分が勝つために必死で行動して"自分勝手”に周りを巻き込んだ結果、自分の為だけじゃなく、チームのみんなが成長できたのです。
『自分勝手な人ほど周りを巻き込むのがうまい』
僕は現在テニスのフィジカルコーチとして仕事をしています。その中で、
『コツコツと真面目にやっているけれど、ちょっとした努力のズレで結果には結びつかない選手』をたくさん見ています。そんな選手たちはもしかすると、指導者や保護者から見て、あまり注目してもらえることは少ないかもしれませんが、
やり方を一つ変えると、劇的にその成長の仕方は変わります。なぜなら、もともとその選手には努力をするという型が染み付いているからです。そこにエッセンスを加えて上げれば着実に伸びるでしょう。
一人の力だけでなにかを成し遂げることは難しい。
ビックマウスになる必要もないが、想いを口に出して想いに共感してもらい、周りに影響を与えること、協力者を増やすこと。それが重要だと思います。
あなたの成長を喜んでくれる人がいるのなら、その人をしっかり頼ればいいんです。
僕は一人のテニス指導者として、そういった選手たちに救いの手を指し伸ばせるようなコーチングを心がけたいと思います。
人を巻き込むこと。
人に頼ること。
『自分勝手』になること。
を、恐れないでください!
もちろん本当に自分のことしか考えてない『自分勝手』は許せません。
でも行動した先にみんなの幸せがある『自分勝手』なら
一緒に頑張りましょう。