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【無料】あと126日:ノンストップラボ

1月26日
 イラスト×落語を実装する田中光さんとの「ノンストップラボ」が無事に終わった。そう本当に無事に、終わった。

 昨年5月の1回目が手応え十分だった。「これは自分にしかできない」と強く思える内容だったし、ちゃんと面白いものができたし、落語だと出しづらい笑いの速さが出せて新しい文脈にリーチできる可能性を強く実感できたし、で、これは今後の落語家生活においてかなり大事なものになるだろう予感がした。

 そして今回は、前回のお試し版を経て現時点での理想的な完成形を提示しようと秋の終わり頃からあれこれ考え出していた。ところが実際にネタを考えようとすると、どうしても前回の幻影に付き纏われる。そりゃもう何年も考えてきたことを初めて形にしたのが前回だから、そこにはこのイラスト×落語の真髄が詰まりに詰まっていて、新しく今回ネタを作ろうとしても、どうしても前回のネタよりも薄くなってしまう。劣化コピーになってしまうというか。

 ずっと悩んでいて、最終的には前回とはガラッと方向性を変えて即興性を全面に押し出すことにした。その中でもきちんと会として成立させられるようにあれこれシミューレーションして「これだったらなんとななるかな」という構成を用意した。
 でも、どこまで行っても出たとこ勝負だからどうなるかは自分にも分からなくて。そんな状態で公演を迎えたから、それが無事に終わってよかったなぁと今思っている。

 田中さんがその場で描いてくださったイラストを見て、本当にその場で言葉を紡いでいく。もちろん思い通りにならないことだらけで、その都度、なんとか口から出まかせで会話のルートを作ってゴールへ突き進んでいく。次にやったらどうなるかわからないけど、それでもやっぱりこの即興でああだこうだ喋る作業は僕の特性と合っているのだろう。どこまで行っても不安はつきまとうけど、この特性を活かさない手はないと思っている。

 そして、即興に振り切った今回の公演を経て、いよいよ田中さんとの「イラスト×落語」イベントはもう可能性がパンパンに満ち溢れたと思っている。前回のようにしっかり作り込んだネタ群に、合間に少しの本気の即興ブロックを混ぜることでイベントとしてはとても面白いものになる予感しかしない。とにかくノンストップラボが無事に終わってよかった。

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