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【無料】あと151日:真打昇進イヤー
1月1日 あと151日:真打昇進イヤー
あけましておめでとうございます。
年が明けて2025年、いよいよ真打に昇進する年となりました。2022年3月頃だったか、ふと思い立って真打昇進に向けて動き出すことにしました。正直、コロナ禍の少し前くらいから「真打になりたいなら自分のタイミングで動いていいからね」と師匠から言われていました。
思えば二ツ目昇進の時も入門して10ヶ月の頃に「いつでも好きなタイミングで二ツ目になっていい」と伝えられました。「ありがとうございます!じゃあ来月から!!」と手放しに喜べるほど自分の現状を客観視できない男じゃないから、最低2年〜最長3年は前座として地力をつけなくちゃ、昇進したところで、大勢のライバルの中に埋もれてしまうだけだと考えていました。そのことを師匠に伝えたら「それでいい」とおっしゃって頂きました。結果としては家元が亡くなられ立川流が組織として揺れ動くタイミングと重なってしまい、想定外の1年半という早さで昇進することになりました。本当に急な決定だったから、昇進日の4月1日には羽織がまだ間に合いませんでした。仕方なく、師匠の羽織を借りて最初の仕事に向かったのを覚えています。
同じように真打のタイミングを師匠から委ねられた時に、「ありがとうございます!じゃあ来年から!!」と手放しで喜ぶことはしませんでした。入門9年くらいのスピードで真打になることはもちろん華々しいし、それによるメリットも色々想像できるけど、一方で別に真打になること自体が自分にとっての目標ではなく、自分の理想像を思い描いて、どうすればそこに辿り着き得るか、と考えた時に、「ちょっと早いタイミングでの真打昇進」はそんなにプラスにならないなと結論づけました。それよりは、現状自分の理想像に対しては全然足りていない地力をつけなくちゃ勝負にも参加できないと思い、あと数年は今以上のペースで自分を磨かなくてはと。
そんな中、コロナ禍に突入して思っていた未来から大きく迂回しつつ、それなりに頑張ってはいた数年を経て、2022年3月頃にそろそろ動くタイミングだろうと思って、となるとやがて通るべき『真打トライアル』という関門、そこへ向かう前からしっかり積み上げていった方がいいと始めたのが『立川吉笑真打計画』でした。
この道しか見ていないから果たして正解だったのか、もっと良い道があったのかはわからないけど、結果的にはその2022年秋にNHK新人落語大賞を受賞できたのはどう考えても大きかった。そこからまた一段落語家としての活動範囲が広がったのは紛れもない事実で。だって2020年頃に真打になっていたら、このルートは通れていなかなったわけで。
もちろん運や巡り合わせの要素が大きい出来事だから自力で制御できる類のものじゃないけど、結果的にこの2年は地力をつけることに大いにプラスに作用したし、それ以上に一時的にとは言え外部からの評価が想像以上に高まったと思っていて、そう考えるとずいぶん恵まれているなぁと思う。
自分の理想像を言語化するのが難しくて、フワッと「かっこいい真打になる」とコピーを作った。「俺たちはかっこよくない真打なのか?」と何人かの先輩から冗談めかしていじられたけど、正直皆さんがかっこいいかどうかは知らない。それは自分が決めることだと思っている。
自分の理想像になれているかどうか。なれていない場合、その理想像に辿り着くことを諦めずに戦えているか。やるべきことを人並み以上にやれているかどうか。それは当人にしか分かりえないことだと思っている。
2022年3月に思い描いたかっこいい真打に自分はなれるかな。それはまだ分からない。現状、まだ足りていないものが多い。でもとりあえずその理想像に辿り着くことを諦めずに戦えているとは思う。人並み以上にやれているかどうかは心もとないけど、まぁ相対的にはそれなりに頑張れている気がするくらいには落語のことに時間を費やせている自負はある。
そりゃ一生に一度の真打昇進イヤーなんだから、立川吉笑史上一番輝く一年にならないと嘘だと思う。そうなるための準備は十分にやってきたつもりだ。忘れられない1年にするので、今年も応援よろしくお願いします!
2025年1月26日18時開演
『吉笑田中ノンストップラボ』
よろしくお願いします!