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【無料】あと106日:案件仕事

2月15日
 昨日の投稿を書いた後、久しぶりに「ジカ熱問答」を見た。最初の「ジカ熱は何を媒介して感染する?」→「口コミ」は良かった。自分で考えた答えだからそりゃ好きな切り口だ。口コミで感染したら厄介だなぁ。2問目の予防法は自分としては「蚊の針にコンドームをつける」という答えが好きだったんだけど、それは使えないとなって、確か色々押し引きが会った末に、考える心が折れてダミーで用意されていた「座れない/吸われない」の謎かけのものを採用したのだった。自分で思いつくはずがない答えだもの。
 案件仕事ではありがちだけど、特にお堅い組織との仕事だったから1つ1つのチェックが当たり前に厳しくて、そこは言ってしまえば面白さを突き詰める論理を前提にしていないから、どうしてもぶつかってしまう。今より何者でもなかった当時は落語家という属性だけでキャスティングされていたから、求められる所作もTHE落語家としてのものが多かった。「だったら俺じゃなくて、他の芸人に頼めよ!」と根本からひっくり返せたら良かったのだけど、そこもやっぱり今より何者でもなかったからこそ、貴重な仕事の1つとして受注したい自分もいて、だったら求められているものに合わせなくちゃな、とか、これも仕事だしなとか思うことが多かった。

 たぶんここでも書いたけど、そのあとしばらくして企業案件と向き合う時のやり方を変えた。マーケロボ案件とかBリーグ案件とか。先方が落語属性を求めらているのは当然引き受けた上で、「自分だからこそできた」ものを提供しようと強く思うようになった。
 そういう意味ではジカ熱問答も、最初は典型的な大喜利を求められていたけど、それだと自分がやる意味がない&面白みが薄くなる、と思ったからクイズ形式と1つ枠組みを作ったのだった。一般的な若手落語家だったら、そのまま与えられた台本を演じるのだと思うけど、そこに自分なりに良さを追加してあの形になった。結果的には技術も説得力も今より乏しかったから、今の自分ならもう少し良い具合に出来上がるなぁとは思えた。

 そう考えたら去年の丸亀案件は「落語家属性」としてでなく「立川吉笑」としてオファーを頂けたし、それに恥ずかしくないパフォーマンスを提供することもできた。それが当たり前なんだけど、落語家をやっていると良い意味でも悪い意味でも落語家という属性によって仕事を頂けることがあるから、そんな当たり前の状況に身を置くことが難しかったりする。
 そもそも普段の高座とは違う、こういう仕事のオファーが来るだけでも恵まれているのだ。落語家だからってみんながみんなこういうオファーがくるわけではない。そのありがたさだけは忘れずにいたい。

 高円寺披露目、今日またお一人出演してくださる方が決まった。これで5人が決まったことになる。もう一人は打診中。まだまだ先は長い。


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