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【無料】あと233日:Y字路

10月11日
 昨日CDのジャケットが公開となった。高円寺を舞台とした作品だから純情商店街での写真がジャケットになるだろうと思って撮影日を迎えたけど、いざ撮影してみるとどんな場所よりも得体の知れないこの場所がジャケットにぴったりだと思い至った。ここがどこかはブックレット内に記したが、この場所が無ければ今の自分はなかったと確実に言える、そんな場所だ。好き放題に伸びた緑が集中線のように見えなくもない。数日後に再び訪れれたら植木屋さんの手が入ったのだろうか綺麗に緑は刈り込まれていて、写真のようなほとばしる印象は薄れてしまっていた。

 そうやっていくつもの今しかない偶然が折り重なって出来上がったCDだ。多くの方に手に取ってもらえたら嬉しいし、落語家を続ける限りこれからずっと名刺代わりになるのだと思う。無茶をしながら現在落語論を出版したのはもう10年ほど前。この作品で一気に活動の幅が広がった。近い中では少し遠い界隈からの揶揄は色々と耳に飛び込んで来てそりゃ嫌な気持ちになったけど、どう考えても刊行してよかった。

 11月に『落語立川流まつり2024』が開催される。僕は11月21日『二ツ目フェスティバル』の諸々を担当している。色々な条件がある中で最適だと思う形にした結果、この企画・この番組となった。思えばシアターマーキュリーは本当は今年の拠点にするつもりだった。2月に独演会を開催し、その後も昇進まで毎月ここで独演会をやる予定だったのが、急遽運営方法の変更によって継続しての利用が困難となり、意気込んだ始めた新しい拠点での会が1回だけで終わることになったのは前厄の仕業だと思っている。ただそこでのご縁があったから、今回11月21日の会場候補にシアターマーキュリーを思いつくことができた。ひとまずうまくいかなかったことも、そのあとの行動で意味を変えることを知っているのは「これからどうするかでこれまでが決まっていく。過去の意味が変わる」という歌詞が印象的な好きな曲のおかげだ。「僕たちはまだ途中だ」という好きな人の言葉と組み合わせたら、すべての生が即座に肯定される。

 Aマッソの加納さんが自身のYouTubeで唐突なボケのように、僕の真打昇進のことを差し込んでくれていた。面白い人はみんな優しい。


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