【無料】あと236日:ノウハウ
10月8日
らく兵兄さんの真打昇進落語会へ勉強に伺う。新真打を全員で盛り立てようとする披露目の空気が好きだ。圧倒的ハレの日感でこちらも幸せな気持ちになる。と同時にさすがに今は自分の披露目のことが頭によぎり舞台周りのセッティングのことだったり、楽屋周りのケータリングのことだったり、具体的な運営面についてのノウハウを吸収しようとあれこれ凝視してしまう。今日頭の中に刻んだことは、例えば「開演が少し早い平日夜の披露目の場合、開口一番の高座に間に合わなかったお客様をひとまずロビーでお待ち頂くことになる。開口一番終わりで席に向かってもらうとき、時間を確保するために前座さんは高座返しをしたあと場内が落ち着くまでめくりを返さずに待機することになる。となると、出囃子が生演奏でなくCDだった場合、一曲分かけきってしまうことがある。そのとき、事前に場内が落ち着くまで待機する可能性があるので曲が終わったらすぐに頭からかけ直してください、と事前に音響さんに伝えておかないと、しばらく無音の時間が続き、会として見映えが悪くなってしまいそう」みたいな細かいところまでメモしておいた。「楽屋周りにペットボトルを捨てられるゴミ袋を用意しておこう」とか、めでたい場にいながら目ざとくあれこれを探ってはこっそり頭に刻み込んでいく己の性格に、自分でも今日くらいはただただ幸せな空間に浸れよ、と思わなくもない。
兄さんの火焔太鼓を聴きながら、自分の一番最初の披露目ではどんな落語をやるべきだろうか、などとも考えた。得意ネタをガツンとやるのが現実的な選択だけど、そこでも皆さんをあっと驚かせられるようなモノをやるのも自分らしいかなと思ったり。