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【無料】あと174日(たぶん):読む落語

9月1日
 ずっと探していた以前資生堂の花椿という雑誌の付録でついていた落語入門というミニ冊子が見つかった。当時は短尺の縦型落語動画について没頭していた時期で「アチチチュード」と名付けたそれは公開まであと一歩というところまで準備が進んでいた。ネタも100本近く作っていた。結果、何が決定的な要因だったか覚えていないけど、途中で制作は止まってしまって未だに実装できていない。(書きながら「あちちチュード」など平仮名表記が入った方が良いかもと思った。)
 初心者向けに読む落語を寄稿して欲しいと依頼を受けた僕は、普通に落語台本をそのまま載せても、そもそも自分が落語の速記本を楽しく読んだ記憶がなくて、どうしたらいいかなと悩んだ。速記本は資料として読むもので娯楽として読むものと思えないというか。
 読む落語のバージョンアップは未だに頭の片隅にある問題の種なんだけど、その時の僕は読み物として楽しめる落語のあり方として、ギミックをこれでもかと詰め込む方法を思いついた。小噺集のようにたくさんのネタの断片を密度高く詰め込む。
 久しぶりに見つかったそれは、自分がやりたいことを徹底したから当然だけど、とても自分好みで面白かった。落語家になる前の自分がもしこれを読んだら嫉妬したと思う。そういうモノをこれからも徹底して作っていきたい。

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