【無料】あと187日:井戸の茶碗
11月26日
『井戸の茶碗』をしばらくぶりに演っている。まだまだ細部に手が回っていなくて、とにかく全体の流れを一生懸命追っているのに終始している塩梅だ。細部まで徹底的に突き詰めてある勝負ネタに比べて錬磨度が乏しいのは明白だ。
だけど、明らかにお客様の満足度というか楽しんで下さっている様がそんな磨き抜いた勝負ネタに負けてないどころか、『井戸の茶碗』の方が優っているんじゃないかと思う節が多々ある。これが古典の強さかもしれない。もしくは自分の創作には足りてない要素があるのかもしれない。
地力が乏しい状況の中、なんとか必死で居場所を作ろうと自分色を全面的に押し出した活動をずっとしてきた。そのおかげで今がある。その上で、そろそろ次のステップに進んでいいのかもしれない、と思えるくらい立川吉笑の存在感を落語界の中で少しは刻めているのかもと思っている。