毎日マクラ「く」☆鎖鎌☆
※以下は落語の冒頭でお話するマクラです。講演等でなく、話芸のような何かの形式だと思ってください。
えー、突然ですけど、武器の中で、武器の中でですよ、皆さんが一度でも疑問に思ったりしてる得物といったら、鎖鎌なんじゃないかと思うんです。
ちょっと唐突すぎましたねよ。すみません。
やっぱり武器といったら、長物とかね、まあ剣ですよね。至近距離で相手を仕留めたい。一対一のやり合いになったときに直接にやっちゃおうと思うのが第一ですよね。
ここに武器の基本がありますよ。
でもですよ、現代になると、やっぱりちょっと離れてても攻撃したいじゃないですか。何かで観た、坂本龍馬が刀を持ってる相手に対して懐からピストルを出すような感じで(笑)ド腐れ卑怯者の汚名を浴びながら。
実は、この欲望をきちんと叶えてくれるのが、鎖鎌なんですよ。
これはもともと農具から出てきました。農民の武器なんですね、鎌っていうのは。
鎌の柄のお尻のところに鎖がつながていて、鎖の先には分銅がついてるんです。
これ、どうやって使うのかわからないと思うんですけど、まず分銅側でブンブンさせて相手を絡めとって、で近づいて鎌で攻撃するらしいんです。
完全にズルいですよね(笑)
それは置いときますけど、世が世だったので。
僕が気になるのは、この鎖鎌の持ち運び方なんですよ。
鎌の持ち運び方をしたんじゃ、鎖のところが邪魔になりますよね。
じゃあ単純に考えて、鎖を鎌の柄に巻いてみればいいんですけど、これだと緊急時に鎖を即ブンブンできないじゃないですか。
で、悩みぬいてたどり着いたのが、鎖を腰に巻きつけちゃうっていう方法なんですけど。
どうですかね。そのまま巻くと、腿のところが鎌が当たって切れるんですけど、うまくやってもらって。
そうなると気になるのは、この鎖の長さですよね。
どのくらいの長さが適切なのか、使う人の身によって力学とか物理学的な答えがありそうですけど、傾向は出ると思います。
江戸っ子はあんまり長いのは好きじゃないと思うんです。サッパリしたのがね。
あと、女子高生も短めを好むと思うんですよ。長いと野暮ったいと最近の子らは思いますよね。
中田ヒデが帰国して空港にいるときは、めっちゃ長い鎖で見せてくると思いますね。もう鎌のとこはブラブラしまくりですよ。
中尾彬の場合は、ネジネジしてます。志乃がやったんでしょう(笑)