毎日マクラ「し」☆シェリー☆
※以下は落語の冒頭でお話するマクラです。本来なら文字にならない発言集を文字にしたものです。
尾崎豊って、26で死んじゃったんですよ。生きてたら今年で55歳なので、赤いチャンチャンコを着たグラビアが公開されるまでまだ5年もあるわけですけど。
『卒業』を10代のリアルタイムで聴いた人とかは、なんかツイてますね。あの時代の少年というものを僕は知らないのですが、お陰で絶対にバイクは盗まないようになりました。バイクを売るならバイク王だとは決めましたけど。
学校や大人たちへの不満だとか、10代の頃って持ちがちですけど、それをいい声で高らかに歌いあげちゃって。行儀よく真面目なんて出来なかったのに、音程はちゃんと取っちゃったりして。
『シェリー』がいいですね。シェリー、俺は転がり続けて…って、森光子じゃないんだから(笑)
このタイトル、外国人女性の名前だと思うんですが、いいですよね。具体的な女の名前は。『少女A』とかじゃなくて(笑)
日本人の女の名前だと、橋幸夫の『江梨子』とか、ニック・ニューサーの『サチコ』とか、この二曲しか知らないんですけど、やたら呼びかけるじゃないですか。これがちょっと怖い!
歌謡曲のメロディで「サァーチコォォ…」、サチコ隠れちゃいますよ。
中島みゆきの『悪女』なんて、「マリコの部屋へ…」。マリコ狙い撃ちですよ。マリコの部屋、大変です。徹子のとこみたいに平和じゃない。
実際、同じ名前の方がいるかもしれないので、そうならないように落語だとありそうな名前を避けるんですよね。
八五郎とか熊五郎も、脳天熊にガラッ八なんていって。
今は外国の人も増えましたからわかりませんが、やっぱり「シェリー!」は呼びかけたいですよ。
今だったら尾崎もiPhoneに呼びかけるときは「ヘイ、シェリー!」ってなると思うんですよね。もし尾崎がいれば。「いつになれば俺は這い上がれるだろう?」って、わかりませんがそんなことは(笑)頑張ってくださいとしか…。
尾崎はここで、愛すべきものすべてに対して歌うことになるんですが、ね、「シェリー、俺は歌う 愛すべきものすべてに」って。
もうこうなっちゃうと、シェリーっていったい誰だったのかわからないんですよね。私はたぶん、九官鳥か、さもなければ壷とか骨董の名前だと思いますね(笑)