毎日マクラ「す」☆スライディング☆
※以下は落語の冒頭でお話するマクラです。毎度申し上げますが、文字にしたものを読むより音声で聴いたほうが絶対に面白くなるようにできています。
スライディングについて本気で考えることって、なかなか無いと思います。やっぱりプロ野球選手とかにならないと難しいですよね。なかんずく、野村監督とかにならないと…などと思ってしまいます。まあ今「なかんずく」という言葉を初めて使ったんですが。
ビックリしますよね、「なかんずく」も。まさかノムさんとセットで使われるとは。私もID落語の使い手として頑張りたいですけど。
で、スライディングについて考えているんですが、まず私、スライディングが最も使用されるであろうスポーツ“野球”に関して、ルールを知らないんですよね。
僕は義務教育を終えてます。もうね、国民の権利を唯一発動させてるのがここだけなんですけど、ちゃんと小中学校に通いまして、お陰で四則混合計算ができるようになったんですけど、野球のルールは教わったことってないんですよね。
でも不思議なことに、みんな野球ができたんですよ(笑)
なんでなんでしょうね。体育でたまに野球をやるんですよね。なんとなく皆ルールを知ってる感じでガンガンやってるんですけど、僕はまったく知らないんですよ。
野球というより、野球のルールをサッカーボールみたいなのでやるフットベースが多かったかな。これならバットもいらないですし、安全です。
あの、野球って、ボールを打てばそれがポイントになるスポーツだって思ってたんですけど、違うんですね。
ファールとかあるんですよ! ボールが外とかにいくと。普通の思考だったら、それが場外ホームランなのかなって思うじゃないですか。でも、ダメみたいなんですよね。ちょっと良くわからないスポーツです。
あと、塁をまわるでしょう。もう“ルイ”ってのがなんだかわからない。一塁二塁って、ルイ一世にルイ二世みたいな、世界史ですよ。ムガル帝国が攻め込んできますよ、イルカに乗って。
そこでね、スライディングという技術が出てくるでしょう。これは私ね、目的地にたどり着くための最後の一手だと思ってました。ソースはみのもんたの珍プレー好プレーです。
これ、よくわからないでんすけど。一回だけ学校の運動会の、徒競走でやったことがあります。
小四くらいでしたかね。僕もともと運動神経が抜かれて生まれてきたので、足遅いんです。五人くらいで走るんですけど、僕その五十メートル走で四位とかだったんですね。で五位の子とデッドヒートを繰り広げてたんです。それで、何を思ったか僕、ゴール直前にスライディングしたんですよ、ゴールラインに向かって。
私の気持ちとしては、このスライディングで一気に勝つつもりだったんです。スピードが上がると信じてたので(笑)
ところが、スライディングをしたせいでビリになったんですよ!!
普通に走り抜けたほうが速いんですね。
おまけに、腿の裏のところに擦り傷ができて、ズボンも傷みましたね。
傷みましたね。