全社で「働くとは?」を考える。会社で哲学カフェをやってみた
みなさんこんにちは。
TATEITO広報の長谷川です。
自己紹介にも書いている通り、私はTATEITOで広報として働きつつも、友人と共に田畑を耕したり、料理やワインの仕事もしていたりと、TATEITOが大切にしている「なりたい自分に、なる」を体現した働き方をさせてもらっています。
そんな私の活動の中で、比較的新しいものの1つがほぼ毎月開催している
「哲学カフェ」。
簡単に説明すると、考えてもすぐに答えが出ない、正解のない普遍的なテーマについて、その日集まった人たちで話すという時間です。
長めですが、詳細はこちらの総務省のまとめがとてもわかりやすいです。
テーマの例で言えば、過去にやった哲学カフェで扱ったものだと、
などなど、非常に広範囲にわたります。
日頃主催しているものは、一般向けの場合も、高校生を相手にする場合も(高校生から要望があって何度か開催しています)、いつもテーマはその日に集まった人から出てきたもので実施しています。
CEOの平野と石川と私の3人で行う広報ミーティングの際にそのことが話題になり、「TATEITOでもやってみたら?」と、いつものTATEITOらしく話がトントン拍子に進んだので、昨年一度やってみました。
今日はその時のことを少しお話ししてみたいと思います。
「誰よりも自由に、豊かに働く」社会に向けた第一歩
広報ミーティングで「哲学カフェをやってみよう!」という話になった経緯は、TATEITOが目指す社会の状況として、誰もが「誰よりも自由に働く」「豊かに働く」という状態を実現している世界が浮かび上がったからです。
とすると、会社としてのTATEITO、そしてそこに属するメンバー各自が、目指す社会を実現するために、どんな貢献ができるのかを常日頃から意識して業務にあたる必要があります。
そのために「働くとは?」を、考える場を持ってみようということになったのです。
とはいえ、形式は哲学カフェです。
具体的な方法を探すのは目的ではありません。
むしろ「誰よりも自由に働くとはどういうことなのか?」「豊かに働くとは?」という、本質について考えることが重要になってきます。
そもそも、メンバー各位が「働く」ということに対して、何を考えているか、どんな想いがあるかを改めて聞くことなどなかなかありません。そこでテーマは細かく絞り込まずに「働くとは?」に設定した訳です。
事前準備はこんな感じ
TATEITOは出社自由で、基本リモートワークの人が大半なので、私としては初めての試みでしたが哲学カフェもオンラインで実施しました。
対面での哲学カフェもそうですが、人数が増えてくると当然一人一人の発言の機会が減ってしまいます。また、一部の決まった人ばかりが話すことにもなりがちです。
オンラインだと対面の時以上に、発言のタイミングなどが難しくなるので、人数は1つのチームにつき、私を入れても最大5名とし、全員が意見を出しやすい設定にしました。
チーム分けはあえて、日頃接点のない人、といった意図は一切入れず、ランダムに番号を振って分けるというやり方にしました。(結果として、割といい感じにバラけました)
そしてそれぞれのメンバーのカレンダーを見ながら、候補日程をいくつか挙げ、呼びかけをして、日時を決定。
あとはごく簡単なルール説明とテーマを書いたスライドを2枚作ったら準備完了です。
ご参考までに、私が主催している哲学カフェのルールは、ごくシンプルでこんな感じ。
・テーマについて話を深めていくのが目的です
(大人は特に、連想からついつい話が広がりがちですが、脱線や違う話にいかないようにする)
・他者の意見を否定しない
(意見が違うのは当たり前のこと。自分はこういう風に考えている、というのはウエルカムですが、他の意見を否定しない)
・誰かが話しているときは最後まで聞く
(日頃の対話でも大切なことですが、被せたり、割って入ったりしない)
・できるだけ全員が同じくらい発言できるのが理想的
(話すのが好きな人、聞くのが好きな人双方いますが、できれば全員が同じくらい話す機会があるのがベスト)
いざ、スタート
1チームめはメンバーの予定の関係から、お知らせして数日後の実施でした。偶然にもTATEITO歴が長い人、浅い人、そしてインターンが2名、職種も適度にバラけているというメンバー構成でした。
社会人歴がそれなりに長い人の「働く」の捉え方と、これから本格的に働いていくことになる人の「働く」に違いはあるのでしょうか?そんな興味を持ちながら最初のチームのスタートを迎えました。
第1チームを終えた後の第一印象は、
「とにかくやってよかった!!!!!」
につきます。
参加者にとっては、日頃ふわっと抱いている想いや考えをきちんと言語化できたこと、そして同じ「働く」という事柄について他者がどう考えているかを知って、また自分自身も再考するという機会を得られたことがとても印象に残ったよう。
私はファシリテーターとして、全てのチームの対話に参加したのですが、ほとんど全ての人が真剣に参加して考えていて、誰かの意見にインスパイアされて、また頭や心にあることが表面化してくる場面を何度も目にしました。
表情や声色に「!」という感じが現れるんですよね。
ポツポツと言葉を探しながらじっくりと語っていく人の姿もまた良いものでした。
TATEITOメンバーの「働くとは?」
本当にたくさんの貴重な考えが出てきたのですが、それぞれのチームからいくつかピックアップして紹介してみます。
「働くとは?」というテーマでスタートした対話も、見事に各チーム全く違う展開を見せました。
上記で紹介した「働くは苦ではない」という話が出たチームがある一方で、「働く=生活のためにやりたくないけどやらないといけないこと」という意見が出たチームもありました。
それに対して、
「働くや仕事の楽しいは、happyよりもinterestingだよね」とか、
「働く=稼がなきゃ、みたいな言葉の持つイメージにとらわれてるんじゃない?」
という意見が出たりして、それぞれが「働く」という言葉に何が紐づいているのかを深掘りしていく姿があったり。
インターンの中には「働く=自由が制限される、やりたいことができない」というイメージを持っていたけれど、TATEITOに入ってみて印象が変わったと話していた人もいました。
まとめ
「哲学カフェ?何それ?」と否定的になっても不思議でない会にもかかわらず、蓋を開けてみれば見事に全メンバーが参加、誰もが真剣に考えて、真摯に意見を出してくれたとてもいい時間となりました。
日頃開催している哲学カフェでは、当日まで誰が参加するかもわからず、基本的に参加者の年齢も住んでいる場所も、仕事もバラバラです。
今回、同じ職場に属する人たち(=何がしかの利害関係がある関係性)で実施することに、いつもの哲学カフェとは違う緊張感をもって挑んだわけですが、始まったらそんな懸念は早々に吹き飛び、みんなの想いにひたすら耳を傾け、表情に目を惹きつけられていました。
生きていたら、何らかの形で関わることになる「働く」という行為。
改めて言葉にし、同僚や先輩、後輩たちの声を聞くことで、メンバー全員が仕事に向かう際に少し違った気持ちになったかもしれません。
TATEITOの目指す社会はどうすれば実現できるのか、模索するための1つの試みでしたが、また違う問いを立てて、メンバーと考えていきたいと思っています。
みなさんにとって、「働くとは?」
もしよかったらぜひコメントでお聞かせください。