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パック酒は、決して安酒ではありませんし、驚きの逸品も出ています。本日の紹介酒は菊正宗さんのギンパックです。

パック酒と言われると、皆様どのようにお考えでしょうか?大半の方がどこでも買える酔っぱらうための安酒程度に考えてられると思います。でも、実際はどうでしょうか?


大半の日本酒ファンにとって、パック酒と言えばコマーシャルで非常にインパクトの強い白鶴まるのイメージになるとは思いますけど、実際に白鶴のまるを飲んでみると非常に汎用性が高く、料理と合わさって食事の美味しさを普通に出せる味わいになっています。前回の明治維新直後の話で、白鶴さんのまる純米酒をご紹介いたしましたが、やはり大手メーカーさんの技術力の高さって、本当に高いし、酒造りに一番大切な、人、モノ、金、信用って全てが揃っています。


こちらは月桂冠さんの大倉記念館さんの酒蔵見学の見学の模様を撮影したyoutubeの画像ですけど、ここに行っていつも私が感じるのは、酒造りに必要なものが全て揃っているなって感じますし、日本酒が現在の形になる以前の明治の後半には、今の東京北区の滝野川の醸造試験所の出来るよりも先に、月桂冠さんは醸造試験所を蔵の中に設置していますし、大正時代には既に美人画を使用したポスターや電車でお酒を飲むための小瓶まで発売していました。(下の写真は月桂冠さんの電車用小瓶・月桂冠さんHPより引用)

月桂冠 電車用小瓶



こちらの西南戦争が行われた明治10年(1877年)には菊正宗さんが初めてイギリスへ日本酒の輸出を行っております。戦前の日本酒の輸出に関しては明治時代後期から昭和初期の日中戦争がはじまる前に掛けて、日本は世界でも指折りの先進工業国に発展しており、海外の駐在員さん向けを中心に盛んに日本酒の輸出が行われていたりもしました。

話は少しそれましたが、パック酒主に造っている大手メーカーさんというのは、明治の早い段階から、お酒の技術革新はもちろん、販売に関しても現代とあまり変わらないような手法での販売を行ってきていますし、お酒造りの現在の技術力に関しても、古くからの積み重ねが現代にまでつながった結果だと思います。(下の画像は菊正宗とマグロのお造りの画像・菊正宗様HPより引用)

菊正宗と刺身

本日紹介するギンパックに関しては、国際的な酒のコンクールのIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門に置いてW受賞を果たすなど、パック酒では有り得ない位、数多くのお酒のコンクールに置いて受賞を果たしています。

今回は、主に菊正宗さんのギンパックの紹介となりましたが、大吟醸酒や本醸造酒、純米酒等の特定名称酒や糖質ゼロの機能性パック酒も近年発売されています。私も、パック酒の進化に関して知らない部分も多々ありましたが、パックの紙質も中身の酒質も本当に近年は進化しています。

日本酒テイスティングデータ
銘柄 菊正宗 しぼりたてギンパック 生貯蔵酒 (兵庫県 灘)

主体となる香り 原料香主体 新鮮な果実香と淡いハーブ香有

感じた香りの具体例

炊いた白米、サワークリーム、マシュマロ、和梨、青りんご、マスカット、白桃、白ユリ、水飴、スウィーティー、スダチ、ミネラル、スペアミント、若草、瓜、カシューナッツ

甘辛度 やや辛口

具体的に感じた味わい

 シャープでスッキリした飲み口、ふくらみがあり滑らかな旨味が主体、後味はスッキリ爽やか、白桃、スダチ、スペアミントを思わせる含み香
このお酒の特徴 シャープでスッキリ、なめらかな味わいの薫酒

4タイプ分類 薫酒

飲用したい温度 12℃前後、45℃前後

温度設定のポイント 12℃前後にて、シャープでスッキリした飲み口と新鮮な果実香を引き出す
45℃前後にて、ふくよかで滑らかキレの良い味わいを引き出す
この日本酒に合わせてみたい食べ物 剣先イカの造り、甘鯛の塩焼き、アジの干物、紋甲イカの天ぷら、アナゴの天ぷら、鶏の炭火焼き、糸よりのグリル、舌ヒラメのムニエル、フルーツポンチ等

お問い合わせは 酒蔵 https://www.kikumasamune.co.jp/
Quoraテイスティングブック https://jp.quora.com/q/vqteahszdbwtotmx

※日本酒4タイプ分類に関しては、SSI(日本酒サービス研究会)の分類方法を引用し、参考としています。
※写真は製造元酒蔵様のHPより引用しています。

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