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江戸の市場経済―歴史制度分析からみた株仲間(岡崎 哲二著)

現代よりも理にかなっていた江戸幕府の市場経済の運営


江戸の市場経済の本を大阪からの帰りに読んでいましたけど、改めて江戸幕府の経済運営って、現代社会よりも理に叶った事をやっていたんだなって感じました。マーケティング的な視点から見てみて、江戸と大坂って言う現代に置いても全く文化の違う二大消費地を中心に各藩の自治と藩庁所在地という地方の経済の中心都市を中心に、田沼意次公が老中筆頭をされる頃にはある程度完成された経済体制が出来上がっていたが故に、現代日本が経済的にも技術的にも大国である基礎が出来ていたんだなって感じます。

世界一老舗の多い日本の酒関係企業


酒の分野について、世界一老舗が多い業種が日本の酒類関係の製造や卸、商社、小売関係で改めて技術論以前に、日本的な資本主義経済の在り方が日本酒の江戸後期から明治、大正期における急速な日本酒の技術的な発展のバックボーンになったんだなって感じました。やはり日本酒にせよ、ワインにせよ、先進国で無ければ技術的な発展があり得ない理由を考えるとマーケットと一定の可処分所得が無ければあり得ないって感じます。

日本には何故老舗が多いのか


私なりに纏めてみた

1つ目が、日本人の識字率と商業的算術能力の高さ

2つ目が、江戸幕府による260年の泰平の世の中の実現

3つ目が、日本は江戸後期には既に事実上世界第2位の経済大国であった事

4つ目が、世界に先駆けて、江戸幕府が管理通貨制度の導入と管理が行われていた事

5つ目が各藩に自治権が認められていた事。

6つ目が歴代の将軍に関して、初代、五代、八代が経済に非常に明るかった事。

勿論、他にも色々な要因はあるとは思いますし、株仲間と呼ばれる同業者の協同組合が結成され(当初は同業の卸問屋による協業組合であった)価格や場所において無用な競争を避けた事も大きいとは思います。

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