「スズキはめでたし、山芋は? 縄文からだよ、日本人」~霜月の旬エッセイ(2014年11月)
●鱸(スズキ)といえば、成長する過程でその名を変える出世魚・・・。 👀
産まれたての時の名前は、「コッパ」。
20~30cmくらいの大きさの時には「セイゴ」と呼ばれ、30~50㎝辺りまで育つと「フッコ」。
そして3~4年を越えると60センチを超える大きさになるそうで、ようやく「スズキ」と呼ばれるようになるんですって。 😅💦
・・・ところがこれも、地方によっては(!)
上記以外にもそれぞれ 「土地での呼び名」があるんだそうで・・・そんな処をみると、各土地々々の日本人にはとても愛され、馴染まれ♡
どちらかというと東日本よりも、西日本の方で人気がある魚のようです。 👀
●スズキさんと日本人の歴史は、なかなかに古く(!)
縄文時代の貝塚からも、その骨が見つかっているのだとか★
・・・現代の釣り人曰く、大食らい(!)の癖には活餌しか食べないし。
ルアーで釣るとなると、単調な動きでは掛かってくれないしで、大変気難しい魚なんだそうですが・・・。
縄文の野生な日本人にとっては、わりにチャッチャカとよく釣れる魚(!)だったんでしょうか。 ( ̄_ ̄ i)
スズキは刺身にはもちろん、洗いにしても良し♡
煮ても焼いても、蒸しても良い魚で、フライでもイケル魚なんだとか。 👀
ところが実は、関東モノの・・・私こと山野亜紀にとってはスズキさん、あんまり馴染みのないお魚なんで、今回は・・・ドキドキ★
スズキは成長すれば、1メートルを超える魚体(!)のせいか、なかなか・・・スーパーで丸ごと一匹(!)
お目にかかる事なんて私はないのですが、背は青黒で全体が銀白色。
そして、形はあくまでもスマートな流線形♡
精悍な顔つきかつ、第一背鱗の棘がピンと張るお姿は、鯛に継ぐ美魚なんだそう。 (〃∇〃)
古事記では、大国主命が出雲の国で宴を催した時にその宴卓を飾っていたり。
はたまた室町の頃には、「日野富子に献上されたお魚」と資料にありますから、昔から日本ではお目出度い高級魚とされているようですね、へ~え。👀
●万葉集に山家集・・・などなど、様々な人々の歌にも詠まれているスズキさんですが、日本では北から南まで幅広い範囲で生息。
河口付近で産卵、その卵は分離浮性で海面をふわふわと漂い、水温が14~15度になると孵化するんだそう。 👀
・・・稚魚は、アミなど食べて育ちますが、春になると川を遡ったりするので、そのメニューもだんだんと変っていきます。
14センチを超えた辺りからぼつぼつ、その肉食性を発揮(!)
エビや小魚なんかもお召し上がりになるようになり、更に大きくなると、今度は大きめの魚やエビを狙うんだそうです。 (゜-゜)
●そんな・・・スズキさんですが、お目出度い魚とされる伝説の一つに、平清盛さんが一役買っているようです。
なんでも、清盛さんがまだ安芸守であった頃、伊勢の国の津(現在の三重県・津市の辺り)から船で、熊野詣に出掛けた折、航路中に大きなスズキが、なんと(!)
船の中へ自ら、投身してきたんだそう。 (^▽^;)
・・・成長したスズキさんというのは荒磯好みで、水面に大きく撥ねあがる事があるそうですから(!)
まぁ、昔の船の大きさもあるでしょうし、勢い付いた一匹がついつい、清盛さんの乗るお船に飛び込んだという事なんでしょう。 👀
清盛さんは、これを大きな吉兆(!)と喜んで、こんな事を申します。
「昔、周(中国)の武王の船にスズキが飛び込んだ処、武王はその後より戦を勝ち進み、天下を取ったと聞いている」
・・・これも熊野権現のご利益(!)
早速に調理して食べようと、自ら整えて家族にも饗したそうで・・・その後は清盛さんにはトントンと吉事が続いてとうとう、太政大臣にまでも上り詰めた(!)のだとか★
これは「平家物語の一説」にもなっているそうで、なんと霊験あらたかなお話なんでしょうか。 (^▽^;)
●ところで、疲れている時や食欲不振だったり、身体がだるい時なんかには、スズキこそ効果のある食材なんだそう。
漢方では、なんと(!)
胃腸の働きを整えるばかりでなく、利尿作用や安胎作用もあるので、妊娠中毒症や流産の予防に食べられている事もあるのだとか★
スズキには鉄やリン、カリウムなどのミネラルはもちろんのこと、ビタミンAやB1、Dなどを含んでいます。
リンは歯や骨を作りますし、ビタミンB1は疲労回復やむくみ防止に、そしてAは粘膜の生成を助け、眼の乾燥や風邪予防に一役買います。
DHAやEPAも含んでいるので、脳の発育や血栓の予防にもなる食材なんだそうです。 ∑ヾ( ̄0 ̄;ノ
●さて、今回の旬食材では「長芋」で撮影していますが・・・今回の旬エッセイでは、「山の芋」と一括りにしてご紹介してみたいと思います♡
スーパーで良く見る「山の芋」というのは、長芋かイチョウ芋の辺りかと思いますが、日本では大きく3種類に分かれるんだそう。 👀
まずは、「ジネンジョ(自然薯)」。
・・・私こと山野亜紀も、何度か父の田舎から戴いた事があるんですが、これこそが日本原産の山の芋(!)なんだとか。
山の芋はどれも蔓性の多年草だそうですが、ジネンジョは木の根のようにウネウネとしていて細く長く、まず皮をむくのに一苦労です。 ( ̄_ ̄ i)
アクは強いし、粘り気なんかは、超・強力(!)
・・・これが野生の力なのかと舌を巻くばかりなんですが、卵や出汁、そして明治産まれの祖母は、そこに牛乳なんかも加えて伸ばしていました。 😅💦
ご家庭で手にかけるとなると、お蕎麦屋さんで食べるトロロくらいの粘り気になるまでには、相当の努力が要るんですね。 (゚_゚i)
ジネンジョが計量カップ1杯程度なら、伸ばして出来上がった量は4~5倍くらいには増えているでしょうか。 😅💦
・・・それほどの粘り気なので、擦るにも力が要る(!)し、実に大変なんですが★
食べるとホントに、美味しいですよねぇ~・・・。 (^o^;)
●さて2つ目は、「ダイジョ」と呼ばれている山芋です。
これは東南アジアが原産で、熱帯や亜熱帯に生息してますが、沖縄や南九州でも栽培をされているそうです。
さて3つ目が「ヤマノイモ」と呼ばれているモノで、これは中国が原産。
ナガイモ、イチョウイモ、ヤマトイモですね。 👀
中でもナガイモが、一番出回っているんだそうですよ♡
・・・関東ではイチョウイモの事を別名「大和芋」と呼んだりしていますが、本物のヤマトイモは別名「ツクネイモ」と呼ばれているモノで(!)
近畿や中国地方で栽培されている水分の少ない、粘りの強いまた別の種類の山芋なんだそうです、へ~え。 (゜-゜)
●さて天然の山の芋を手に入れるには、本来なら山に行って掘るべきモノ。
・・・ところがジネンジョはヘタをすると、1メートルは超えてしまうくらいな長さにお育ちに★ (^o^;)
山芋掘りに使うのは、掘り棒とか、芋掘り鍬と呼ばれる大人の背丈ほどの鉄の棒なんだそうですが、自然薯は野生の芋なので、人の思惑通りに成長するハズもなく・・・。 (>_<)
これがまた横にうねったり、思い立ってまた下に進んだり・・・などなど(!)
これを一本、キレイに掘り出そうと思ったら、とてつもなく大変根気の要る大・作業になる訳ですね。 ( ̄ー ̄;
漫画「美味しんぼ」でも、「不良だった青年が、見事立ち直った証」として自然薯掘りをやっていましたが★
・・・掘るのもさる事ながら、掘った後の穴を埋める作業というのも、これまた大変(!)
そんな事から、今では「山芋掘り禁止」のお触れが出る場所も多いんだとか★ (>_<)
●・・・ところで昨今、スーパーに並んでいるのは、栽培種の山の芋たちなんだそう。
イモ類の中でも、生食できるのはこの「山の芋」だけなんだそうで、擦りおろしたり、千切りにして酢の物にしたり、サラダにしたり、「和心きらりレシピ」なら漬け物にしたりと、大活躍(!)
豊富に含む消化酵素が、新陳代謝もアップ(!)
・・・ところがこの消化酵素、加熱すると効果がなくなってしまう(!)ので、とろろ汁を作る場合などには、要・注意(!)
出汁などを入れて伸ばす時は、それは冷ましてからの方が良いそうです♡
この 「でんぷん分解酵素のアミラーゼ」と「酸化還元酵素カタラーゼ」さんは、先ほどの新陳代謝の他に健胃で疲労回復、滋養強壮にも一役買います。
そして、あの特有のヌルヌルのぬめりには、ムチンが含まれています♡
粘膜を保護するパワーを秘めてますし、コリンが新陳代謝、サポニンがコレステロールを取り除いての血液酸化防止に。
腎臓の機能を高め、高血圧にはもちろん、食物繊維も豊富なので、便秘解消にも効果があります。
この方達に助けていただき、来るべき寒い冬に備えましょう~。 (^-^)
(2014.11.1 文責・山野亜紀)
〇2014年11月のお膳
※「和心きらり(http://wagokoro-kirari.tokyo/)」より転載
・・・700以上のレシピ・旬エッセイ・ブログを現在、移築中。😅