山野亜紀の紹介☆(女性の殺陣師として)
●よく、どうして殺陣師になったのかって、聞かれます。
私の場合は、師匠の林邦史朗先生の事情である時、殺陣の代理講師を頼まれたのが切っ掛けです。👀
・・・殺陣の稽古を始めて、4~5年ほど経った頃のことです。
講師を始めたのは1999年夏頃でしたけど、まだ女性の殺陣講師というのは、代理講師ですらいなかったと思います。
林先生が「前立腺がん」に罹ってしまい、
またその年、テレビの画面の規格が変わる年(衛星放送開始の頃)でしたから、先生的にはとても忙しく、
どうしてもすぐに入院・手術ができずにいました。
NHK大河ドラマ「葵~徳川三代」のロケ現場に掛かり切りでしたし、
男性も撮影現場に多く駆り出されていたので、指導にまで人材が回っていなかったんですね。💦
林邦史朗という先生は、人情に厚く、
自分のレッスンを受けた者には、なんとかチャンスをあげようという方でした。
実際に、撮影現場で取り立てられた俳優は、数えきれないほどにいたと思います。 👀
●苦肉の策で、私が殺陣の代理講師となりました。
林先生の代わりに、タレント養成所やプロダクションに足を運びましたが、
正式に林先生の代理講師になれたのは、翌年になってから。
・・・やっぱり、男性の先輩が私の上には多くいましたから、
とはいえ、先輩方は「指導する仕事」と「撮影」を天秤にかければ、
・・・やっぱり、撮影の仕事を取りますですよね。 😅💦
撮影現場って、女性よりも男性の需要の方が多いんです。
・・・だって、殺陣に限っていえば、女性がたくさん出演する現場ってないと、今も私は思います。
そのうち、「教えに行くのは、同じ人間が行く方がいいだろう」という事に落ち着き。
私は、林邦史朗先生の正式な代理講師となりましたが、
これが正直、20年も続くとは・・・当時は、全く思っていませんでした。
●そして2015年、林邦史朗先生が亡くなりました。
先生は元気な方でしたが、体調の異変を感じ、GW頃から病院に通ったと聞きます。
幾度も検査を受けたようですが、8月の末に緊急入院をされ、10月末に亡くなりました。
・・・本当に、あっという間に亡くなってしまったと、今も思っています。
当時の林先生の道場には、足を運ぶ門下生よりも、
私と先生が共催していたイベント参加者の方が、よほど数多く通っていた時代でした。
・・・そんな折、林先生はいつしか
「女の殺陣師が、一人くらい居てもいい」
と口にするようになり、私を自分が認めた殺陣師とし、
病床で「邦史朗」の名を継ぐよう、託されました。
皆さんは、林邦史朗は殺陣師だと思っていらっしゃいますが、
NHK大河ドラマの最多出演俳優でもあり、
「林流殺陣」や「林流真剣刀法」の教育DVDを、私と共著していました。
2005年から制作・販売をしていた映像は、先生ご自身が遺した未来へのエールだと思っておられたようでした。
●剣術などの流派で例えば、創始者が亡き後、それを継ぐ人が亡くなったらどうなるのか、ご存知ですか。
創始者が思う形(構えなどのポーズ)は変わり、10本あったはずの組手の数が3本に減っていたり。
現代では、名前だけしか遺されていない流派もあります。 👀
・・・林先生は、長い殺陣師人生の中で、そういった経緯をよく見ておられたので、
自分が作った流派は、自分が映像にしてキチンと遺したから。
それだけは良かった、と。
病床で、何度も口にしておられました。
その映像も、私が管理していなかったら、どうなっていたのか・・・。😅💦
多くあった先生が創始した稽古方法も、今ではほとんどが活かされていません。
先生の死後、私は講師の仕事を離れましたが、
私の後を継いだ講師の話を聞くと、胸が痛くなります。
・・・どんなに偉大な人が遺した記録も、継ぐ者にその志がなければ、この世には無かったことになる。
それが嫌で、私は撮影を続け、教材を制作し続けてきたように思います。
●これからは、風の時代へ。
林邦史朗先生亡き後、私はそれまで手掛けていた、日本の食文化を探るHPや。
その他、四柱推命という占いの鑑定士の資格も取りました。
・・・どれも、全く関連がないように見えるでしょうけれども、実は私の中で繋がることが多くあります。
私はいつか、先生が遺された多くの研究記録や映像を、
心ある機関に「資料的価値のあるもの」として、寄贈できたらよいと思うと共に、
女性ならではの視点で、
たくさんの人と繋がりたいですし、
演武はもちろん、座学にも挑戦します。
・・・ざーーっくりと日本刀の歴史や仕組みはもちろん、
作刀を二振も手掛けた私には、お話できることがたくさんあると信じています。
●最後に、林邦史朗先生の私だけに向けた遺言です。
この後すぐに意識がなくなってしまい、10月29日に亡くなりました。
・・・うーーーん、
このまんま、走っていけるかな。😅💦
がんばります。💦
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