見出し画像

今年作ったものを振り返る記事2024

 よくきたな。桃之字/犬飼です。まだ犬は飼えていません。

 新年早々アホなツイートでアホみたいにバズったあの日から、早いものでもう1年。2024年も最終週となりました。

 今年のパルプアドカレも無事に終わり、年内の制作ごとはひと段落。気持ちと頭が落ち着いたところで、今年作ったものたちを振り返ってみようと筆を執りました。特に合同誌なんかだと、編集後記は書けども自作の話って改めて書かないんですよね。半ば今の自分のセーブポイントというか、将来振り返る備忘録みたいなものと思っていただければと。

 ……と、軽い気持ちで書き始めたんですけど、書いても書いても終わらない。なんだかえらい物量になっちゃったので、まぁ目次からご興味のあるものだけでも見ていってくださいませ。ちなみに9割がアイマス系です。


2024/2/23 歌姫庭園37

283-315越境合同
『PASSION@TE WING!!02』

合同主催および小説を寄稿しました

 シャニマスとSideMの越境作品を集めた合同誌。「犬飼タ伊」名義で、主催に加え小説での参加もしました。「283のオタクに315を、315のオタクに283を知ってほしい」という想いで作った合同誌です。

◆主催として
 01を出したのが23年6月なので、約半年で02が出た計算ですね。
 01の時、募集開始早々にSideM側で大事件が起き、そのせいで「やりたいけど今は心がもたない」と辞退される方がかなりいらっしゃいました。仕方ないと思う一方でやっぱり悔しさもあり、「先が見えたら02を絶対やる!!!」という思いでSideMの行先を見守っていました。

 実行に踏み切ったのは、あの絶望から半年で「スーパーウルトラ315店長🕺」とか元気な姿で走り回るSideMを見たからです。コンテンツとしてのパワーも、ファンのパワーもとんでもない。そういうところが好き。本当に好き。

 元々は「シャニのオタクにSideMを知ってほしい」「SideMのオタクにシャニを知ってほしい」からはじめた合同ではあるんですが、この時ばかりは「SideM元気です!」をシャニ側にも伝えられたら良いなーなんて思っていました。元気です、SideM。

 なお、お陰様で通販も含め全て完売となりました。越境志士がたくさんいて嬉しいし勇気が出ました。マジでありがとうございました。

◆寄稿した作品
「集まれ! 東京オトモダチパーク!」

「福丸さんと紅井くんは同級生……ですよね」
「ああ! 高校一年だぜ……です!」
「では! 同じく高校一年生のアイドル、ノクチルと神速一魂以外で、五人! 走って!」

 東京オトモダチパーク、みんな見てたよね? 
 福丸小糸と紅井朱雀って実は同い年なんですよ。気弱な小糸は絶対朱雀にビビるし、女子が苦手な朱雀も小糸にめっちゃビビるでしょう。でも打ち解けてしまえば、朱雀は小糸の頭の良さをめちゃくちゃ褒めて尊敬するだろうし、小糸は「パートナーポケモンのガオガエンです」みたいな感じになると思うんだよな……とかそういう夢を見続けていた結果、この二人が中心のお話を書くに至りました。

 とはいえ「小糸と朱雀が互いに怯える」みたいな話は書いてて自分で楽しくなかったので、それどころじゃない舞台として身体を張ったバラエティをセレクトしました。……まぁ結果として、「この番組に出るならなんかドラマの番宣だよな……?」となり、そこから生えた劇中劇のおかげで打ち解けラインはとっくに超えている形になり、単純にとても賑やかなお話となりました。よかったよかった。

 二人以外の人選については、「ボディ&ブレインでずっと走っててほしい」「ボディ&ブレインでずっと喋っててほしい」という発想から夏葉さんとクリス先生をセレクトしました。ボディ&ブレインはみんな好きでしょ。俺も好き。へへ。

 そんな因果で集まった面々ですが、結果として、小糸の生真面目さと熱意を見抜いて受け止めて活かせるチーム、かつ、朱雀をめちゃくちゃ盛り上げてくれるチームになったなぁと思ってます。書いててすごく楽しかった。

 余談ですが、一番最後に小糸がダーツを外すシーンにも意味を忍ばせています。あの番組、ダーツを外すと「名前が残る」んですよね。彼女にとっての積み重ねのひとつが残るという、小糸Pにとってはちょっとだけ思うところのあるエンドにしました。これは小糸Pとしてのエゴとワガママです。

2024/6/23 SHINY STAR FESTIV@L07

 3〜5月はイベント空白期間でした。その間に若干面倒な感じの話題でバズってしまいインターネットされたりもしていました。

メシガキのバズは平和だったなあ……

 それはさておき、イベントがないということはつまり、執筆期間ということです。なんか色々やりました。ほんっとうに、振り返ってちょっとヒくくらい色々やりました。

283プロユニット越境合同
『Palette』

合同主催。および、寄稿を3本。3本!?!?

◆主催として

 シャニマスはとにかくユニット越境が少なくて、そんなコンテンツで越境のオタクをしているのが本当に辛くてェ……。流石に限界が来たので同好の士を集めよう、と観測範囲内のユニット越境が好きそうな方々に「あーそーぼー!」と声をかけて開催しました。

「自分の推しカプ」と「参加者の推しカプ」をそれぞれ書いてもらう、つまり「ひとり2本書いて!」という無茶振りに応えてくれたみなさんには頭があがりません。本当にありがとうございました。まじで楽しかったです。

◆寄稿した作品

 コンセプト的にひとり2本は確定していたのですが、ユニットの組み合わせ表を参加者に共有した際、「今回選ばれなかった面々で一本書かない?」とお声がけをもらい、「よっしゃやるか!!!!」というわけで、結果として自分が主催の合同に3本寄稿しました。3本????

①「ゆきんこさん」

 昔々の、また昔。
 とある寒い土地にある白銀の山に、ひとりの妖精が棲んでいました──

 シャニソンがリリースされて初めての冬、突如として供給された「白い雪に足跡つけて」摩美々・小糸ガシャへの感謝と狂いを込めて書きました。御伽話風というか絵本風というか、「この2人っぽい別の人」なパロディ世界。雪の妖精コイトと氷の魔女マミミの物語です。

 本作、実はなかなかの難産でした。数ヶ月前のSSF06でリリースしたまみこい本「夜色の旅日記」で、まみこいで書きたい物語をほぼほぼ書いてしまって、平たく言うと燃え尽きていたんですよね。なんかスランプというか、「なに書いても〝それまみこい本で書いたよな?〟と思っちゃう」病気を罹ってしまった感じ。

 この病気の厄介なところは、それが例え新しいシチュエーションとかでも「やったことある」と判定をしてしまう点です。なので、思い切って全く違う世界観での物語にしました。

 元々「人と妖精がが心を通わす話」とか「孤独な魔女が人と関わって変わる話」とかが大好きなのでそのエッセンスを詰めて詰めて、そこにまみこいの好きなところをめちゃくちゃ混ぜ込んでいます。どこまでも真面目で、「良い子にしてなきゃいけない、私が我慢しなきゃ」と思い詰めがちな小糸に、「そこまでしなくていいでしょ」「共犯になってあげるから一緒に行こう」と言う摩美々。そういうのが好き。あと、なにかと抱え込みがちで周囲に頼ろうとしない摩美々がピンチのとき、持ち前の爆発力でブレイクスルーを起こす小糸。こういうのも好き。そんなあれこれを詰め込んで、あとは最後に城を滅ぼしました。パロディならではの楽しみだよね。そりゃもう豪快に凍らせました。楽しかった……へへ……。

 振り返ってみればやっぱり「まみこい本でもう書いたことじゃん」なんですけど、こうして手を変え品を変え形を変えて同じ主張をし続けるタイプの制作もありだな、と気付かされた作品でした。

②スノーフレーク・イン・メッチャサマー

 7月中旬、午後1時。
 現在気温、約3度。

 タイトルがめっちゃ気に入ってる一作。「ゆきんこさん」とは対局に、こちらはめちゃくちゃ早く出来上がりました。

「雪」をテーマに、「あさひに振り回される(けど満更でもない)摩美々を書きたい!」ということで「真夏にドカ雪国に迷い込んだ」設定に。そして、「摩美々の悪知恵に本気で乗っかるスーパーフィジカルあさひを書きたい!!!!」ということで、思い切り殴れそうな敵キャラ=雪だるまの化け物を配置(ス・ノーマン・パーを連想した方はたぶん同世代)。そこまで来ればあとはもうイケイケどんどん、あさひと摩美々と雪だるまさんがぐいぐいと物語を動かしてくれました。聖蹟桜ヶ丘じゅうをあさひが走り回るおかげで、既定文字数に収めるのに苦労したのは良い思い出です。

 あさひと摩美々、そして「チームまりあ」の一員としての凛世。この子たちのバランスがすごく好きで、また復活しないかなぁと祈り続けています。摩美々の面倒見の良さ、優しさ。あさひの天真爛漫さと、意外と周りを見てるトコ。凛世の冷静さとノリの良さ。本気でドッキリやイタズラを考えさせたら誰にも勝てない、そんなバランスが最高です。その好きの一片でも表現できていたら嬉しい。もっとまりあをくれ。頼む。頼むよ。

③群盲象を撫でる

「これからみんなに、カードを配ります。そのカードは他の人に見せてはいけません」
「ほうほう……」
「このカードは、六枚でひとセットになってるんだ。けど、みんなはその一部しか見ることができません。だから」
「……それぞれが、共有する?」

 合同誌『palette』のトリを飾る作品。登場キャラクターは咲耶と恋鐘と千雪とにちかと羽那とはるき、そしてはづきさん。
 主催としてトリ頑張りました。まじで、ほんとに頑張った。

 前述の通り半ば悪ノリで書き始めたものの、人数の多さや一部キャラクターへの理解度の低さ、そしてなにより一人称視点にできる子の居なさで軽く詰んでおりまして。そんな中、別の寄稿(後述)で「会話文なし」縛りをやったのをきっかけに、「じゃあこっちは地の文なしでやろう!」と思い立ち、「セリフのみならテーマも会話そのものにするか」「就活でやったなそういうゲーム」「応用したら良いオチ作れんじゃね?」「これなら参加者の度肝を抜けるな!?」という思考の流れでこうなりました。就活してた頃に何度かやったこの手のゲーム、パズルマップゲームというらしいです。みんなで地図を作り上げよう、みたいな感じですね。

 会話文限定で物語を進めると、各キャラクターの強さをひしひしと感じます。「でしょー」「でしょ〜」「でしょっ」「でしょ!」で個性が表現できる。日本語の面白さだし、キャラクターの面白さ。二次創作という、全員がある程度の共通基OSの上に立つものだからこそできるアトラクションでした。口調に自信がなかったので何人かに相談して事前に読んでもらったとき、自然と「どれが誰のセリフかゲーム」がはじまって面白かったし、結構みんな当ててくれたのが嬉しかったです。

 この3作と、そして同好の士が作った様々な物語、あわせて36本が詰まった同人誌、まだ通販あります。ご興味の方はぜひ。

まみみつ合同2
『ハロー、ウィスタリア!』

田中摩美々×三峰結華合同。主催は846さん。僕は小説を1本寄稿しました。

 シャニマスに入って、摩美々のことを知るために支部でSSを読む中で、「摩美々と三峰の組み合わせが多いなぁ」「この二人いいなあ」と思っていました(なおその後、「多いなぁ」と思っていたまみみつの8割をひとりの男が生み出していたという狂気にニューロンを焼かれたりもしました)。
 初めて書いたシャニSSもまみみつだったりして、そんな自分にとっての原点みたいなコンセプトの合同に参加させてもらいました。

◆寄稿した作品
『トアルレイジーデイ』

 おはよ。三峰が言う。
 ん、と私が頷いて、紅茶をひと口。
 そんなカンジの朝。
 概ねいつも通りの、オフの日の朝。

 というわけで、同棲させました。てへ。

「今の自分がこの二人の話を書くなら、コーヒーの匂いがするようなお話を書きたい」というのが、参加を決めたときの想いでした。物語を読んで感情移入をしたときに、例えば家でコーヒーを飲んだときのような、コーヒーメーカーや電気ケトルがゴボゴボと音を立てるような音を聞き流すような、そんな緩やかに流れる空気と時間の中で過ごしていてほしい(せめてオフの日くらいは)という気持ちがあり、「二人のなんでもないオフの日のこと」のお話となりました(ちなみに、摩美々の好みもあって結局は紅茶にしました。コーヒー云々はあくまで概念です)

 緩やかに流れる時の中で、それでも起きるちょっとしたトラブル……というか、トラブルとも言えないような、ちょっとした刺激。ただ生きる、ただ遊ぶ、そしてただ帰る。そんな営みを送ってほしいという気持ちで本作を書いています。

 主催の846さんが描いてくれた挿絵もめっちゃくちゃ良くて…………届いたときにリアルに声を出して喜びました。本当にありがとうございます姐さん。また飲みましょう。

アンティーカ×人外合同
『とある怪物たちの物語』

アンティーカが人外ならなんでもあり! な合同。主催はアカヤさん。
僕は全年齢版の方にホラー?アクション小説を寄稿しました。

 人外! 人外! やるやるやるー! と早々に手を挙げました。アンティーカに限らず、人外パロって心躍りますよね。例えば長命種の美琴さんと短命転生種のにちかとか、龍種の透とか、閻魔大王の大吾とか、深海生物のクリス先生とか。見たすぎる。

◆寄稿した作品
『佐久間民俗資料館 怪異伝承蒐集室
 〜つばさ小の七不思議〜』

「最近、増えた気がするんだよねぇ。チミモーリョーの類がさ」


 上記のようなトキメキに加え、過去に加算さんのイラストから作った物語(マミミと吸血鬼サクヤ)の続きを書きたいなーという想いもあり、今回はその方向にて参加しました。ちなみにその時点から「学校の七不思議をやろう!」というところまで決めていました。浪漫だよね、七不思議。都市伝説の原初体験。

 Twitterで「みんなの学校に七不思議ってあった?」と聞いたところ、地域や世代でだいぶばらつきがあるのが見えてきました。そんなら逆に好き勝手やるわ! ということで、「校庭に手が生えてる」を皮切りにメジャーなやつを沢山入れつつ、283プロの面々に演じてもらいました。個人的には「五代目トイレの花子さん 園田智代子」と、「作りすぎて皿が足りずに騒いでいる家庭科室の幽霊 月岡恋鐘」が気に入っています。

 マミミのアクションパートは、久々だったのもあってすごく苦労したのを覚えています。元々一次創作でニチアサ風の小説を書いていたのでスピーディなアクションは書ける自負があったんですが、空中戦だとだいぶ勝手が違ったのと、まーーシンプルに鈍っていた。不覚。本来勢いでどあーーっと終わらすべきところ、書き上げるまでにすごく時間が掛かって戦闘描写の勢いも落ちかけてしまったのは反省。

 登場アイドルを色々な七不思議にしたのですが、「ポルターガイストを極めたあさひ」とか、「ハサミの魔女 摩美々」とか、「地獄のフタの番人 霧子」とか、かなりトキメキを詰め込んだ寄稿作となりました。めちゃくちゃ気に入っています。

シャニマス×スピッツ合同
『283bergen』

シャニマス×楽曲合同、今回のテーマはスピッツ! 主催は桃もみじさん!
犬飼は小説をひとつ寄稿しました。

 主催の桃もみじさんからお誘いいただき参加しました。スピッツを熱心に聞いていたというよりも「昔から当たり前のように流れてた」派の人間なのですが、かつて推しのアイドルがカバーしたらなんかもして強く思い入れのある曲をテーマに小説を寄稿しています。

 自作の話はあとからするので置いといて、他の参加者の皆様の作品がまーーーーよくて。楽曲合同って、歌詞やメロディ、空気感、バックグラウンド、自身の思い出、そういったものたちの再解釈とキャラクターへの関連付け・落とし込みを伴う高度な技術だと思っているのですが、全員がものすごい精度でそれを成し遂げていて感服しました。後述のアジカン合同2もそうなのですが、ずっと聴いていた音楽は魂魄のひとかけらになっていて、創作に塗り込めやすいのかもしれない。

◆寄稿した作品
『海螢の青』

「行こっか、海とか」
 そう言い出したのは、小糸のほうだった。
 誰もいないスタジオのエントランスに、その声は静かに溶けていく。てっきり「ダメだよ、戻らなきゃ!」などと叱られると思っていた透は、ぽかんとしたまま小糸を見ていた。

 パラコレやらでアイドルたちの「未来」が騒がれはじめた頃に書いた、自分なりの「ノクチル成人パロ」です。どうしても二人を車に載せたくて。

 題材にした楽曲は『スパイダー』。「だからもっと遠くまで君を攫って逃げる」のフレーズが印象的な曲で、解散した僕の推し・アイドルネッサンスがカバーして、フェスなんかでも披露していた楽曲です。

「攫って逃げる」という言葉の主体である「スパイダー」。これが小糸なのか透なのか微妙にわからないような、そんなお話を書きたいと思いました。ふたりはきっとどちらにもなり得て、その時々でお互いにお互いを攫い合い逃げているんじゃないかな、そうであってほしいな。

 このふたりの間に流れる静かで大きな尊敬と、でも互いがそれにあまり気づいていない鈍感さのアンバランスさが大好きです。大人になってもそんなところは変わらないんじゃないかなぁと思いつつ、互いにちょっとわがままになってたらいいな、なんて思いで筆を走らせました。

 自分でもだいぶ気に入ってる作品なんですが、ありがたいことに個別に感想なんかもいただきまして(小説寄稿作の感想をわざわざ個別にもらえることは稀なのです)、ものすごく自信になりました。嬉しい。

シャニソン敵モブ合同
『I.D.O.L』

チャンレンジツアーに登場する敵シルエットを主人公とし、「283プロのアイドルに敗北させる」合同。主催はルルテリさん。
うちの子が一番可愛いけれど負けなければならない。ジレンマ!

 シャニソンのチャレンジツアーで立ちはだかるアイドルたち、結構シルエットが可愛くて気になっていたんですがその矢先にこの合同が立ち上がり、はいはいはいはいはいやるやるやるやるやると手を挙げました。元ドルヲタ(それも地下のヲタ)としてはときめきが止まらない。そんな合同でございました。

◆寄稿した作品
『たそがれのうた』

 大事なライブの直前に担当マネージャーが倒れて、代理の人と頑張る羽目になった件。

 レギュレーションにある「必ず283アイドルに負けること」という文言について、「どう負けるか」というところでめちゃくちゃ悩みました。

 ダンス対決やボーカル対決のような、第三者の審査の入るガチバトルは、専門知識の少なさゆえに説得力を出しきれず、結果としてご都合展開になりかねない。……あと、そもそも自分の作風的にも向いていない。

 パロディ時空にして、命懸けの戦い!(例えば魔王軍マミミに挑むうちの子とか)をやるにも、小説だと勇者感とアイドル感の両立がめちゃくちゃ難しい。イラスト/漫画であればビジュアルで補完ができるのだけど……小説だとどうしても冗長というか、説明くさくなるんですよね。

 といった感じで、自分の作風、バトルのあり方、書きたいもの、敗北条件の明確さ、摩美々とミミ(うちの子)の関係などなどを考えてめっっっちゃくちゃ悩みました。その結果は、本編を読んでいただければと思います。うちの子が1番可愛いけれど、摩美々はホントに強いのだ。

 クライマックスのライブパート、書いててめちゃくちゃ楽しかったです。地下ドルのライブ(特に対バン)で結構見る、いきなり必殺技でくる精神大好き。オタクの手拍子とか歓声も、会場全体の流れやうねりみたいな物も描き出せていれば良いなぁなんて思っています。

 ルルテリさんが描いてくださったうちの子たちもほんっっっとうに可愛くて、アクスタ作りたいですこれほんとに。ロゴもこちらのラフデザインをもとにハイパー可愛くしてくれまして、マジで頭が上がりません。ありがとうございました。この子たちのこと大切に育てていきます(???)

illustrated by ルルテリさん(@lulutaeri)

 また、本作を書く中で、コスプレイヤーのちゅらいさんにも色々と相談にのっていただきました。本当にありがとうございました。今日も元気に墓入りしているのを見て元気を貰っています。 ……え? レイヤーさんになにを相談したんだって? それは本編見てのお楽しみデース!

シャニマス×アジカン合同2
『NANAーIRO SHINOGRAPHIC COMPIL@TION2』

アジカン合同第二弾。主催は外山さん。
犬飼は「遥か彼方」とノクチルの小説を寄稿しました。

 アジカン合同1にも参加をさせていただいており(その時は「君の街まで」×まみこい)、ありがたいことに第二弾にもお声がけをいただきましたのでヤッターーーと寄稿しました。

 アジカン、スピッツと同様、「人生で当たり前に流れていた音楽」なので、なかなか「これがめっちゃすき!!!!!」みたいなのって実はあんましなかったりします。里帰りもするし地元も好きだけど、じゃあどこがと問われるとうまく答えられない、なんかそんな感じ。とはいえその中でも特別印象に残っている曲が「君の街まで」と「遥か彼方」、あとは「リライト」で、まぁお察しの通りアニソンです(「君の街まで」はアイドルネッサンスです)

◆寄稿した作品
『はじまりの日のこと』

 今回はそんな中から「遥か彼方」にて一本書きました。踏み! 込む! ぜアクセルー!
 あのイントロから爆裂アクセル全開の疾走感がすごくすごく好きで、カラオケでもよく歌っていました。NARUTOのOPアニメーションもめっちゃ良かったんだよね。たぶん一生擦る。

 スピッツ合同では無難に運転するノクチル(小糸)を書いたので、こっちではやべー運転をするノクチルを書くことにしました。そして、「遥か彼方」の歌詞を読めば読むほどに感じる若さ、スピード感、そしてノーフューチャーさ、それでも生きる意志、みたいなものをベースに、「透がマフィア組織を裏切った」という理由をつけました。「ハシルウマ」にて盛り上がったマフィアパロを自分もやってみたいと思っていたんですけど、なんだろう、「ここだ」って。あと、手榴弾を撃ち抜いて起爆させる小糸を書きたかったんですよね。そういうわけで、マフィアのバスを暗殺した透と小糸が、赤茶けた荒野でカーチェイスをします。それでも中身は透と小糸なので、いつも通りのテンションでカーチェイスするし、いつも通りのテンションで雑談をします。そういうのが好き。

 なお、この時に作り上げた設定を自分でもめちゃくちゃ気に入ってしまって、後に続編を書いてしまうことになるんですが、この時点ではそんなことまだ知る由もありませんでした。

シャニぬい合同
『ぬいのぐらふぃ』

シャニマスの「ぬいぐるみ」をコンセプトにした合同。主催はバイオなまこさん。
犬飼は寄稿一作と、全体の組版編集を担当しました。

◆編集者として

「たくさん人が集まるから編集として入ってくれ!」と相談をもらい、編集として参加させてもらいました。蓋を開けたらホントに物量すごかった。組版は単純作業なので楽しくやれたんですが、一番大変だったのは掲載順を決めることかも。主催のバイオなまこさんとふたりであーでもないこーでもないと話しながら、誇張抜きで一晩掛かった思い出。でもすげー楽しかったなぁ。

 ぬい文化、SideM側ではよく見かけていたんですが、その波がまさかシャニマスの方にもやってくるとは。そしてそれが、こんなにも大きな合同誌を20分で完売させるほどのパワーになるとは。5thの赤子みたいなぬいが全ての転換点となったような気がしています。ちなみに僕は持っていません。お金がなかった。

 編集の目線で個人的に面白いなーと思ったことがあって、漫画やイラストの方はコミカルな内容が多い一方で、小説の方はハートフル路線やのんびり系が多かったんですよ。理由はわからないけれど、そこまで露骨に偏るのはとても興味深かったです。なお余談ですが、その偏りのおかげでセトリめちゃくちゃ悩みました。温度差すごすぎて。

 また、自分が小説家なので特に小説に言及をしますが、そもそも「アイドルのぬいぐるみをテーマに小説を書く」ってめっちゃくちゃハードル高いと思うんですよ。にもかかわらず、トイ・ストーリーみたいにしたり、ぬいぐるみとの思い出話を描いてみたり、できあがったぬいを眺めながらのトークだったりと小説家たちが手を変え品を変えバラエティ豊かな作品を届けていただいて、個人的には毎回「その手があったかー!」と膝を叩きながら組版をしていました。どの作品も(これは小説に限らず、漫画もイラストも詩歌も)愛情と少しの狂気が詰まった名作揃いでした。

◆寄稿した作品
『パンデミック』

「……小糸」
「──、────」
 私──樋口円香の言葉に、ソレは人のものではない声で返事をした。
 大きな頭に大きな瞳を貼り付けたその身体は、「ぬいぐるみ」と呼称して差し支えない見た目をしている。ただしその身の丈は二メートルほどあり、横幅は学校の廊下を塞いでしまうほどもある。

 元々は編集だけでの参加予定だったんですが、組版の最中に「円香成分が少ない」という話になり、「よし足すか!」と筆を執って一気に書き上げた作品です。ちなみにその横では別の小説家がとおまののぬいSSを書きはじめていました。深夜テンションの有効活用。

「よし足すか!」となって割と早い段階で書き出しの一文(上記サンプルのもの)を思いついて、そこからはあれよあれよとパニックホラーが書き上がりました。今まで書いたことなかったんだけど、むしろ書いたことがないからこそ、余計なこと考えずにインプットしたものをするっと出力できたのかも。

 樋口円香さんが各メンバーについて言及したり思考するシーンが好きです。素直じゃないのでそしらーぬフリをしながらも、仲間想いで優しい一面を隠さずにいる。そんな属性とパニックホラーの相性が良すぎました。曇らせのつもりはないんですごめんなさい。でもすごくパニックホラーの主人公に向いてたんです。田中摩美々と同じくらいの向いてると思う(前科あり)

 リアルに時間切れのためずばーんと切って終えましたが、時を経て読んでみるとあの終わり方もなかなか面白いというか、うまい感じにおさまった感がありますね。我ながら。

ノクチル反省文合同
『いちもうだじん』
(編集/デザイン/他)

ノクチルが書いた反省文と、そこに至る顛末を記した物語をセットにした合同。主催はぐらぐら幽霊さん。
犬飼は組版編集とデザインと、あとは初主催のぐらぐら幽霊さんの後ろでサポートする爺やみたいな役割を担当しました。

 ぐらぐら幽霊さんの「ノクチル反省文合同、やってみたいんだよね。本文に反省文もつけてさ……」というツイートにノリで「反省文はA4のコピー用紙に印刷するんですよね」とリプライをしたらその流れで編集担当になりました。これをバタフライエフェクトと言います。

◆編集者として

 参加者に文字書きが非常に多かったのが印象的でした。日頃からノクチルの思考をトレースしている人々が繰り出す、様々な反省文の数々。添えられたエピソードも「くっっっだらねぇ〜〜〜wwww」というものから割とガチで泣きながら読むものまで様々。「反省文にまつわる話」というそのテーマ一点でここまで多岐にわたる物語が生まれるものかと、同じ文字書きとしてとても勉強になりました。

 また、編集としての初体験でいえば、なんといっても「反省文の組版」でした。原稿用紙やコピー用紙、破ったノートの切れ端、ガチのビジネス文書、メールのキャプチャ……寄せられた反省文の種類に応じて色々とデザインをしております。

 9月で再掲解禁されており、既に参加者の皆さんが公開してくれているので、ぜひ見てみてください。頑張ったよ!

◆デザイン担当として

 表紙イラストはたまさんにお願いをしたのですが、それ以外のデザイン周りも犬飼が担当しました。

「反省文」という確固たるテーマがあったので、「正座」「原稿用紙」「紙束」「文書」あたりを軸に作りました。とはいえ原稿用紙って、文字を入れるときにはどうしてもその枠通りに入れたくなっちゃう。ただ、入れたい情報量と噛み合わない。しばらく悩んだ末に、同僚のデスクに大量の付箋が貼られているのを見て「これだ!」となりました。付箋、便利。細いのも四角いのもでかいのも使えるし、文書感が出る! すごい! とはしゃいでいるうちに、こんな感じになりました。

 他にも「ノクチルが反省しています」ステッカーなども同時頒布しており、その辺の素材を使ってこんなものを作ってみたりも。

 あとはおしながき。こちらは「反省文の告知となれば掲示板か教室の後ろの黒板だよな」ということで、でっかい黒板に。ポスター風のデザインと、ワールフールプールガールズの学級目標が気に入っています。

◆余談

 私の告知ツイートを見た友人(デレP)が「見せたいものがある」と持ってきてくれたのがこちら。

 せ、先人が居た〜〜〜〜〜!!!!!

 こちらもめちゃくちゃ面白かったです。ノクチル反省文合同は、反省文と「そこに至るお話」を集めたものでしたけど、デレ始末書合同は本当に「始末書だけ」を集めたもので、「ああ………」「うわぁ………」と言いながら読んでました。顛末書だけで色々伝わってくるの面白い。

 他にもことの顛末が顛末書として添付されていることもあれば、現場検証の結果が貼られてたり、フリーフォーマットでフリーダム。先輩はすげーや!!!!

シャニマスいるモブ/いないモブ合同
(編集)

主催:久遠依真さん。本編に「いる」モブのお話を集めた合同と、本編に「いない」モブやお話を集めた合同。犬飼は編集として、組版を中心にお手伝いしました。

 全編小説オンリーの合同誌で、人によっては2万文字くらいあったり(なにせ主催がそれだ)、ネットの掲示板風の作品があったり。組版屋さんとしては腕の見せ所でした。実はインデザインのショートカットとか時短テクをしっかり覚えたのはこの合同がきっかけでして、そのくらいの熱量と物量だったんです。

 アイドルによってなにかが変わったり、変わらなかったり、人生の中で283プロに出会ってしまった人たちの物語がたくさん詰まった本。元ドルヲタで、実際人生を色々と変えられている身としては、共感できたり、「あーこういう奴いたな…」となったり、なんだかすごくリアルな物語たちで、組版中に情緒をぐにぐにされながら読ませていただきました。

 本当は自分も寄稿したかったんだけど、ちょっと余裕がなかったな……。次回があれば参加します。摩美々と古着屋のお姉さんで。

283プロTS/男体化合同『MEN's PRISM』
(編集、デザイン)

タイトルの通り、TSや男体化作品を集めた合同誌。主催はさちいろさん。犬飼は組版編集とデザインにてお手伝いをしました。

 まさか自分がTSや男体化と関わるとは。特に嫌いというわけではないんですが、漠然と「向こうの村はいつも賑やかだねえ」くらいの感覚でいたので、お手伝いをすることになったとき実は結構驚いていました。ここだけの秘密です。

◆編集として

 一番最初に驚いたのが、「小説での参加者がいるんだ!?」というところでした。視覚情報ありきでの文化だと思い込んだいたので、その時点でもうびっくり。でも言われてみれば、自分のTLにもたくさんいるもんな、TS妄想erたち。自分の短慮を恥じるばかり。

 イラストも漫画ももちろん小説も、すごく熱のこもった作品たちでした。実は犬飼、あとがきに「勉強になりました」と書いているんですが、本当に勉強になりましたし、ちょっと今後ちゃんと見てみようかなと思っています。奥深い世界だ……。

◆デザインとして

 主催のさちいろさんの「雑誌みたいにしたい」というリクエストから、男性が表紙を飾るような雑誌の質感にしてみました。おかげでスマホのフォトアルバムにファッション雑誌ゾーンがあります。

 デザインあるあるですが、ひと口に「雑誌風」と言ってもしっかり観察すると色々な違いやロジックが見えてくるもので。最終的にはタイトルの元ネタでもあるメンノンに雰囲気を寄せています。

 ちなみに裏表紙はこれでした。駅のポスターにありそう。

2024/7/7 イーリスプロジェクション02

 6月にSSF07が終わり、その後7月にイーリスプロジェクション(関西シャニマスオンリーイベント)にも参加していたのですが、イープロは既刊オンリーでの参加となりました。燃え尽きすぎてちょっと無理でした。ごめん。

「既刊のみ」と言いつつ、なんかすごく多かった。増えたものだなぁ。SSFと比べるとだいぶのんびりとした空気感でとても楽しかったです。

 ちなみにその後、縁あって9月の歌姫でイープロの関係者ヅラして売り子してました。

2024/10月 逆噴射小説大賞2024

 さて、7月イープロから11月までは、基本的に大きなイベントはありませんでした。先ほども言いましたが、イベントがないということは原稿期間です。逆噴射小説大賞の開催される10月の時点で、次の章のSSF08の原稿を抱えての参加となりました。毎回そうなんだけど抱えすぎなんだよこいつは。

 毎年のことなんですが、年に一度のこの祭典は自分にとっての効果測定みたいなイメージがあります。一年間の自分の活動や、その中で培った技術や哲学を800字に詰め込む。問題はそれを賞レース向けにしないといけないんですけど、そこがまぁあぁぁ苦労しました。というか毎年苦労してる。

 ちょうどこの記事を書いている最中に1次&2次選考の結果が発表されたので、そこも踏まえて振り返っていきましょう。

参加作品① バラバラバラ

 薔薇とバラバラ。最近、作業のためにシーシャ屋さんに行くことがちょいちょいあり、そこで色々と想像を膨らませて書いていました。

 この一年で色々な小説を書いて、その数だけ「小説の導入」も書いてきましたし、読んでもきました。そんな中で「この導入は上手くいったな……」と自画自賛している物語の導入を念頭に置いて書いてみたのがこの作品でした。

 結果としてなんですが、読んでくれたワイフの「面白そうだしちゃんと小説の冒頭だけど無難すぎる」というコメント通り、1次選考突破ならずでした。納得である。

 800文字という限られた中でいかに奥行きを見せるか、みたいなところが勝負だとは頭ではわかっているものの、基本的に自分の性格が雑なので全部説明する/なんもしないの極端な二択になってしまう感。特に逆噴射小説大賞だと肩肘張っちゃうなぁというのが結果を受けての感想です。

 今読み返すと、「あ、ここは削って良いやつ」と気付くのがなんともはや。バアちゃんが死んでるとか、店の名前とか、その辺は削って良い情報だな……やはり刀を叩くみたいに研ぎ澄まさなきゃな……。

参加作品② 冷凍バイト、いかがですか

 タイトル、もっと捻ればよかった。とはいえ、こちらは2次選考を通過できました。やったぜ。

 バラバラバラとは違って、こっちは余計なことは考えずに「面白そうな話思いついたから書く!」みたいなテンションで滑り込んだ作品でした。桃之字を以前から知っている方はご存知かと思いますが、妖怪モノが大好きなんです。タイミーさんや闇バイトなどなど、そういった現代社会のあれこれをそっちの世界にも適用したら面白そうだな、というところからのスタート。

 能力的なわかりやすさや、「○○の一族」みたいな設定がよくあること、そして「やらかし」のわかりやすさから、主人公は雪女にしました。なにかを凍らすバイトで凍らせすぎて怒られる、みたいなやりすぎタイプのおっちょこちょい。その子がひょんなことからトラブルに……という、ありがちではあるものの個人的にすごく好きなあらすじ。相棒を化け狸にしたのは、その後の展開で色々と役に立ちそうだから、というのがスタートでした。800字から先を考える中でキャラクター付けなども考えて、「おっちょこちょいなユキメの世話を焼く苦労人」「本人はお調子者ゆえにたまに失敗する」というキャラクター像となりました。

 ここまで語って思うんですが、「バラバラバラ」をこの熱量で語れるかと言われると無理です。なにを考えてどう作ったか、ワクワクしながら熱意を持ってやれたか、そういうところも大事なのかもしれないなあという気付きを得ました。

2024/11/17 SHINY STAR FESTIV@L08

 SSF07から4ヶ月半! 短いスパンでの開催に同人戦士たちが悲鳴をあげる中、なんと12月のアイマスEXPOまで発表されてさぁ大変! 俺たちは生き残れるのか!? みたいな怒涛の期間でしたね。

 加えて、夏頃からリアル業務がはちゃめちゃに忙しくなり、残業が増えたり週に1回出張が入ったり部下が色々やらかしたり実はメンタル壊れかけてたりと、創作に割く体力も精神力も削りきられた中での制作進行となりました。人間、なにもできない時ってマジでなにもできないんすね。家のベッドでトドみたいに横たわってるだけの日とかも何日かあり、まじで色々やられてた感があります。

 合間合間でオタクと集まって原稿合宿・原稿旅行をしていなかったら、本当になにも終わっていなかったと思う。みんな本当にありがとう……。

 そういうわけでSSF07より物量は少なめではありましたが、それでも主催したり、色々なところをお手伝いしたり、寄稿したりしています。

シャニマスマフィアパロ合同
『閃耀幣帮』

マフィアにギャング、極道始末屋屋裏稼業。総勢40人が手がける様々な治安悪いパロディを集めました。犬飼は主催としての全体進行と、自分で寄稿もしています。

◆主催として

 チャイナマフィアンティーカのカードが出た際に、「イルミネも黒スーツある!」「放クラもいける!」「アルストだって!」「ハシルウマ!!!」みたいな話で盛り上がったのがきっかけでした。俯瞰してみると、シーズ以外はアウトローっぽいカードがあるんですよね。コメティックなんかはばっちばちに戦うマフィアさんたちだし。

 結果として、関係者含め40名による大規模合同になりました。手に取ってくれた方が「重っ」「厚っ」と言っていたのが面白かった。多分ナイフくらいなら防げると思います。

 そしてそして、約7年の同人戦士歴ではじめての特殊加工表紙にもチャレンジしました。デザイナーのMotoCapさんのアイデアで、全面が虹色に輝きます。届いたとき本気でうひょひょひょっって声が出ました。

 頒布するときの格好も気合を入れてみたりして、我ながらよくもまああんだけ限界で飛び回りながらで準備できたもんだなと思います(過冷却みたいな状態だった可能性はある)。色々と協力したりカバーしてくれたスタッフ陣には本当に頭が上がりません。。。

◆寄稿した作品
『立ち上げの日のこと』

「それとも、次は杏帝華幹部の首を取ろうと?」
「……あ」
 そこへきてようやく、ノクチルのボスは口を開いた。
「その手もあったかー」

 どこにもサンプルを上げていなかった。限界感が窺えますね。

 トールとコイトが、同盟を結ぶためにマミミとサクヤに会いに行く話でした。世界観としてはSSF07でアジカン合同2に出した「はじまりの日のこと」の後日談のつもりでいるので、奇跡的に両方読んでいる方が居たら「おや?」となれたかもしれません。

 逆噴射小説大賞で『バラバラバラ』を書く中で、シーシャ屋でのやり取りがいくつか分岐していったのですが、その中のひとつをこちらに流用しています。でかい組の幹部の前でも微塵も動じないトールと、大した事前説明もなしに連れてこられてビビるコイト。そしてそれと対峙するのは、阿片女帝マミミと戦乙女サクヤ。
 吹けば飛ぶような小さな組・ノクチルは、果たしてこの場を切り抜け、杏帝華との同盟を結ぶことができるのか──!? みたいなお話です。

 アクションシーンをめちゃくちゃ頑張りました。前半の会話劇が淡々としていたので、開幕と同時にめっちゃくちゃスピード感のあるアクションを目指しています。それも、トール&コイトvsマミミ&サクヤ+雑兵たちという集団戦。実写映画ならどんなカメラワークだろう、とか、その画面全体のどこをどこを切り取れば小説としてバシッと伝わるだろう、とか、かなり試行錯誤を繰り返したのを覚えています。そしてそんな中でも、「コイトはトールを一番見ているからこそ誰よりも早く状況に対応できる」とか、「トールはコイトなら着いてこれるとわかってやってる」とか、仲間を見捨てないアンティーカ(それこそがギリギリの人間性)とか、キャラクターたちが元々持っているエッセンスも突っ込んでいます。SSF07から続くパロディの知見がここに集まった感じがしてちょっとグッときました。

 それにしてもこの話、世界設定が同じものもあることだし、もうちょい続きを書いて本にしたいですねえ。いつになるかはわからないけれど。

シャニマス×朝日廉合同
『シャイニーガールズコレクション』

シャニマス×石風呂/朝日廉の楽曲合同。主催は桃もみじさん。犬飼は寄稿を一本と、組版編集に加え、告知用動画の作成も担当しました。

 10年以上前にコンテンポラリーな生活や石風呂さんの追っかけをしていた自分が、時を経てこの本に関わることになるとは……とものすごく感慨深い気持ちでいました。ある意味青春そのものだったのでね。グッとくるよねほんと。

◆編集として

 今回の本、「DVDケースに本を入れる」という特殊サイズでした。主催の桃もみじさん、自前でシュリンク作業もやってて本当にお疲れ様でした……。

 組版屋さんとしては、本のサイズが特殊サイズなので何度か印刷しながらバランス調整を掛けていきました。あとは、印刷の仕様としてモノクロしか使えないということで、「じゃあカラーイラストどうしよう?」「封入特典みたいに挟む?」「それだ!」みたいなやり取りを色々主催とやらせてもらいました。同人誌はアイデア勝負、というのをひしひしと感じる制作、めっちゃ楽しかった。

◆告知用動画

「イベント前にフライヤーを公開して、あとは……」
「……クロスフェード動画とか?」

 数年ぶりに動画を作りました。とはいえ、絵の配置などは桃もみじさんが手掛けてくれたので、犬飼はコンポジットのみでしたが。AEやpremiereの使い方を結構忘れてて焦ったのはここだけの秘密。

 昔よく作っていたアルバム告知のクロスフェード動画とは違って、今回は「曲が切り替わらない」というところが何気に苦労ポイントでした。最初は単純に「全員5秒ずつ」みたいにしようとしていたんですけど、それだとめちゃくちゃ違和感が出ちゃって。楽曲のテンポや特徴的な音の鳴るタイミングで切り替えるようにしたり、小説組は文字が並んでいる(=目で捉えるのに時間がかかる)からちょっと長めにしたり、途中で三拍子になるところも調整したりして、スムーズかつ(ある程度)公平に情報が伝わるよう苦心しました。

 それにしても、フタバオサムさんからあまりにも「ぽい」楽曲が上がってきて、桃もみじさんと二人で小躍りしていました。すごい。あの頃の青春の匂いが確かにする……本当にすごい……。

◆寄稿作品
『愛と平和なんて』

机の木目、床の汚れ、靴の先のゴムの色。
先生の声、クラスの雑音、こそこそ話。
教科書、小説、参考書。
概ねそれが、わたしの中学生活の記憶の全部。

 今回の合同に参加をするにあたり、改めて石風呂さんやコンポラの楽曲を全部聴き直しました。ギターやドラムのちょっとしたブレまで覚えている曲もあれば、「あれこれこんな展開だったっけ!?」みたいな曲もあったわけなんですが、そんな中でも感慨が全然変わっていたのが今回選択した『少年は教室が嫌いだったのだ』でした。

 母校への感情の八割が恨みでできている人間としては、石風呂さんの中学校シリーズは元々相当共感性があって、この曲の歌詞もずーーっと胸に残っていました。自分の中学時代のことを思い返して、あの頃の自分を代弁してくれるヒーローのような存在でした。が、それはそれとして、この度改めてこの歌詞を読んで。

数人程度の友人と小さく笑い合って、毎日を過ごすような、それが一番良いのかな

『少年は教室が嫌いだったのだ』

 ノクチルじゃん……………………って、あ、ハイ、小説の話に移ります。ハイ。

 中学校の教室が舞台のこの曲をテーマに据えるということは、それはつまり小糸の中学生時代について考えるということ。これまでに漠然と感じていたことを、オタクと壁打ちさせてもらったりなんかしながら言語化してみたんですが、ざっくりこんな感じなのかなぁなんて。

アイドルとしてステージに立つことができるという事実
 →おそらく、エゲつないイジメとかを受けたわけじゃない
「勉強していればここにいていいんだって思えた」
 →言い換えると、居場所が勉強にしか見つからなかった。

けれど、「お母さんを心配させないためにはクラスメイトと仲良くならなきゃ」という思いもきっとあって、でもうまくそうれなくて、忙しくて親友たちと会うこともできず、孤独と焦りのなかでじっくりとだめになっていった。

こんな感じかなって。

 そういう環境では誰かのちょっとした会話が自分の悪口に聞こえてしまったり、実際にちょっとした悪口を言われてそれがずーっと心に残ってしまったり、誰かが他の誰かに向けた悪意を目にしてしまってものすごくしんどくなったりして、ずるずると沈んでいくような感覚があるんですよね。いやまぁここまでくるともはや自分の話みたいになってるというか小糸と自分を同一視してしまうの本当に良くないとは思うんですけどとにかく『少年は教室が嫌いだったのだ』に出てくる「人間って思いの外頻繁に憎悪を持ち出す」とか「教室戦争」とかいう表現にものすごく共感してしまってあれこれなにが言いたいかわかんなくなってきたな話を戻そう。

 じわじわと暗いことを書きましたけど、犬飼は小糸に前に進んでほしいマンなので、今回も彼女なりにそういうドロドロしたものをなんとか少しだけでも飲み込んでしまえるような、そういうお話を目指しました。……できてると良いなぁ。

 ちなみに『少年は教室が嫌いだったのだ』以外にも石風呂曲の小ネタをめちゃくちゃ入れています。ぜひ探してみてね。

シャニマス擬獣化合同
『ANIM@LIZE WING』

その名の通りシャニアイドルの擬獣化作品を集めた合同誌。主催はごまめさん。犬飼は小説を一本寄稿しました

 ごまめさんが「やろうと思っててー」と言った瞬間に「出ます!!!!!」と食い気味に答えました。ずっとずっと前、初代『推し絵師のイラストからSS生やした本』にて、ごまめさんのイラストから作成したお話がまさしく擬獣化作品で、めっちゃくちゃ楽しかったんですよね……!

◆寄稿した作品
『元気を探せ!』

ごろごろがたごと、がたんがたん。

 なんだか元気のないサクヤとチユキを、ジュリとマミミが心配するお話です。確か『狼と香辛料』だったと思うんですけど、「夜の馬の足音は縁起が悪い(そんな時間に早馬がくるのはロクな事態ではないので)」みたいな話があったのを唐突に思い出して、「ちょっとそのテーマで書いてみるか」というところからの〝ごろごろがたごと〟でした。

 三人称視点(ナレーション:能登麻美子)みたいな形式にするというのは元々決めていたんですが、「主人公を誰にしようかなー」というのは割と長らく悩んでいて。摩美々は出したいなーとは漠然と思いつつも、もうひとり……小糸だとなんか不吉なことになったらノクチル全員で居そうだし……他に……と悶々。最終的には「〝地域猫の摩美々〟概念が書きたい!」というところから「地域猫にするならやっぱ寮組でしょ」「恋鐘と千雪がいつもよりどん底テンションだったら不吉感ある」という連想に至り、凛世樹里羽那がターゲットとなりました。ここまで絞れたあたりでオチも思いついていたので、それならやっぱ樹里だなーという逆算で決定……みたいな流れです。まみじゅりが好きなのも勿論あるんですけどね!!!

 余談ですが、実は最初はYoutubeにて とやまソフトセンターさんが上げている『狂犬病予防注射会場のドタバタ劇』のパロディをやろうとしていたんですが、書いてる途中で「……これやっぱ動画がないとおもんないな?」と思って全破棄したという裏話があります。

Nolaに書き起こしまでしたんだけどな……笑
没になった導入。ナレーションがあの声で聞こえてくる方は同志。

放課後クライマックスガールズ×ノクチル学校青春合同
『あしたも相合学舎!』

相合学舎組の作品を集めた合同誌。主催はテツさん&大口むにゃむにゃさん。犬飼は小説を1本寄稿したのと、小説組の組版をお手伝いしました。

 相合学舎、初めて聴いた時からずっと「なぜか泣いちゃう曲」の筆頭で、こんなに元気で楽しいのにめちゃくちゃ泣いちゃうんですよね。運転中でも泣きそうになるから危ない。そういうわけで、この合同の存在を知った瞬間に参加しました。表紙がとっても可愛くて会場でウオーってなってました。あと裏表紙の3人の「強豪校のライバル感」好きです。

◆寄稿した作品
『高校でびゅう』

「あの……小糸さん」
「ぴぃっ」
 ぐるぐる考えているところでさらに名を呼ばれ、わたしは小さく飛び上がった。慌てて杜野さんに視線を遣れば、彼女は参考書を胸元で開いて問いかけてきた。
「数学は……お得意でしょうか」

『線たちの12月』にとらわれているので、透と咲耶の組み合わせも無限に増えてほしいし、小糸と凛世の組み合わせがもっと見たい。そういうわけで今回は小糸と凛世に焦点を当てることにしました。Twiplaの「参加する」ボタンを押して5秒後のことです。

 そういうわねで、小糸と凛世がフードコートで勉強会をする話を書きました。が、これがなかなか難産でした。

 相合学舎の歌詞の中に「卒アルって写真全部入れてほしくない?」というくだりがあるんですが、pSSR『セピア色の孤独』を踏まえて考えると小糸にとってはめちゃくちゃ微妙な気持ちになるだろうなぁと思っています。そこをフックとして、「じゃあ凛世は?」と考えたとき、「あまりピンとはこないんじゃないかな……」なんて思いまして。後述する杜野凛世Pドル合同の主催・虚月さんと表紙・ほわそさんにこのあたりを相談したらめちゃくちゃ真剣に考えてくれて本当にありがたかったです。結論として、「ピンとはこないけれど、嫌ではないと思う」「今の凛世なら想像して微笑みそう」というところに落ち着き、それならそのポジティブな感覚に小糸を巻き込む方向で書いてみよう、とチャレンジしています。

 高校生になって世界ががらりと変わった二人。きっと今までは寄り道も買い食いも、フードコートでの勉強会なんてこともしていなかった二人。「高校デビュー」という言葉はなかなかポジティブな文脈で使われづらい言葉ですが、今作の中ではとてもポジティブな、二人が笑い合えるためのキーワードとして活躍してくれました。

 書いてる最中にめっちゃくちゃマック食べたくなったのはここだけの秘密です。

杜野凛世Pドル合同『光』
(編集、デザイン)

凛世とPがらぶらぶなお話だけを集めた合同誌。主催は虚月さん。犬飼は組版とデザイン周りでお手伝いしました。

 赤目の女の子が好きなんですけど(唐突な性癖開示)、おかげさまでこっそり杜野凛世さんの顔面のオタクをしております。そもそもチームまりあが好きだからそのパーソナリティも好きなんですけど。あれじゃあもう好きじゃんそれ。凛世さん好きです。あれなんの話だっけこれ?

 主催の虚月さんとお会いした際に「合同、やりたいんすよ……!」と言っており、「いいじゃーん! 俺組版やるよー!」とニッコニコで立候補したのがきっかけです。加えて初めての合同主催とのことで、後ろから耳打ちをする爺やみたいなポジションもやりました。

◆編集として

 祝福に溢れた作品ばかり、というのが第一印象でした。イラストも漫画も小説も、とにかく凛世が幸せそうで。凛世の揺らぐことない愛がしっかりと描かれ、あのすっとこどっこい白コート野郎がこれまでに仕出かしてきたすっとこどっこいをしっかりと回収・挽回させた作品の数々。「凛世幸せになれ!」という主催・虚月さんの叫びが形になったような合同誌で、組版をしながら定期的に「うおお……」と声をあげておりました。すごかった。

◆デザイン担当として

 表紙の構図等は基本的にイラスト担当のほわそさんに決めていただけたので、犬飼は裏表紙や目次のデザインがメインでした。加えて特に頑張ったのは、『光』のロゴのデザインでした。

 漢字1文字のタイトルロゴを作るのってめちゃくちゃ難しいな……というのが今回の気付きでした。本のコンセプトをたったの一文字にバシッと入れる必要があって、強調も視覚効果も全てこの中で完結させる必要がある。文字ひとつで良い感じのバランスに落とし込まねばならない! ほあーーすっげぇむずい! むずい!!! とめちゃくちゃトライアンドエラーをしました。なんとか良い感じに落ち着いてくれてよかったぜ……。

 主催・虚月さんの「光だし、箔も入れてみたいよね」というアイデアから、こちらも箔押しにチャレンジしています。ただ全面をキラキラにしてしまうとちょっと凛世っぽくないかなーという気がしまして、強く光が当たっているハイライト部分のみを輝かせる方針に。

 本誌が出来上がるまではドッキドキだったんですが、現物みるとめっちゃくちゃ良い感じになっていてホッとしました。

 あと、このロゴにはもうひとつ仕込んだネタがあって。

ロゴを拡大。

 文字の左側から光が当たっているので、右側には勿論影ができます。その影をよく見てみると、本体とはフォントが異なることに気付くと思います。もしかして、書いた人が異なるんでしょうか。

 ……この合同誌はPと凛世の物語です。つまりそういうことです。

2024/12/15 THE IDOL M@STER EXPO DAY2

 ようやく12月。ここまでで2.2万文字くらいになりました。ウケる。

 SSFからほぼ1ヶ月。コミケの半月前。発表されたときの「公式のお膝元で同人誌売っていいの!?」「いや年末はやめれ!!!」というカオスな空気は今も忘れられません。

 SSFの振り返りの時にも書いたんですがリアル業務で心身ともに死んでいた中で、よりによって印刷所の締切の直前にインフルエンザで一週間寝込むという非常事態。ほんっとにしんどかった。流行っています本当に。気をつけて。まじでしんどいから。40.9度まで上がって死ぬかと思った。

 とはいえ公式のお膝元で開催される大きなお祭り! ここでやらなきゃ嘘だろう! という精神で、283−315合同の第三弾を開催しました。

283-315越境合同
『PASSION@TE WING!!03』

今年最後の同人誌。合同主催および寄稿を1本やりました(ただし、実は寄稿についてはインフルのせいで間に合わず、泣く泣く既作を出しました。すみません。。)

 正直、この合同を1年間に2冊も出すとは思いませんでした。もっとタメるつもりだったんですけど、「EXPOというお祭りの場で出さないのは嘘だろう!!!!」ということで開催を宣言しました。01、02から継続参加の方は勿論、今回から初参入の方もいらっしゃって、これまで最多の37名、170P超という規模まで膨れ上がりました。祭りだ祭りだ!

◆主催として

 アイマスのブランド越境本ってリリースするタイミングがめちゃくちゃ悩ましいんですよね。

 SSFやパバステのようなオンリーイベントで出すのは気が引けるなあ……というところで、これまでは歌姫庭園のような全マスのイベントで出してきたんですが、SideMのPちゃんたちはそこにあまり来ない(SideMはオンリーが強く、歌姫にSideM本が少ないため)ゆえにそちらにリーチができない。「SideMのPにシャニを、シャニのPにSideMを知ってほしい」という想いでこの合同をやっている身としては、なんか良いイベントがないものか……とずっと悩んでおりました。

 そんな中で開催が宣言されたEXPOはまさしく僥倖で、「どっちのPも来る!!!! やったあ!!! 祭りだ!!!!」というテンションで普段の1.5倍くらい印刷しました。残りました。そりゃそうだ(とはいえ、想像したよりもだいぶ出たなーという手応えでした)

 すごく印象的だったのが、「DAY1のMRライブでSideM観てカッコよかったから買いにきた!」という人が結構居たことです。もうそれだけでありがとうアイマスEXPOという気持ち。

 さらに、「1も2も持ってます!」とか「今まで買い逃してたけど今日こそは!」とやって来てくれた方も居たり、名札提げたまま某サークルさん(初対面)に本を買いにいったら「あ、283−315合同の!」と言われたりもしました(超嬉しかった)。本当にこう、「越境好きの同志がこんなにも居るのか……!」とめちゃくちゃ元気と勇気をもらいました。

 うちの合同誌のみならず、EXPOのサークルさんの中には越境本がたくさんあって、戦利品段ボールがこんなにも越境品でいっぱいになるのってきっと後にも先にもないと思う。本当に幸せでした。年末年始、大切に読みます。

 主催としての反省点は体調管理その一点で、連絡や告知が超絶後手後手に回ってしまったのは本当に申し訳なかった……。身体が資本、本当にそう。気をつけます……。

2024/12月 パルプアドベントカレンダー2024

 順番は前後しますが今年最後の制作でした。

 毎年恒例パルプアドカレ。今年も無事に完走できました。完走した感想は閉会式記事に書いたのでそちらに譲るとして、なんというかこう、年末だなぁという気持ちになりますね。6年もやっているともはや風物詩です。来年もやれるといいなー

レギュラー参加(12/23担当)

参加作品『配達業:未経験歓迎』

 つーかなにか。あいつが指示役で、このサンタは実行役……っつーか運び屋? まんま闇バイトじゃねーか、サンタ業界。

 逆噴射小説大賞の『冷凍バイト、いかがですか』で闇バイトを取り扱ったのをきっかけに、「もうちょっと別筋でも考えてみようかな」とこねくり回す中で、「サンタが闇バイトみたいな形態だったら嫌だな……」と思ったところから生まれた物語です。

 記事内のあとがきにも書いたのですが、裏のテーマとして「誰にでもクリスマスはやってくる。例えそれが悪人でも」というものも据えていました。主人公は「闇バイトの指示役の指示役」というゴリゴリの悪人で、「姪だから」という極めて利己的な理由でミアちゃんを助ける。けれど、きっとそうでなければ気にも留めないことでしょう。でもそんな人にもクリスマスは来るし、特別な日になりうるし、なんだかんだハッピーエンドにもなりうる。そんなことを考えながらプロットを練っていました。

 小説を書く中でよくダイジェスト形式でいろんなシーンを書くという手法をとるんですが、今回のダイジェストはだいぶ気に入っています。コミカルさと不思議さと不穏さをない混ぜにして、面白いけどちょっと不安みたいなバランスを目指しました。少なくとも書き上げて数日後である今のタイミングではものすごく満足しています(一週間後にはわかりません)

 投稿後、読んでコメントをくれた人が口々に「ミアの今後が心配」と言っていたのが印象的でした。俺も心配です。きっとずっとハッピーなんてことはないでしょう。冒頭の「一夜限りの幸せに、ロクなものなんてありやしない」という言葉がこの物語世界の根幹にあります。ジンペイは「これからは一夜の幸せの先」と言っていますが、果たして本当にそうなのか。皆様の解釈次第です。個人的にはハピエン厨なので幸せに生きてほしいですが。

全部振り返った!

 ここまでで24,000文字!!!

 今年一年で何文字くらい書いたんだろう、と数えてみたところ、だいたいこんな感じでした。

PaW02 9k     Pallet 26k
まみみつ 4k    人外 12k
スピッツ 4k    敵モブ 12k
ア合2 4k    ぬい合同 2k
逆噴射800×2   マフィア7k
アサヒ4k     擬獣化5k
相合学舎5k    PaW03 既作→0
アドカレ 11k

合計 約10.6万文字

 結構いっぱい書いたなーと思ったけど、とはいえ10万文字くらいだったっぽいです。この記事の4倍くらいの量と思うと、まぁそんなもんか感はありますね。

 ちなみにNolaの執筆ログを見るとこんな感じ(↓)でした。

バックアップとかも含むのであくまで参考値です

 こうして振り返ってみると、今年は個人誌を出さなかったんだなぁと思いました。去年はたくさん個人誌出してたから、その分文字数も多かったんだと思う。体感もしていたけれど、今年は本当に合同誌の年だったんだなあ。リアル業務でもプロマネみたいなことやってるんですけど、趣味の方でもプロマネとかPMOとかをずっとやってた気がする。改めて、一緒に楽しんでくれた皆様本当にありがとうございました!

いじょうだ

 これも毎年言っている気がするのだけど、そろそろ特撮小説(アマガサと戦隊)を再開したいなーと思っています。鉄は熱いうちに打て理論で、先に戦隊のほうを書きはじめてしまうかもしれません。アマガサファンの方ごめんなさい。戦隊の方も絶対面白いから許して。

 アイマス関連の二次創作は流石に燃え尽き気味なんですけど、「佐久間民族資料館」とノクチルマフィアパロがそれぞれいい感じにシリーズものとして成り立ちそうな感じがしているので、それぞれ書き下ろし加えて本にするのも良いかなーなんて思ってます。あとはSSF09に向けて泥酔合同3もやりたい。……と、なんだかんだとまだ出没すると思います。お手柔らかにお願いします。

 まぁでもしばらくはね! なんも作らん! 詰んでる本を読む、ゲームをする、遊ぶ! しばらくはなんもせん!!!

 というわけで、ここまでお付き合いありがとうございました!

 皆様良いお年を! ちゃお!

いいなと思ったら応援しよう!

桃之字/犬飼タ伊
🍑いただいたドネートはたぶん日本酒に化けます 🍑感想等はお気軽に質問箱にどうぞ!   https://peing.net/ja/tate_ala_arc 🍑なお現物支給も受け付けています。   http://amzn.asia/f1QZoXz